チートな幼女に転生しました。【本編完結済み】

学園編

夏休み

今日から学園に入学して初めての夏休み。1度騎士寮に帰った後、私はギルドへ向かった。
休みの間はできるだけランクを上げておきたかったから、騎士寮へは顔を出すだけにしておいた。でも寂しかったらしく、いい年した大人がおいおい泣きながらもう少しいてくれと泣き叫んでいたのが少し面白かった。まあ、依頼が終わったら帰って来るつもりだし…放置でいいか。そう思い、ギルドへ向かった。

「あ！ノエルさん！お久しぶりです」

ギルドへ入るとあの日と同じ受付のお姉さんがいた。

「お久しぶりです。依頼を受けにきたんですけど、何かいいのありますか？」
「少々お待ちください」

おねえさんは私のためにいくつか依頼を見繕ってくれた。

「ランクを上げたいのであれば、こちらのブラッディベア討伐ですかね。皮の状態によってはノエルさんならすぐにランクアップできます。」
「じゃあ、それでお願いします」
「はい！りょうかいしました。それではギルドカードをお預かりいたします」
「はーい」
「…はい、それでは、お気をつけて！」
「行ってきます！」

門を抜けた後は、森の中に転移した。

「『サーチ』」

探索魔法をかけると1キロ先に一体見つけた。身体強化を使い、走って行く。

「いた」

気配を消して木の上から様子を伺う。ブラッディベアはAランクの魔物で、血気盛んな熊。あと、どれだけ血抜きして下処理しても臭すぎて食べられない。そのため、毛皮しか需要がない。

「さてと、やりますか」

木の上から飛び降りて、腰にかけていた剣を抜いた。
背後から首を狙って剣を振るう。しかし気配に敏感なブラッディベアに近づいたことで気付かれ、切った位置がずれた。

「ガアアアアア！」

ブラッディベアの雄叫びに木々が揺れる。

「仲間を呼ばれると面倒だから一気に行くか」

地面を蹴り、懐に飛び込む。それに気づいたブラッディベアが鋭い爪を振り下ろして来るが、そんなの予想通り。瞬時に足元に結界を張り、それを足場にし結界の物体を跳ね返す力を利用し横に跳ぶ。そして次こそ、首を切り仕留めた。

「ふぅ」

返り血を生活魔法の『クリーン』で綺麗にしたあと、アイテムボックスに死体を収納し、森の奥に進んで行く。途中で実験に使うマナ草を摘みつつ、遭遇したブラッディベアをはじめとした魔物を狩りすぎに注意しながら狩っていく。そのままお昼はアイテムボックスに入っていたサンドウィッチを食べて、夕方には再び森の外に転移し門を通って、ギルドで狩ってきたものを渡して報酬をもらって、無事ランクアップ(DからCに上がった！)し、騎士寮へと帰った。