7 / 84
1章 出会い
7話.王都からの手紙
しおりを挟む
ある日の午後
「旦那様、王都から二通の手紙が届きました」
お父様の執務を手伝ってたら、執事が手紙を持って来たけど?
「こんな時期にお呼び出し?何か悪い事でもしたの?」
私はお父様を茶化してみた。
「呼び出しではないけれど…なんだろね?『王弟一家を頼む』としか、書いてないんだよ」
不思議そうに手紙を光に透かしたり、水の魔術で濡らしてみたり…
何かの暗号なのかと頭を悩ませてる。
「もう一通は?なんて書いてるの?」
意味の分からない手紙なんて、ほっとけばいいのよ。
「王弟殿下が視察にいらっしゃるって、ご家族と一緒に」
手紙をじっくりと読みながら教えてくれた。
「えっ。王弟って王様の弟だよね…家族連れで?こんな北の、ド田舎に?なんで?」
「なんだろ…ね?薬草畑でも見に来るんじゃないのかな?」
「ふ~ん…」
ホントかな?他にも何かあるんじゃないの?って思っちゃう。
自慢じゃないがオルテンシア家は貧乏貴族だ。
私達に自覚は無かったけど、王都では有名だと誰かが教えてくれた。
実際王立学園の、授業料の高さに目玉飛び出たからね!
だから王族のおもてなしなんて、期待しないで欲しいわ。
王弟一人ならともかく、ここは家族連れで来るような所じゃない。
建国当初は、それなりに領地が点在してた。
お互い切磋琢磨しながら開拓してたらしいけど…
観光業は成り立たず、鉱山も無ければ、金山も無い。
魔物に襲われ領民だけでなく、領主まで逃げ出すわ、領地運営が立ち行かなくなり、没落するわで数が減り。
無理でしたって、国に返還出来たら、御の字だったらしい。
そんな領地に、後継者なんて、見つかる筈も無く。
うちに統合しようとしたけど、こっちも手一杯だってご先祖様が拒絶し。
放置された領地が荒れ果て、これは問題だと頭を悩ませた当時の王様が、北の辺境伯領に問答無用で押し付けた。
だけど、領地が広がったって人がいなけりゃ話にならず。
国境問題あるから、開拓なんてやんないよ?ってなったのは言うまでもない。
で、気が付いたらオルテンシア伯爵領は、魔物の巣くう森にぐるっと囲まれてた。
地図には北の辺境伯領の中の南西寄りに、ポツンと取り残された小さな領地として、描かれてる。
そんな所に態々モンステルの森を抜けて入って来る様な、変わり者はいない。
つい最近までは、誰も来ない陸の孤島だったらしい。
今はお母様が嫁いで来たから、お互いの領地をポータルで繋いでる。
自由に行き来出来るようになってるけど…
こっちから、あっちに行く人は、あんま居ない。
逆にあっちからは、重傷患者がよく運ばれて来るようになった。
うちの医術師は腕が良いし、薬術師が作るポーションも評判が良いのだ。
私も初級医術師と、初級薬術師の資格を取ったから、その腕の中に入ってる。
クレアも初級医術師の資格を持ってるから同じ腕なのだ。フフン(ドヤ顔)
一緒に受験して一緒に合格したからね!
私にとってクレアは良きライバルで、親友で物心付いた時から側に居るから…
姉妹かもしんない。
そして私達は上級資格を取る為、猛勉強中だ。
王立学園へ入るまでに、もう一つ位何か開発したいなぁって思ってる。
「旦那様、王都から二通の手紙が届きました」
お父様の執務を手伝ってたら、執事が手紙を持って来たけど?
「こんな時期にお呼び出し?何か悪い事でもしたの?」
私はお父様を茶化してみた。
「呼び出しではないけれど…なんだろね?『王弟一家を頼む』としか、書いてないんだよ」
不思議そうに手紙を光に透かしたり、水の魔術で濡らしてみたり…
何かの暗号なのかと頭を悩ませてる。
「もう一通は?なんて書いてるの?」
意味の分からない手紙なんて、ほっとけばいいのよ。
「王弟殿下が視察にいらっしゃるって、ご家族と一緒に」
手紙をじっくりと読みながら教えてくれた。
「えっ。王弟って王様の弟だよね…家族連れで?こんな北の、ド田舎に?なんで?」
「なんだろ…ね?薬草畑でも見に来るんじゃないのかな?」
「ふ~ん…」
ホントかな?他にも何かあるんじゃないの?って思っちゃう。
自慢じゃないがオルテンシア家は貧乏貴族だ。
私達に自覚は無かったけど、王都では有名だと誰かが教えてくれた。
実際王立学園の、授業料の高さに目玉飛び出たからね!
だから王族のおもてなしなんて、期待しないで欲しいわ。
王弟一人ならともかく、ここは家族連れで来るような所じゃない。
建国当初は、それなりに領地が点在してた。
お互い切磋琢磨しながら開拓してたらしいけど…
観光業は成り立たず、鉱山も無ければ、金山も無い。
魔物に襲われ領民だけでなく、領主まで逃げ出すわ、領地運営が立ち行かなくなり、没落するわで数が減り。
無理でしたって、国に返還出来たら、御の字だったらしい。
そんな領地に、後継者なんて、見つかる筈も無く。
うちに統合しようとしたけど、こっちも手一杯だってご先祖様が拒絶し。
放置された領地が荒れ果て、これは問題だと頭を悩ませた当時の王様が、北の辺境伯領に問答無用で押し付けた。
だけど、領地が広がったって人がいなけりゃ話にならず。
国境問題あるから、開拓なんてやんないよ?ってなったのは言うまでもない。
で、気が付いたらオルテンシア伯爵領は、魔物の巣くう森にぐるっと囲まれてた。
地図には北の辺境伯領の中の南西寄りに、ポツンと取り残された小さな領地として、描かれてる。
そんな所に態々モンステルの森を抜けて入って来る様な、変わり者はいない。
つい最近までは、誰も来ない陸の孤島だったらしい。
今はお母様が嫁いで来たから、お互いの領地をポータルで繋いでる。
自由に行き来出来るようになってるけど…
こっちから、あっちに行く人は、あんま居ない。
逆にあっちからは、重傷患者がよく運ばれて来るようになった。
うちの医術師は腕が良いし、薬術師が作るポーションも評判が良いのだ。
私も初級医術師と、初級薬術師の資格を取ったから、その腕の中に入ってる。
クレアも初級医術師の資格を持ってるから同じ腕なのだ。フフン(ドヤ顔)
一緒に受験して一緒に合格したからね!
私にとってクレアは良きライバルで、親友で物心付いた時から側に居るから…
姉妹かもしんない。
そして私達は上級資格を取る為、猛勉強中だ。
王立学園へ入るまでに、もう一つ位何か開発したいなぁって思ってる。
15
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています

【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
【完結】剣聖の娘はのんびりと後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる