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第2章 平穏を求める
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颯人さんと買い物をした翌日は、防衛戦についての作戦会議があった。その結果、僕は街の中で待機。不測の事態が起こった場合のみに出撃するらしい。
一応、僕幼女なのだけれど…確かに、能力が異常だし、出撃を拒否もしなかったから戦争の兵力として数えられることには文句はないんだけれど…まだ地球の時の常識(?)が残っているのか、6歳の幼気な女の子(自分で言ってちょっと傷ついた。精神年齢は意外と高いのに…)が戦うことについて違和感を感じた。
帝国軍が侵攻してくるのは主に北側の門。そして、森に近い西側の門だ。南側は王都側なので、まず帝国軍はそちらからこない。その為、兵士はあまり配置しないことになった。そして、東側の門は、迷いの森のすぐそばの為、帝国軍が攻めてくる可能性は低いとして、一般兵のみで、勇者は配置しないことになった。
そして、その翌日。
帝国軍がやってくると予想されていた日。
今は地球で言うところの正午あたり。先程、森で帝国軍を監視していた兵が一人戻ってきた。
その兵士によると、斥候らしき少数の帝国兵の集団が森の入ってきたと言う。この報告で、一瞬にしてセントラルの兵士達に緊張が走った。
予想では、あと1時間後に帝国軍の本隊がやってくる。
馬鹿正直に突っ込んで兵力差で押しつぶしてくるか、小さな部隊が様々な方向から攻めてくるか、わからないらしい。
帝国軍の進軍によって、帝国に送っていた密偵との連絡も付かなくなってしまったらしく、現在はこちら側の兵士による観察でしか相手の様子がわからないという。
現代だったら、衛生写真とか便利なものもあるのだろうけれど…
いつかそんなものを作ろうかな…と考えて、すぐさまやめる。
この世界の技術には合ってないし、作ったところで軍事目的以外に使い道が現在ない。現代地球みたいに、スマホなどで使ったりもしないだ。それに、宇宙空間で動く様な装置を作るほどの技術を僕は持っていない。
宇宙関係の趣味も持っていなかった学生がそんなものを作れるわけがないのだ。
そのまま考え事をしていると、違う偵察兵が本体を確認したという報告を持ってきた。
これから、戦争が始まる。
いや、もう始まってるし、僕はまだ参戦しないのだけれど。
先程、一巳さん達が出撃していった。勇者の11人は3グループに分けられ、通常の森、迷うの森、街道沿いに配置されるらしい。地図上で見てみると、北と西の門を結ぶ線に平行な感じだろうか。結構単純だった。
それと、3グループのうちの一巳さんの部隊の中には颯人さんも含まれていたので、僕には話し相手がいない。
今のところ異常も起こっていない(始まって間もないので)から、暇なのだ。
戦術などにも詳しくないから、参謀さんのお手伝いなどもできないし。
なので、東西南北の門を見て回ることにした。
……そういえば、エルフ達はどうしたのだろうか。
一昨日にギルド長に聞いてみると、対帝国に関しては了承するという感じの文書を届けるために使者をだしたらしいけれど…今回の防衛戦には参戦しないのかな。まあ、今来たところで帝国軍と鉢合わせしてしまうだけだろうけれど。
僕のイメージでは、エルフは完全に後衛だから、真正面から当たってもすぐにやられるだけだろう。
今のセントラルにはきて欲しくないものだ。
先程までは作戦本部(的なもの)が設置されている北門にいたので、まずは西門を見に行くことにする。
西門は、帝国と王都に向かう街道につながった小さな道が横向きにあるだけで、真正面は森だった。ここは主に冒険者達が使う門らしい。
ここから色々と狩に行くのだろうね。
次は南門。ここから、王都に向かう街道が伸びている。ここは主に商人が使う。ここを出ても右左に森、真正面は平原だからだ。
ここは兵士も少なかった。まあ、こっちから王国軍がくるんだろうしね。
最後に東門。ここは僕もよく使う。迷いの森に面している門だ。西門と同じく、帝国と王都を結ぶ街道につながる道がある。
ここではシャルルさんが兵士達の指揮の補助をしていた。
ギルド長の愚痴によると、シャルルさんが志願してここに配置してもらったらしい。
なんでだろう…と考えていると、シャルルさんが僕を見つけたようで、こっちにやってきた。
「あ、リアちゃん。どうしたの?」
「あ、いえ…私は何もすることがないので…」
「そう…まあ、不測の事態とかに備えて、北門の方にいたら?」
「あ、はい。この後は戻る予定です…」
「じゃあ、頑張ってね」
「はい」
と、まあ簡素な会話をして別れた。
少しシャルルさんが僕に対して冷たかった気もするけれど…忙しいからかな。
北門では、相変わらず参謀の人(名前知らないやw)がうんうんと唸っていた。
「参謀さん、どうしたのですか?」
と、聞いてみた。
「あ、君か…まあ、冒険者ギルド長が立ち入り許可するくらいだから…いいかな。ちょうど今帝国軍の陣形の報告が来たのだけれど………単純すぎるんだよ、陣が」
「へ?」
「いや、帝国軍の陣形がただの正方形で、休憩のための陣地が後ろにあるだけ。これは流石におかしいんだ。絶対に何かあると思っているんだけど…やっぱり勇者かね」
「うーん…多分そうじゃないですか? こちらよりも人数多いですし…」
「そうか…ありがとう。じゃあ、少し出るよ。指揮官が戦線近くまで出ていっているからね。伝えに行かないと」
「わかりました。気をつけてくださいね」
「ありがとう。君も、怪我とかしないようにね」
そう言って参謀の人(結局名前聞けなかった)は門をでて指揮官がいるらしき方向に走っていった。
伝令は使わないのか…
やっぱりすることがないので、ボーッと参謀の人が座っていた椅子に座っていると、先ほど出ていったはずの参謀の人(一々めんどくさいなぁ…)が血相を変えて戻ってきた。
「君! 大変だ…」
僕はあまりの迫力に少しのけぞってしまった。
「ど、どうしたのですか…?」
「君に頼っていいのか判断できないが…仕方がない。ギルド長の言葉もあるので…君には今から出撃してもらう」
「え!? 何か起きたのですか?」
「………魔物だ」
「え?」
「大量の魔物が現れたんだ。こちらの軍勢は数が少ないため対応しきれない」
「…………」
魔物? なんでこんな時に。しかもかなりの数って。獣じゃないんだよね? ある程度知性はあるはずなのに…帝国軍が森でも焼いた…いや、その場合は煙が上がっていないとおかしいし…
とにかく、やばいなら行かなくちゃいけない。幸い、人殺しってわけじゃないので、精神的には…
しかし、参謀さんの次の言葉に僕は愕然とした。
「しかも、魔物が帝国兵達の味方のような感じなんだ」
「………は? どういうことですか?」
魔物が人間に味方なんてありえない。知性はあるが、理性なはない。話せるが、交渉はできない。それは魔物だ。交渉できるだけの知性を持った魔物は魔物ではなく魔族と呼ばれる。
ということは、使役系か…でも、大量の魔物を従える魔法なんて…
って…
「勇者、ですかね」
「…たぶん、そうだろうな。すまないが、魔物と一緒に帝国兵達も相手にしてもらうことになるが、大丈夫かな?」
むぅ…軽々とそんなこと言わないでほしいなぁ…僕が僕自身の意思で人を殺したことは…多分無い。村の時も、迷いの森の時も、一応僕がしっかりとした意思を持って殺したわけじゃない…と思いたいなぁ…
でもまあ、何事も経験だし…
と、僕は気を紛らわすことにした。
「多分…大丈夫だと思います」
「そうか…では、頼むよ。向かうのは西側の森だ。迷いの森じゃない方だね」
「わかりました。それでは、行ってきます」
そうして、僕は出撃した。
自分の精神の強度と、この防衛戦の勝敗を気にしながら。
一応、僕幼女なのだけれど…確かに、能力が異常だし、出撃を拒否もしなかったから戦争の兵力として数えられることには文句はないんだけれど…まだ地球の時の常識(?)が残っているのか、6歳の幼気な女の子(自分で言ってちょっと傷ついた。精神年齢は意外と高いのに…)が戦うことについて違和感を感じた。
帝国軍が侵攻してくるのは主に北側の門。そして、森に近い西側の門だ。南側は王都側なので、まず帝国軍はそちらからこない。その為、兵士はあまり配置しないことになった。そして、東側の門は、迷いの森のすぐそばの為、帝国軍が攻めてくる可能性は低いとして、一般兵のみで、勇者は配置しないことになった。
そして、その翌日。
帝国軍がやってくると予想されていた日。
今は地球で言うところの正午あたり。先程、森で帝国軍を監視していた兵が一人戻ってきた。
その兵士によると、斥候らしき少数の帝国兵の集団が森の入ってきたと言う。この報告で、一瞬にしてセントラルの兵士達に緊張が走った。
予想では、あと1時間後に帝国軍の本隊がやってくる。
馬鹿正直に突っ込んで兵力差で押しつぶしてくるか、小さな部隊が様々な方向から攻めてくるか、わからないらしい。
帝国軍の進軍によって、帝国に送っていた密偵との連絡も付かなくなってしまったらしく、現在はこちら側の兵士による観察でしか相手の様子がわからないという。
現代だったら、衛生写真とか便利なものもあるのだろうけれど…
いつかそんなものを作ろうかな…と考えて、すぐさまやめる。
この世界の技術には合ってないし、作ったところで軍事目的以外に使い道が現在ない。現代地球みたいに、スマホなどで使ったりもしないだ。それに、宇宙空間で動く様な装置を作るほどの技術を僕は持っていない。
宇宙関係の趣味も持っていなかった学生がそんなものを作れるわけがないのだ。
そのまま考え事をしていると、違う偵察兵が本体を確認したという報告を持ってきた。
これから、戦争が始まる。
いや、もう始まってるし、僕はまだ参戦しないのだけれど。
先程、一巳さん達が出撃していった。勇者の11人は3グループに分けられ、通常の森、迷うの森、街道沿いに配置されるらしい。地図上で見てみると、北と西の門を結ぶ線に平行な感じだろうか。結構単純だった。
それと、3グループのうちの一巳さんの部隊の中には颯人さんも含まれていたので、僕には話し相手がいない。
今のところ異常も起こっていない(始まって間もないので)から、暇なのだ。
戦術などにも詳しくないから、参謀さんのお手伝いなどもできないし。
なので、東西南北の門を見て回ることにした。
……そういえば、エルフ達はどうしたのだろうか。
一昨日にギルド長に聞いてみると、対帝国に関しては了承するという感じの文書を届けるために使者をだしたらしいけれど…今回の防衛戦には参戦しないのかな。まあ、今来たところで帝国軍と鉢合わせしてしまうだけだろうけれど。
僕のイメージでは、エルフは完全に後衛だから、真正面から当たってもすぐにやられるだけだろう。
今のセントラルにはきて欲しくないものだ。
先程までは作戦本部(的なもの)が設置されている北門にいたので、まずは西門を見に行くことにする。
西門は、帝国と王都に向かう街道につながった小さな道が横向きにあるだけで、真正面は森だった。ここは主に冒険者達が使う門らしい。
ここから色々と狩に行くのだろうね。
次は南門。ここから、王都に向かう街道が伸びている。ここは主に商人が使う。ここを出ても右左に森、真正面は平原だからだ。
ここは兵士も少なかった。まあ、こっちから王国軍がくるんだろうしね。
最後に東門。ここは僕もよく使う。迷いの森に面している門だ。西門と同じく、帝国と王都を結ぶ街道につながる道がある。
ここではシャルルさんが兵士達の指揮の補助をしていた。
ギルド長の愚痴によると、シャルルさんが志願してここに配置してもらったらしい。
なんでだろう…と考えていると、シャルルさんが僕を見つけたようで、こっちにやってきた。
「あ、リアちゃん。どうしたの?」
「あ、いえ…私は何もすることがないので…」
「そう…まあ、不測の事態とかに備えて、北門の方にいたら?」
「あ、はい。この後は戻る予定です…」
「じゃあ、頑張ってね」
「はい」
と、まあ簡素な会話をして別れた。
少しシャルルさんが僕に対して冷たかった気もするけれど…忙しいからかな。
北門では、相変わらず参謀の人(名前知らないやw)がうんうんと唸っていた。
「参謀さん、どうしたのですか?」
と、聞いてみた。
「あ、君か…まあ、冒険者ギルド長が立ち入り許可するくらいだから…いいかな。ちょうど今帝国軍の陣形の報告が来たのだけれど………単純すぎるんだよ、陣が」
「へ?」
「いや、帝国軍の陣形がただの正方形で、休憩のための陣地が後ろにあるだけ。これは流石におかしいんだ。絶対に何かあると思っているんだけど…やっぱり勇者かね」
「うーん…多分そうじゃないですか? こちらよりも人数多いですし…」
「そうか…ありがとう。じゃあ、少し出るよ。指揮官が戦線近くまで出ていっているからね。伝えに行かないと」
「わかりました。気をつけてくださいね」
「ありがとう。君も、怪我とかしないようにね」
そう言って参謀の人(結局名前聞けなかった)は門をでて指揮官がいるらしき方向に走っていった。
伝令は使わないのか…
やっぱりすることがないので、ボーッと参謀の人が座っていた椅子に座っていると、先ほど出ていったはずの参謀の人(一々めんどくさいなぁ…)が血相を変えて戻ってきた。
「君! 大変だ…」
僕はあまりの迫力に少しのけぞってしまった。
「ど、どうしたのですか…?」
「君に頼っていいのか判断できないが…仕方がない。ギルド長の言葉もあるので…君には今から出撃してもらう」
「え!? 何か起きたのですか?」
「………魔物だ」
「え?」
「大量の魔物が現れたんだ。こちらの軍勢は数が少ないため対応しきれない」
「…………」
魔物? なんでこんな時に。しかもかなりの数って。獣じゃないんだよね? ある程度知性はあるはずなのに…帝国軍が森でも焼いた…いや、その場合は煙が上がっていないとおかしいし…
とにかく、やばいなら行かなくちゃいけない。幸い、人殺しってわけじゃないので、精神的には…
しかし、参謀さんの次の言葉に僕は愕然とした。
「しかも、魔物が帝国兵達の味方のような感じなんだ」
「………は? どういうことですか?」
魔物が人間に味方なんてありえない。知性はあるが、理性なはない。話せるが、交渉はできない。それは魔物だ。交渉できるだけの知性を持った魔物は魔物ではなく魔族と呼ばれる。
ということは、使役系か…でも、大量の魔物を従える魔法なんて…
って…
「勇者、ですかね」
「…たぶん、そうだろうな。すまないが、魔物と一緒に帝国兵達も相手にしてもらうことになるが、大丈夫かな?」
むぅ…軽々とそんなこと言わないでほしいなぁ…僕が僕自身の意思で人を殺したことは…多分無い。村の時も、迷いの森の時も、一応僕がしっかりとした意思を持って殺したわけじゃない…と思いたいなぁ…
でもまあ、何事も経験だし…
と、僕は気を紛らわすことにした。
「多分…大丈夫だと思います」
「そうか…では、頼むよ。向かうのは西側の森だ。迷いの森じゃない方だね」
「わかりました。それでは、行ってきます」
そうして、僕は出撃した。
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