7 / 55
7話.王都からの手紙
しおりを挟む
ある日の午後
「旦那様、王都から二通の手紙が届きました」
お父様の執務を手伝ってたら、執事が手紙を持って来たけど?
「こんな時期にお呼び出し?何か悪い事でもしたの?」
私はお父様を茶化してみた。
「呼び出しではないけれど…なんだろね?『王弟一家を頼む』としか、書いてないんだよ」
不思議そうに手紙を光に透かしたり、水の魔術で濡らしてみたり…
何かの暗号なのかと頭を悩ませてる。
「もう一通は?なんて書いてるの?」
意味の分からない手紙なんて、ほっとけばいいのよ。
「王弟殿下が視察にいらっしゃるって、ご家族と一緒に」
手紙をじっくりと読みながら教えてくれた。
「えっ。王弟って王様の弟だよね…家族連れで?こんな北の、ド田舎に?なんで?」
「なんだろ…ね?薬草畑でも見に来るんじゃないのかな?」
「ふ~ん…」
ホントかな?他にも何かあるんじゃないの?って思っちゃう。
自慢じゃないがオルテンシア家は貧乏貴族だ。
私達に自覚は無かったけど、王都では有名だと誰かが教えてくれた。
実際王立学園の、授業料の高さに目玉飛び出たからね!
だから王族のおもてなしなんて、期待しないで欲しいわ。
王弟一人ならともかく、ここは家族連れで来るような所じゃない。
建国当初は、それなりに領地が点在してた。
お互い切磋琢磨しながら開拓してたらしいけど…
観光業は成り立たず、鉱山も無ければ、金山も無い。
魔物に襲われ領民だけでなく、領主まで逃げ出すわ、領地運営が立ち行かなくなり、没落するわで数が減り。
無理でしたって、国に返還出来たら、御の字だったらしい。
そんな領地に、後継者なんて、見つかる筈も無く。
うちに統合しようとしたけど、こっちも手一杯だってご先祖様が拒絶し。
放置された領地が荒れ果て、これは問題だと頭を悩ませた当時の王様が、北の辺境伯領に問答無用で押し付けた。
だけど、領地が広がったって人がいなけりゃ話にならず。
国境問題あるから、開拓なんてやんないよ?ってなったのは言うまでもない。
で、気が付いたらオルテンシア伯爵領は、魔物の巣くう森にぐるっと囲まれてた。
地図には北の辺境伯領の中の南西寄りに、ポツンと取り残された小さな領地として、描かれてる。
そんな所に態々モンステルの森を抜けて入って来る様な、変わり者はいない。
つい最近までは、誰も来ない陸の孤島だったらしい。
今はお母様が嫁いで来たから、お互いの領地をポータルで繋いでる。
自由に行き来出来るようになってるけど…
こっちから、あっちに行く人は、あんま居ない。
逆にあっちからは、重傷患者がよく運ばれて来るようになった。
うちの医術師は腕が良いし、薬術師が作るポーションも評判が良いのだ。
私も初級医術師と、初級薬術師の資格を取ったから、その腕の中に入ってる。
クレアも初級医術師の資格を持ってるから同じ腕なのだ。フフン(ドヤ顔)
一緒に受験して一緒に合格したからね!
私にとってクレアは良きライバルで、親友で物心付いた時から側に居るから…
姉妹かもしんない。
そして私達は上級資格を取る為、猛勉強中だ。
王立学園へ入るまでに、もう一つ位何か開発したいなぁって思ってる。
「旦那様、王都から二通の手紙が届きました」
お父様の執務を手伝ってたら、執事が手紙を持って来たけど?
「こんな時期にお呼び出し?何か悪い事でもしたの?」
私はお父様を茶化してみた。
「呼び出しではないけれど…なんだろね?『王弟一家を頼む』としか、書いてないんだよ」
不思議そうに手紙を光に透かしたり、水の魔術で濡らしてみたり…
何かの暗号なのかと頭を悩ませてる。
「もう一通は?なんて書いてるの?」
意味の分からない手紙なんて、ほっとけばいいのよ。
「王弟殿下が視察にいらっしゃるって、ご家族と一緒に」
手紙をじっくりと読みながら教えてくれた。
「えっ。王弟って王様の弟だよね…家族連れで?こんな北の、ド田舎に?なんで?」
「なんだろ…ね?薬草畑でも見に来るんじゃないのかな?」
「ふ~ん…」
ホントかな?他にも何かあるんじゃないの?って思っちゃう。
自慢じゃないがオルテンシア家は貧乏貴族だ。
私達に自覚は無かったけど、王都では有名だと誰かが教えてくれた。
実際王立学園の、授業料の高さに目玉飛び出たからね!
だから王族のおもてなしなんて、期待しないで欲しいわ。
王弟一人ならともかく、ここは家族連れで来るような所じゃない。
建国当初は、それなりに領地が点在してた。
お互い切磋琢磨しながら開拓してたらしいけど…
観光業は成り立たず、鉱山も無ければ、金山も無い。
魔物に襲われ領民だけでなく、領主まで逃げ出すわ、領地運営が立ち行かなくなり、没落するわで数が減り。
無理でしたって、国に返還出来たら、御の字だったらしい。
そんな領地に、後継者なんて、見つかる筈も無く。
うちに統合しようとしたけど、こっちも手一杯だってご先祖様が拒絶し。
放置された領地が荒れ果て、これは問題だと頭を悩ませた当時の王様が、北の辺境伯領に問答無用で押し付けた。
だけど、領地が広がったって人がいなけりゃ話にならず。
国境問題あるから、開拓なんてやんないよ?ってなったのは言うまでもない。
で、気が付いたらオルテンシア伯爵領は、魔物の巣くう森にぐるっと囲まれてた。
地図には北の辺境伯領の中の南西寄りに、ポツンと取り残された小さな領地として、描かれてる。
そんな所に態々モンステルの森を抜けて入って来る様な、変わり者はいない。
つい最近までは、誰も来ない陸の孤島だったらしい。
今はお母様が嫁いで来たから、お互いの領地をポータルで繋いでる。
自由に行き来出来るようになってるけど…
こっちから、あっちに行く人は、あんま居ない。
逆にあっちからは、重傷患者がよく運ばれて来るようになった。
うちの医術師は腕が良いし、薬術師が作るポーションも評判が良いのだ。
私も初級医術師と、初級薬術師の資格を取ったから、その腕の中に入ってる。
クレアも初級医術師の資格を持ってるから同じ腕なのだ。フフン(ドヤ顔)
一緒に受験して一緒に合格したからね!
私にとってクレアは良きライバルで、親友で物心付いた時から側に居るから…
姉妹かもしんない。
そして私達は上級資格を取る為、猛勉強中だ。
王立学園へ入るまでに、もう一つ位何か開発したいなぁって思ってる。
10
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる