がんばれ勇者くん

うさのり

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第三章

閑話・恋人たち

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「本当に良い子だね、彼は。」

「それは最初からわかっていたことでしょう?
こんな回りくどいことなんてしないで、最初から彼をここにつれて来れば、すぐに終わっていたでしょうに・・・。」

大きな窓の重そうなカーテンは開ききっていたが、朝の日差しは差し込み始めたばかりで少し薄暗い部屋。そこに、二人の人物の影があった。
一人は椅子にゆったりと座り、もう一人は腕を後ろに組みその前に立っている。

「何故かな?」

椅子に座っている長い黒髪の青年は、楽しそうに目の前に立っている人物を見た。

「多分彼には恋愛対象として好きな人がいますよ。・・・多分ですが。」

「何故わかるんだい?」

黒髪の人物はゆっくりと立ち上がった。立っている人物はその場を動かなかった。二人の距離はほとんどない。

「本当は・・・、全てわかっているのでしょう?クティ?」

「まぁね。」

クティと呼ばれた黒髪の人物は笑いながら、立っている恋人の髪から紐を取り、その美しい金髪を手で優しく梳いた。

「ユンスウ様にはそのことは・・・」

「話していないよ。そんなことしたら、面白くないだろう?」

はぁと大きく息を吐き、恋人は俯いた。クティは優しく恋人を抱きしめ、耳元で囁いた。

「それに、彼も気づいていないよ。多分」

「・・・それは・・・。多分、そうでしょうね」

肩を落とす恋人の顔を上げてから、クティはその唇に軽くキスをした。

「これがきっかけで気づくといいのだが?」

「クティ・・・。やはり暇なだけでやっているのでしょう?」

「当然。」

笑う愛する人クティに抱きしめられているのに、その恋人エクーディアは再び大きなため息を吐き、肩を落とした。
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