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第二章
品定め
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星々が燦然と輝く神秘の夜。
時折遠くから木々が囁く寝静まったの森。
其処にキシ、キシとツリーハウスの階段をゆっくり上る足音が響いた。
そして足音が玄関の前で鳴り止むと、硬く閉ざされてるはずの扉がぎぃ……と静かに開いた。
「待ってたよ。さぁ、中に入って」
家の主である魔女は深夜の訪問者を笑顔で迎え入れた。
「抜かりはないな」
本来は暖かな優しさに満ちていただろう者の声は、尊大で聞く者の心を凍らせる冷気を纏ってた。
「えぇ、あの子は今頃夢の中さ」
「でも今夜は軽い顔合わせ……」
「いや、品定めって所だから大事にはしないでおくれよ」
二人は二階に上がり、魔女は客室の扉を静かに開いた。
中には愛する者との再会を夢見る少女が、すやすやと寝息を立ててた。
「これがそうなのか?」
「そう、真面目で優しい良い子だよ」
「だから……余計に心苦しいよ」
「そんな事等どうでも良い。全てはこれの能力次第だ」
「そっちの判断はこれから確認するよ。だから今は大人しく待っててね」
「『リディア』君」
魔女から名を呼ばれた者の姿が、窓から差し込む星明かりによって浮かび上がる。
それは邪悪な魂に体を奪われた哀れな聖王女の姿であった。
第二章 完
時折遠くから木々が囁く寝静まったの森。
其処にキシ、キシとツリーハウスの階段をゆっくり上る足音が響いた。
そして足音が玄関の前で鳴り止むと、硬く閉ざされてるはずの扉がぎぃ……と静かに開いた。
「待ってたよ。さぁ、中に入って」
家の主である魔女は深夜の訪問者を笑顔で迎え入れた。
「抜かりはないな」
本来は暖かな優しさに満ちていただろう者の声は、尊大で聞く者の心を凍らせる冷気を纏ってた。
「えぇ、あの子は今頃夢の中さ」
「でも今夜は軽い顔合わせ……」
「いや、品定めって所だから大事にはしないでおくれよ」
二人は二階に上がり、魔女は客室の扉を静かに開いた。
中には愛する者との再会を夢見る少女が、すやすやと寝息を立ててた。
「これがそうなのか?」
「そう、真面目で優しい良い子だよ」
「だから……余計に心苦しいよ」
「そんな事等どうでも良い。全てはこれの能力次第だ」
「そっちの判断はこれから確認するよ。だから今は大人しく待っててね」
「『リディア』君」
魔女から名を呼ばれた者の姿が、窓から差し込む星明かりによって浮かび上がる。
それは邪悪な魂に体を奪われた哀れな聖王女の姿であった。
第二章 完
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