転生して捨てられたけど、女嫌いの公爵家嫡男に気に入られました

Nau

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番外編

*年後

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「ヘリゼ、待って!」
「お兄様早くー!」

駆けて行く少女を少年は慌てて追いかける。

「そんなに走ると怒られるよ」
「だってだって!お父様がやっと帰ってくるのよ!」

2人の父は仕事で王都から領地へ行き一ヶ月程留守にしていた。

「リュカ、ヘリゼ」
「「お母様!」」
「今日はお帰りがお早いのですね!」
「お父様が帰ってくるから、早く帰れって言われたの。一緒に出迎えましょう」

程なくして一台の馬車が玄関に到着した。中から男性が降りてくると、ヘリゼは一目散に駆け寄った。

「お帰りなさい、お父様!」
「ただいま、ヘリゼ」

ヘリゼを抱き上げ、近寄ってきたリュカの頭を撫でる。少し離れたところで見ている子供の母を呼び寄せた。

「ノエルもおいで」
「お帰りなさい、ヴィンス」

恥ずかしそうに近寄ってきたノエルを抱きしめ、1ヶ月ぶりの再会を喜んだ。

リュカはヴィンスレットとノエルの間に10年前に生まれた長男。ヘリゼはその5年後に生まれた長女だ。リュカは見た目こそノエル似だが、性格はリーンハルトやお義母様曰く幼い頃のヴィンスにそっくりだそう。対してヘリゼは父にそっくりな色彩を持ち中身は好奇心旺盛なところが特にノエルに似ていると言われている。

ノエル譲りの高い運動能力はどちらにも受け継がれたようで、リュカはクレイス公爵家の後継としての勉強を進める合間にルイの後を継いで騎士団長となったルイの息子のファウトが直々に稽古をつけている。ノエルとも時々手合わせをしているが、毎回転がされている。婚約者にはルリアーナの娘が選ばれた。顔合わせの時から気があったようで、いい関係を築けている。公爵家の次期当主の婚約者としては伯爵はギリギリの身分ではないかという懸念がされたものの、母親であるルリアーナは元王族の婚約者に選ばれるほどの才女であり、娘もその才を受け継いでいたことで自分の娘をと思っていた周囲を黙らせた。

ヘリゼは母親の気質を受け継いだ結果、相当なじゃじゃ馬娘へと育った。彼女は剣よりも魔法に興味があるらしく、まだ幼いため使用は両親に禁止されているものの、王室研究所に勤める母について行っては知識を着々と蓄えている。ヘリゼの婚約者はまだ決まっていないが、リーンハルトとリーゼロッテの今年10歳になる長男が5歳下の少女に一目惚れし、虎視眈々と狙っていると知って、ノエルは爆笑し、ヴィンスレットは頭を抱えていた。これに関してそれぞれの両親を抜いた周囲はノエルが平民ということもあって反対をしているが、ノエルは邪竜教の一件で栄誉貴族としての地位を賜っており、そこいらの貴族より王国の発展に貢献しているし、両親の優秀な頭脳を受け継いだヘリゼは将来優秀な女性になる、と黙らせた。

王室研究所に研究員として入って欲しいと王となったハルトに頼まれ、大好きな研究ができるならと入所した彼女は、周りの手を借りながらも自分の手で子供達を育て上げる傍ら、研究によって多くの利益を王国にもたらした。
今世では家族というものを知らなかったノエルは、愛しい旦那様と可愛い子供達に囲まれ、幸せそうに笑っていた。
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