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1章 出会い

3話.クレアは絶賛家出中

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 魔物の討伐に夢中になってたら、結構時間が経ってたみたい。
 「今日はもう帰る?」 
 クレアが、切り上げるかの選択権を、私に委ねてきた。
 自分の意志で行動する事って、滅多にないんだよね。
 よっぽど興味の惹く物を見つけたら別なんだけど。
 私は人の意見を聞かないで、思い立ったら直ぐ行動しちゃう方。
 だからいつもクレアが合わせて付いて来てくれるんだ。
 「そだね、収穫あったし帰ろっか~」
 まだ日が沈むには早いけど、私達は早々に切り上げた。
 屋敷に戻ると…
 爵位をお父様に押し付けて隠居し、国内旅行を満喫中の祖父母が、旅先から沢山の特産物を送って来てくれてた。
 美味しそうなお菓子もあったので、これからお茶にする所だったらしい。
 だからさっき、帰るかどうか聞いて来たんだ!
 クレアのスキルは千里眼だから、討伐中にこの場面が見えたのかな?って思った。
 そんで魔晶石から、お菓子に興味が移ったのかもしれない。
 スキルって、属性と違う多種多様の能力の事。
 発動条件とか使う魔力量とかも個人差があって、スキル自体持って無い人のが多いのかな?
 知らんけど…国への申告義務がないからね。
 持ってるスキルによって誘拐されたり、隔離されたりする被害が後を絶たないから、隠す人が多いのだ。
 そう言う私も、本来のスキルを隠してるんだよ。
 表向きはマジックボックスで、容量は木箱2個分て事にしてる。
 何故隠してるのかは…機会があったら語ってみよう。
 今はお茶を楽しみたいからね。
 廊下を進んだ突き当りに、古びた重厚な扉があって、開けると四階まで吹き抜けてる温室がある。
 真っ先に飛び込んで来るのは、中央に置かれた円卓だ。
 南東側が全面ガラス張りになってて、外の景色と一体化して見えるから、実際よりも広々とした空間に見えてる。
 壁側にはご先祖様が趣味で集めてた、珍しい南国の植物が密林の様に植えられてる。
 此処に居ると、屋根がある事を忘れてしまいそう。
 既にお父様たちは席に着いてたので、私達も空いてる椅子に腰を下ろす。
 何故クレアが我が家にいるのかって?
 それは、クレアのお父様が原因なのよ。
 若い頃は絶世の美少年と、言われてたらしい…
 その美貌は衰えるどころか、歳を重ねる毎に魅力が倍増してしまった。
 そのせいで周りに鼻が曲がりそうな程臭い香水や、化粧の匂いを漂わせたコバエが群がって来る。
 それを振り払おうともしないんだよね~
 そんな父親が嫌いで、絶賛家出中なのだ。
 分かるよ~分かる!
 妻子ある人に群がるなんて、貞操も節操も無い奴らは私も嫌!
 そんな感じで、我が家にもクレアのお部屋があるから、一緒に帰って来た。
 なんて言うの?
 思春期特有のアレだよ………
 なんだっけ?
 忘れた。
 ちなみに、母親とクレアの関係は良好だから、実家に帰ってる時もある。

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