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6話.ちょっとだけ、楽しみになってきた

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 リッデル伯父様から、推薦状を貰った後に、いろいろ話もしてくれた。
 前の王様が脆弱な近衛騎士団を立て直す為、お爺様に来て欲しいと頼んだら…
 お前が行けと問答無用で追い出されたらしい。
 まだ若かったから不憫に思った当時の王様が、王立学園に通わせてくれた。
 そして卒業後、近衛騎士団に入ったんだと。
 本来伯父様が継ぐ予定だった辺境伯領は、弟に継がせようとしたんだけど、何故か拒絶された。
 お母様には絶対任せられないから、仕方なく嫡男をお爺様の世継ぎにしたんだって。
 お母様…確かに辺境伯なんて無理そう(笑)
 お父様が変な誤解をしてたのには、思い当たる節がないらしく。
 結婚式を欠席した事かな?と言ってた。
 招待状を受け取った時。
 当時護衛してた今の王様と、帝国に長期滞在中だったんだって。
 帰国してから直ぐお祝いに行ったんだけど、その時偶々お父様がいなくて会えなかっただけで…
 特に兄妹仲が悪い訳じゃないし、私達の話は伯父様の耳にも、ちゃんと届いてたんだって。
 里帰りも定期的にしてたから、存在が無かった事にちょっとショックを受けてた。
 まぁルディだからな…って苦笑いしてたわ。
 いろんな話聞けてよかったよ。
 推薦状も学園に提出して来たし、お土産も買ったし。
 特に用は無いから帰って来た。
 伯父様は泊まって行きなさいって言ってくれたけど…
 正直お屋敷が豪華過ぎて、落ち着かなかっんだもの。
 学園が始まったら、あの家から通う事になるんだよね~
 今更断るのも申し訳無いし…
 特待生になっても学生寮費はお高いのだ。
 平民が入る所は無料らしいけど、一応貴族に分類されてるので却下された。
 まぁ仕方ないよね、背に腹は代えられぬ。
 救いは伯父様が気さくな人だった事位かな?
 そうそう忘れてた!
 私達は産まれて初めて紳士?淑女?って人種と遭遇したよ!
 伯母様も、従兄弟達もお上品過ぎて、別世界の人かと思ったもん。

 新学期に間に合って良かったねって、クレアに言ったら頷いてくれた。
 「緊張した」
 「ねっ!魔物相手のが楽だわ!それに学園は飛び級出来ないし、憂鬱になってたけど。研究し放題って聞いたら、ちょっと楽しみになって来た」
 実は私達、何年も前に領内の学校を飛び級で卒業してる。
 今更興味もない事を学べと言われてもって萎えてたの。
 だけど、三年間研究に没頭出来るなら話は別だよ!
 伯母様のナイスな情報提供に感謝します。
 「私も頑張らなくちゃ」
 何を?って思ったけど、そこは聞けなかった。
 クレアが誰よりも努力家なのは傍にいる私が一番よく知ってる。
 ただ、それを霞ませてしまってるのが私だって事も、自覚してるから。
 そして私達は今日も、魔物討伐という名の訓練に励むのであった。

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