カウルさん異世界に呼ばれる

つくもイサム

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章まとめ

第一章まとめ

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1 カウルさん異世界に呼ばれる

春。
心身が凍る厳しい寒さを乗り越え、温かく柔らかな空気と共に生命が目覚める季節。
そしてご主人が僕に跨ってくれる嬉しい季節がやって来ました。

「あ!忘れ物」

お弁当や水稲、タオルにレジャーシート、ゴミ袋、万が一の救急箱等を僕の背中に積み込み、準備万端いざ行こうしたご主人はそう呟くと踵を返し家へ戻ってしまいました。

(早く早くご主人!久しぶりのツーリングなんだから)

四ストロークの心を響かせながらご主人が戻って来るのを待ってました。
その時です。突然足元が輝きだしそれは現れました。
例えるならご主人が遊んでるスマートフォンのファンタジー系のゲームに出てくる魔法陣を思わせる不思議な模様でした。
自ら動く事が出来ない僕はそこから溢れ出る強烈な光に包まれました。

(え?何どうなってるの!?)

上下左右全てが白の世界に僕はポツンと一台立ってました。
数十秒、いえ何分後でしょうか。
呆然とする僕の目の前に色が現れました。
始めは水彩絵の具を水で伸ばした様なぼやけた色が広がるばかりでした。
ですが徐々に形がはっきりしてくると、それは何処かの景色でした。
更にボディから空気のささやかな流れを感じとり、いつの間にか小さな埃が付着してました。
そして一面の白から世界が塗り替えられた時僕は知らない場所に居ました。


(え!あれ!?……僕は?……)

ペタンと地面に座りこんでいた僕は困惑しながら首を左右に振りまわりの様子を確認しました。
其処は窓も無く備えられた松明のよって照らされた薄暗い室内でした。
周囲の壁はザラザラとした表面の岩のブロックで積み上げられ、僕が居る部屋の中央は周りよりも階段状に地面が上がり、まるで神様に供物を捧げる祭壇でした。

(どうしよう本当に此処が何処だか分からない……そ、それに……)
(この人誰?)

僕の目の前には此方をじっと見つめる一人の女性が居ました。

端正で気品のある顔つきに青色の瞳、金色の髪は動いて邪魔にならない程度に短く切られてました。
服装は胸部や手足の一部に金属の防具を付けた軽装鎧を身に纏い、腰に空の鞘を帯びてました。
その姿まるでハイファンタジー系のゲームに出てくる女性騎士の風貌でした。
彼女を見た僕の心はドクンと高鳴りました。
未知の世界と美しい女性との新たな出会い。
人によっては今の状況に心躍る思いをしたかもしれません。
でも僕の内側から発せられるものは危険を知らせる警告音の様でした。
なぜなら目の前にある現実は素晴らしい夢物語ではなかったからです。
彼女の服装は埃で汚れ、所々に破れがありました。
また本人も体中の至る所に傷があり、本来であば輝いて見える程に美しいであろう金髪も男女が見惚れるモデル顔負けの顔も汗と埃でベトベトになり全てを台無しにしてました。
そして彼女の顔は驚きとそれを優に超える明らかな焦りを感じさせる表情を浮かべてました。

(なんでこんなにボロボロなの?……それにこの状況どうすれば良いの?)

僕と彼女はお互いに困惑しながら一時が永遠と感じられる様な空気の中茫然と見つめ合ってしまいました。

「……!!」

彼女の表情が豹変しグシャっと苦虫を噛み潰したような表情に変わりました。

「え!?ちょっとなぁ!!」

そして彼女は素早く僕の袖をギュッと掴み、力ずくで自身の下へ引き寄せました。
次の瞬間。僕の後ろでズドォン!と轟音と共に爆風が吹き荒れた。

「うああぁぁ!!」

僕達は後ろから押し寄せる爆風に流されるままガランゴロンと一気に階段下へと転がり落ちました。

「いてて……さっきから何が……あぁ!そ、そんなぁ!!」

ショックでした。
ご主人が定期的に洗浄しワックスをかけてくれたおかげで、年期が入った今でも綺麗な状態を保っていた僕の体。
それが埃まみれになり、大小の傷が至る所にできてました。

「ひぃ!ひどいよこんな……って!うへぇ!」

そこで僕は今更ながら大事な事実に気が付きました。

(え、待って!?僕こ、声を出してる!?それに……)

「これ……人の手だ!」

驚きと困惑を抱えながら僕は震える手て本来ヘッドライトの箇所を触ると、モチモチの柔肌の感触がはっきりと伝わってきました。

「すごくぷにぷにだ……それじゃ……」

僕は無意識に今まで出来なかった首を下へ傾けました。
其処には年齢にして十代半ばから後半程の着物を改造したコスプレ衣装を着た小さな体が瞳に映りました。

「ひ、人の体だ!?なんで!?どうして!?」

(『原動機付自転車』の僕が人間になってる!?)

次から次へと溢れ出る疑問で頭がパニックになりました。

「一体どうなって……うわぁ!?」

そんな僕の袖を彼女は離さず掴んでおりそのままぐっと引き上げた。

「お願い早く立って!」
「え!?は、早くって……」

(突然の事で状況も分からないのに……)
(それにこの人のせいで僕の体が傷だらけになったし……)

僕の情報処理が限界に達してました。

「何をぼさっとしてるの早く!」

とどめとばかりに放たれた彼女の罵声に僕の理性が振り切りました。

「……もう!いい加減にして!さっきからなんなの!!」

涙目になりながら僕は大声を張り上げました。

「いいからあっちを見なさい!」

それに負けない大声で彼女は僕の後ろ指さしました。

「何あれって!……ひぃ!?」

彼女の指さす先を見た僕はその時初めて奴の存在に気がつきました。
上段に立つその者の質感は金属を思わせるパーツの組み合わせで形作られてました。
一見大人の人間のようなシルエットをしてますが背中には羽、腰からは尻尾を思わせる無機物のパーツが生える様にくっついてます。
そして手には鋭利な刃を備えた剣が握られてました。

「……あぁ!もしかしてさっきの爆発もあのモンスターが!?……」

僕は今世に聞く『血の気が引く』を直に体験しました。

「早く立って!此処から逃げるの!」

僕は彼女に袖を引っ張られながら走り出しました。


2 逃走と懇願


「はぁ!はぁ!はぁ!」

僕は慣れない体で先の見えない迷宮を必死に走り続けました。

「あ、あの!なんで僕達を狙ってるの!?」
「はぁ!、はぁ!、い、今は余計な事、考えないで!もう少しだから!走って!」
「もう少しって……」

前を走る彼女は限界寸前とばかりに息を切らし、答えを返す余裕はなさそうでした。
そして僕達の駆け足に混ざるカシャン、カシャン!と徐々に大きく響いてくる音。
僕はさっと後ろを振り向くとモンスターが金切り音を響かせながら追いかけて来てました。

(も、もしあのモンスターに追いつかれたら……あの剣で……)

酸素を取り込もうにも詰まる息、それに連動して更に苦しくて張り裂けそうな胸。
全力で走ってる事だけが理由じゃない。

「はぁ、はぁ!いやぁ、だめ!このままじゃ追いつかれるよ!」

僕は自身に近づく確かな『終わり』を心身で感じ取り思わず悲鳴をあげた。

「はぁ、はぁ!み、見えた!」

その時彼女が精一杯の声で示す先に扉が見えました。

「あの部屋!に、行けば、助かる、から、がぁ、頑張って!」
「あれ!わぁ、わかった!」

その時ブン!と後ろから風音が抜けました。
モンスターが振るう凶刃が僕の背中をかすめたのです。

「ひぃ!嫌だ!嫌だ!壊れたくないよ助けて!ご主人!」

迫る命の危機に僕は思わす悲鳴を上げた。

「中に飛び込んで!」

彼女の叫び声とすると共に背中がぞわっと震えました。
直ぐ後ろに迫ったモンスターが再び剣を僕に向け振り下ろした。

「うわあぁ!」

と同時に彼女がドン!と押し開けた扉へ僕は飛びこんだ。


「はぁ!はぁ!――」

僕は息を切らしながら、扉越しにモンスターを見つめてました。
空を切った刃先を見つめたモンスターはそれを鞘に収め沈黙しました。

(止まったけど……何で?)

僕の疑問は開いている扉の前で立ちすくみ、部屋へ入って来ないモンスターの不可解な行動でした。
すると目の前で扉がゆっくりと閉まりだした。
そしてパタンと静寂の部屋に閉音が響きました。

「はぁ、はぁ……あ、あの、さっきのは……なんなのですか?……」
「はぁ!はぁ!ゲホ、ゲホ!――」

答えを知りたい僕でしたが、隣で倒れたまま胸を抑え、苦しそうに肩を激しく上下させてる彼女を見てはっとしました。

「だ、大丈夫ですか!?」

僕は背負ってたリアボックスをおろし、急いでタオルを出しました。
それで彼女の汗を拭うと頭の後ろに敷きました。
次にリュックから取り出した小型の救急箱。
その中の消毒液を手に取ると、傷口にかけ包帯を巻いてあげました。

「う!くぅ……」
「傷染みるけど我慢して……これで良いのな?」
「はぁ、はぁ……うぅ……」

荒い呼吸は次第に落ち着き、彼女はゆっくりと此方に顔を向けました。

「それとこれお茶ですけと……飲めますか?」

水稲のコップに注いだお茶を差し出すと、彼女は体を起こしそれを受け取るとゆっくり飲み干しました。

「いつぅ……」

口の中にも傷があったのか、口に含んだ瞬間彼女の眉に皺がよります。

「大丈夫ですか!?」
「平気……はぁ……はぁ……ありがとう、落ち着いた」
「手当までしてくれて……貴方お医者様だったの?」
「違うよ僕は……えっと乗り物なんです」
「名前は『※※※※※』」
「……乗り物?それに今なんて言ったの?」
「あれ?待って僕は『※※※※※』……あれ!?」

僕の口から出た言葉は自身でも聞き取れないノイズでした。

(どうして?僕の車体名が言えない!?)

「あ!え、えっと……そう!『カウル』」
「ご主人は僕の事カウルって呼んでる」
「カウルか……」
「私は名前は『セイラ』よろしくカウルさん」
「よ、よろしくお願いします……セイラさん」
「…………」
「…………」

(き、気まずい……それに……)

互いに挨拶を済ませた僕達であったが、会話は途切れ、更に彼女はチラチラと僕の方へ視線を送り何かを言いたげな気難しい顔をしてました。

「えっと……カウルさん!」
「は、はい!何でしょう?」

セイラさんは意を決したのか、僕の目をじっと見つめながら改まって言いました。

「カウルさんお願い!どうか私を……」
「助けて下さい」

セイラさんはそう言いながら僕に深く頭を下げました。


3 剣と魔法の異世界


それは突然のお願いでした。

「え!……っと、い、いきなり助けてって言われても……」

困惑する僕を見たセイラさんは、はっと我に返ると再び頭を下げました。

「ごめんなさい、私先走って……」
「頭を上げて下さい……その、セイラさんは僕に何をしてもらいたいのですか?」
「いや、えっと……す、済まない」

また謝るセイラさん。

「さっきの言葉は……気にしないでくれ」

そう言い気まずそうな顔を浮かべながら彼女は先ほどの言動をはぐらかしました。

「はぁ……」

(う~んそう言われてもな……セイラさんいかにも切羽詰まってる印象だし……)
(でも聞かれたくない事を詮索するのは失礼だし……)

僕は彼女に対しそう接すれば良いのか分からす、頭を抱えそうになりました。

「えっと、そう、ですか……あ!そうだ」
「あのセイラさん聞きたい事があるのすが、此処は一体何処なんですか?」

とりあえず僕は当たり障りの無さそうな質問をする事で、コミュニケーションを取る事にしました。

情報を得られて一石二鳥です。

「…………」

僕の質問に対し顔を上げたセイラさんは、自責の念を映した複雑な表情をしながら答えました。

「此処は……対価のダンジョンだ」
「対価の……ダンジョンって?」

(それってまるで……)

「カウルさん。貴方は自身に起きた異変に薄々気づいると思いますが……」
「この世界は貴方が居た世界とは別の世界です」
「えぇ!それってどうい事ですか?詳しく教えて下さい!」


僕は自身が置かれてる状況を知る為、セイラさんからこの世界の事について説明を受けました。
まず彼女の話を一言にまとめるのなら、剣と魔法のファンタジー小説の様な世界らしいです。
そして僕の心に浮かんだ一つの疑問。
どうやって僕がこの異世界に来たのか。

「それは……私が先ほどの場所で対価を捧げて……」
「貴方をこの世界に呼び寄せたからです」

(僕は本当にゲームやアニメみたいな出来事に巻き込まれたの!?)

そのあまりにも非現実的な事実に僕は呆然とした。

「そんな!……僕は元の世界に帰れるの?」
「……その事の前にカウルさん。貴方の『ステータスカード』を見せて下さい」
「え、ステータスカードって……説明の中にあった物ですか?……」

ステータスカードはこの世界の全ての人が生まれらがら持ち、習得したスキルと言う特殊技能や魔法が記載されてる物だそうです。

「カウルさん見てて」

僕の質問を遮り彼女は手を開きました。
すると何も無い所からカードサイズの装飾された金属板が現れました。

「これがステータスカード。今は何も書いてないけど……見てて」

セイラさんが念じるとカードに文字が現れました。

「これで他者に習得したスキルや魔法を見せる事が出来るの」
「カウルさんもやってみて」
「え、い、いきなり……う、うん」

言われるまま僕もセイラさんをまねて、手のひらを開いた。

「カードは自身の一部。自身の中にそれがある事を感じない?」
「えっと……あぁ!」

意識してみると僕の中にそれが確かにある事を感じました。
もし体内に金属板があったら大変な事になってるはずなのに、まるでそれが当たり前の様に感じました。
とても不思議な感覚です。

「それをポケットから取り出すイメージをしてみて」
「うん……」

すると僕の手の平が輝き、セイラさんと同じカードが出現しました。

「すごい本当に出てきた!」
「それに貴方の能力が書いてあるはず、どう何が書いてあるの?」
「えっと……」

僕はカードに書かれた内容を確認しセイラさんに伝えました。

人間化。
人間の姿になれる。

二人乗り開放。
原動機付自転車形態の移動に際し二人以上の人を乗せる事が可能になる。

ヘルメット未着用可。
搭乗者のヘルメット着用義務を解除。

二段階右折解除。
原動機付自転車形態の移動に際し右折の制限が無くなる。

速度制限解除。
原動機付自転車形態の移動に際し速度制限が無くなる。

マ※※※ブ※※ト。
※※※※※※※※。

※※変※。
※※※※※※※※。

※※※し※※手。
※※※※※※※※。

※※主※※※。
※※※※※※※※。

「一部読めない所があるけどこれが僕のスキルみたいです……え!?」

セイラさんは凍りついてました。
僕の言葉が余りにもショックだったのか表情は青ざめ額に汗を滲ませてました。

「……カウルさん先ほど自身の事を乗り物って言ってたけど……『原動機付自転車』がそれ?」

彼女は何とか口を動かし僕に質問を投げてきました。

「は、はい。自転車にエンジンを付けた物で……待ってエンジンが無いのか」
「エンジンは燃料を燃やして、そこから出るエネルギーを回転する力に変換する装置です」
「それを搭載して車輪を回す自転車を原動機付自転車って言います」
「……つまり本来の貴方は……ほ、本当に乗り物だったって……事?」
「そうなんですけど、今はこの『人間化』のスキルでこの姿になってるみたいです」
「本当に分かるスキルはそれだけなの?お願い私に見せて!」
「ど、どうぞ」

セイラさんは渡されたカードを隈なく凝視してました。

「そんな……なんの為に『聖剣』を対価にして……」

そよ風で霧散してしまいそうな程小さな声でセイラさん呟いた。

カラン……。

「あ!……」

そして彼女の指から僕のカードがするりと抜け、地面に落ちると部屋に乾いた金属音が空しく響きました。
僕は慌ててカード拾いましたが見上げると、彼女の指はまるで希望という握力を失った様にガクガクと振るえ、そのまま力なくがっくりと肩を落としうつむいてしまった。

「セ、セイラさんあの僕まだ聞きたい事が……」

僕は慌てて崩れそうになってる彼女に質問を投げかけました。
遮られた一番知りたい事を聞いてません。

「ごめんなさい……私……今は……」
「そんなセイラさん!待って……」

しかし彼女は独り言の様にそう呟くと、僕との間に心のシャッターを下ろし黙り込んでしまった。

(……僕の能力がそんなに期待外れだったの?)

一番聞きたかった事が聞けなかった事。
そして絶望する彼女の様子が、『人の役に立つ』と言う道具としての本能がひどく痛みまるで重量オーバーの荷物を載せられた様な重く苦しい気持ちになりました。

(僕どうすれば良いの?……あぁ、元の世界に帰りたい……ご主人に会いたいよ)

僕達の間に苦々しい空気が漂い、刻々と時間だけが過ぎて行きました


4 人の体


「…………」
「…………」

沈黙が続く部屋の空気は凍った様に停滞し、まるで冬が戻ってきたと勘違いさせる冷気が僕の心を漂ってました。

(何時までこうしてるのかな……)

僕はそっと横を覗くとセイラさんは体育座りのまますっと俯いてました。
髪の隙間から見える彼女の顔は陰が張り付てる様でした。
特にその瞳は端から涙が溢れない様にと必死に抑え本当に辛そうな様子でした。

(ずっとふさぎ込んでるセイラさん……そんな顔してたら僕も辛いよ)
(はぁ……今日は楽しみだったのに……どうしてこんな思いをしなきゃいけないの?)

いつの間にか僕の目にも悲しみが滲みぽろりと頬を流れました。

(元の世界でご主人と一緒にツーリングしたい――)

と、その時でした。

ぐぅ~。

静まり返った部屋に気の抜けた空腹音が響きました。

「…………」
「…………」

僕はセイラさんの様子を伺いました。
彼女の顔は真赤に染まり唇をつぼませ、内から溢れる恥ずかしさを必死に抑えようとプルプルしてました。

「あの……セイラさん何か食べませんか?僕お弁当持ってますよ」

(本当はご主人が食べる予定だったものだけど)

「………」
「……食べます」

少しの間の後セイラさんは消えそうなほど小さな声で答えました。


「僕はお弁当の蓋をお皿の代わりにして……はいどうぞ」
「待ってこれは元々は貴方の食料だ、こんなに貰っては申し訳ない」
「気にしないで下さい。僕あまりお腹空いてないので遠慮なさらず」
「さぁ、一緒にご飯食べましょう」
「え、えぇ……それじゃあ遠慮なく……」

お腹が空いてるはずなのに遠慮するセイラさんは恐縮しながら主食とおかずを分けたお弁当箱を受け取ってくれました。

「はい。頂きます」

僕は弁当箱の中にある厚焼き卵を口に入れた。

「美味しい……」

僕の口からその言葉が自然と出てきました。

(これが人の食べ物なんだ)

それを口にするまで僕は分かりませんでした。
体の奥にある本能。エネルギーを求める欲求の強さを。

「本当に美味しい」

よほどお腹を空かしていたのか、中身をを口に入れる度に笑顔が溢れ出てるのが分かります。

「ふふっ良かった」
「ご主人普段そればっかり作ってるか上手なんですよ」
「野菜も食べて下さい。ご主人の家で取れた新鮮な物ですよ」
「これもさっぱりとして美味しい」
「はい。僕もキャベツって初めて食べましたがこのシャキ、シャキって歯ごたえがとっても楽しいです」
「この肉の揚げ物もジューシーだ」
「唐揚げは冷凍食品です。出来物ですが最近のは美味しいらしいですよ」
「冷凍食品?凍ってないけど」
「確か出来立ての食べ物を直ぐに凍らせて長期保存出来る様にした物の事です」
「氷雪系の魔法を使うのか?」
「魔法ではなくて、そういう道具があります」
「そうか……カウルさんの世界は魔法と言う概念は無いらしいが、変わりに技術が発達してるのか」
「はい。でも魔法の方がずっとすごいです。まるで夢を見てるようです。見たことないけど」
「ふふ、簡単なものであれば見せられるよ」
「本当ですか!是非見せて下さい」

先ほどの空気が嘘の様に和やかな時間でした。


「ご馳走様。とても美味しかったよ」
「はい。お粗末様でした」

(まさか原付の僕が人とおしゃべりしながら食事をする時が来るなんて……人の体になってた事は驚いたけど……僕貴重な体験をしてる)
(それにセイラさん元気になってくれた事がすごく嬉しくて僕もなんだか力が沸いてくるぞ!)
(うん!まずは此処から脱出しなくちゃ!)

「セイラさん。僕達は此処から出られるのですか?」
「出口はあるが……しかし」

セイラさんは言葉を詰まらせ再び深刻そうな顔を浮かべてしまいました。

「襲ってきたモンスターの事ですか?」
「えぇ、あれはこのダンジョンで対価を求める者に試練を与える存在」
「私は奴から逃走しながら祭壇で対価を捧げ、脱出しなければならなかった」

そこで僕はずっと疑問に思ってた事を言いました。

「どうしてモンスターはこの部屋に入って来ないのですか?」
「この部屋は避難所として用意され、奴は入ってこないとダンジョンの管理者が言ってた」
「そうなんですか、それに管理者って……」

(なんだか本当にゲームみたい)

「だが管理者は私の様な弱い人間の本質を見抜いていた……」
「何か問題があるのですか?」
「私のスキル『直感』が囁いてる」
「これのお陰である程度奴の居場所を感知する事が出来る」
「すごい!そのスキルがあればモンスターが離れてる間を狙ったて部屋から脱出出来ますね」
「だけど……だめなんだ」

セイラさんは再び頭を抱え深刻な表情を浮かべました。

「奴はずっと……扉の前で私達を待ち構えている」
「そんな!僕達は罠にはめられたのですか?!」

それを聞いた僕は先ほど味わった恐怖を思い出し血の気が引きました。


5 小さな小さな希望


「別の手段で脱出する方法は無いのですか!?」

焦燥にかられ早口になった僕にセイラさんはずっしりと重い声で話しました。

「それは無い……けど脱出方法はある」
「おぉ!それはどのような?」

縋る様に聞いた僕にセイラさんは答えました。

「……私が囮となってその間にカウルさんを逃がす」
「えぇ!?」
「出口までの道のりは伝えます――」
「ちょと待って下さい!」

話を続けようとするセイラさんの会話を僕は無理やり遮りました。

「囮なんて何言ってるんですか!?そんなの駄目です」
「安心して私の力ならカウルさんを逃がす時間くらい十分に稼げる」
「違います!僕が否定したのは其処じゃありません」
「仮に僕が逃げた後セイラさんはどうするのですか?」
「私も君が逃げたら隙をみて逃げる」
「無茶ですよ!前の逃走だって精一杯だったでしょ」
「それにセイラさんの腰の鞘……武器だって無いのに」
「…………」
「そうだ!僕達が同時に出るのはどうでしょう?相手は何方かを攻撃するか迷うはずです」
「その隙に二人で一緒に逃げましょう!」
「だめだ!もし貴方が狙われたら奴の初撃を避けられない」
「そうなれば確実に……致命傷を受ける」
「うぅ……」

此処に来て直ぐ襲われた記憶。

(たやすく地面をえぐる衝撃。それがもしも僕に当たったら……)
(ご主人に会えなくなる)

そう思うだけで僕の体は震えだし、じっとりと冷や汗が滲んできました。

「私の方が逃げ切れる確率が高い」
「だから……私に囮を任せてくれ」

既に意を決しているかセイラさんは自身の役割を譲りません。

「でも、でも……今のセイラさんじゃ……」
「お願いだ!やらせてくれ!」
「私にはもう!それぐらいしか償いが出来ない!!」

彼女は頬を濡らしながら堰を切った様に己の思いを吐き出しました。

「カウルさん……本当にごめんなさい」
「本来対価を捧げて得られるのは『物』だと言われていた」
「だけど……まさかあの場所にカウルさん」「貴方が現れるなんて思ってもみなかった」
「私の問題に貴方を巻き込んで危険な目に遭わせてしまった」
「私は『護衛騎士』他者を護る者……だった」
「しかし護るべき主君を奪われる失態を犯し、国を追放された」
「そして……私は縋る思いで此処に来た」
「最後の望みに賭け私の全てと言える聖剣を差し出した」
「しかし結果はこのありさまだ!」
「……どうすれば償いが出来るかずっと考えてた」
「今の私はもう何も無い……でも……だけど」
「護衛騎士であった誇り、魂を賭け」
「償いを……させてほしい」
「お願いだ!どうか私に……貴方を護らせてほしい」

セイラさんは……震えてました。

「…………」
「僕は……」
「嫌です!」
「そんな!……待っ――」
「聞いて下さい!」
「!!!!」
「僕今日初めて人とおしゃべりしたり、食事が出来て……本当にすごく、すごく嬉しかったです」
「そして初めての相手が……セイラさんで本当に良かった」
「でも、こんなにも……辛い形で初めてを失うなんて……」
「絶対に嫌です!」
「何か良い方法があるはずです!考える時間は沢山あります!……だから」
「セイラさん僕を護って!」
「そして一緒に此処から生き延びましょう!!」
「カウルさん……」

ドクン!

「うぅ!?」

その時僕の中で強烈な鼓動が起きました。

「どうしたのカウルさん!?」
「何この感覚!?……胸が……熱い」
「でも……なんだか力がみなぎってくるみたいです」
「それって!?カウルさんステータスカードを出して」

僕は言われるままカードを出現させるとそれは眩い光を放ち、スキル表記欄に光の線が走り続けてました。

「僕のカードが輝いて……文字を刻んでる!?」
「スキルの……覚醒だ!」
「セイラさん見てください」
「このスキルは!?……」

覚醒した僕の新たなスキル。
それは今の窮地を乗り越える可能性。
小さな小さな希望でした。


6 疾走


カウルがモンスターと呼んでた者は、二人が入った部屋の前でじっと身構えていた。
その者達が己の道を切り開く為闘いを挑んでくるのか。
それとも観念し命を差し出すのかは分からない。
何方にせよモンスターはただ『挑戦者の希望に試練を与える』という命令に邁進していた。

「……!」

するとモンスターはある異変に気付いた。
部屋の中から声が聞こえてくるものが変わったのだ。
始めは細やかな休息の後の絶望と沈黙、最後はお互いの感情をぶつけあう想いが部屋の中に響いていた。
そして今は希望が聞こえてくる。

「……回せば……走って……」
「……を踏むと……」

詳細は分からないが二人の何方かがレクチャーを行ってる事はニュアンスで理解できた。

「……わかった……」
「……体に悪いから……かけたら……すぐに……」
「それじゃ……行くよ!」

キュルキュル……ズン!!!。

「!!!」

部屋の中から爆音が響いた。
それは一定のリズムでボコボコと煙を吐き出す様な駆動音であった。
また音に交じりかすかに女の声が聞こえた。

(何かが起こる)

そう直感したモンスターは手に力を入れ、抜き身の刀に殺気を集めた。
すると部屋から響いていた音が変化した。
ギュルゥゥ!と音量が一気に大きくなる。
また一瞬音が途切れたと思うと更なる高音を室内で響かせ、音源は一気に此方へと近づいてくるのが分かった。
そしてもう一度音が途切れた直後。

「!!!!」

バン!!!と勢い良く扉が開かれた。
モンスターはすかさず中から現れたそれに剣を振り下ろした。


放たれた斬撃が僕達の直ぐ後ろかすめ、ガァアァン!破裂音と共に地面を吹き飛ばした。

(やった!かわせた!)

元の姿となった僕は心の中で歓喜の声を上げた。
磨かれた光沢のある黒いボディに真赤なホイールを履いた原動機付自転車。
タイヤはブロックの路面をしっかりと掴み僕の体は通路を駆け抜けた。
更に通常の四十九㏄のそれとは思えない桁違いの加速と速度でモンスターを置き去りにした。

『マジックブースト』

僕が新たに得たスキルの名前。
通常よりも多くの燃料を消費する事で最大加速や速度を大幅に高める。
しかし燃料を使い切れば僕は走れなくなる。

(でも僕は※※※※※!)

(最高水準の燃費性能を持ってるんだ!そう易々と力尽きたりしない!)

「カウル来る!」

セイラさんはハンドルにしがみつきなが声を上げた。
攻撃を放った為出遅れてたモンスターは踵を返し羽を広げると直ぐさま此方へ飛んできた。

(なら振り切りる!セイラさんもっともっと回して!)

「分かった!」

ハンドルを通じて彼女の声が伝わったセイラさんはスロットルを更にひねる。
するとスピードメーターの針が端まで完全に振り切り僕は更に加速すると、圧倒的な速度でモンスターを引き離した。

(良し!これなら逃げ切れる!)

心の中でガッツポーズする僕。

「カァ!――カウル次右!」

強烈な風圧を顔面に受けながら、セイラさんが叫んだ。
最初の難所である急カーブが僕たちの前に迫っていた。

(セイラさんアクセル緩めてブレーキ!ハンドル切って!)

キイィィィ!!

スピードが落ちながらもかなりの速度で、僕は傾きながら急カーブに突っ込んだ。

「うぐぅ!」

セイラさんの体に強烈な風圧と強烈な慣性力がかかる。

「離す……ものかぁ!」

セイラは振り落とされまいと必死にハンドルを握る。

(曲がれぇ!!!)

十四インチの小さなタイヤはグリップし地面を捕らえ続ける。
車体が地面に度々接触し火花を跳ねた。

(もう少し、もう少しで……どうだ!?)

僕達はクラッシュする事無く走り続け、やがてカーブの角度は緩んでいった。

(曲がり切った!やったセイラさん!お願い!)

「わかった!」

掛け声にセイラさんは再びアクセルを回し僕を加速させた。

(さっきは危なかったけどこのまま行けば……)

「待ってカウル!来る!左に避けて!」

セイラの声にはっとした僕は壁ギリギリまで車体を寄せた。
次の瞬間ビュン!と僕の右を何かが通り抜けた。

(何あれ!?)

「魔弾!石の様に固めた魔力を飛ばしてくる!」

(あんな速度で!?当たったら転倒しちゃうよ!)

「直感で指示する。任せて!」

焦る僕にセイラさんは力強く答えた。

(分かった!セイラさんに任せる!)

モンスターは手の平を此方に向け容赦なく魔力の塊を発射する。

「来る右!」

僕達は阿吽の呼吸で車体を操作した。
弾丸は左の壁を弾き土煙を上げる。

「次左、右、右、左!」

僕達は次々と発射される魔弾を寸前の所で交わし続けた。

(出口はまだなの?)

「もう少しだから頑張って!」

二人は命懸けで道を駆け抜ける。
そして僕達はあるもの目にした。

(セイラさんあれ!遠くが明るくなってる!)

「そこが出口!」

それはまさしく希望の光であった。

(よし!セイラさんもっと僕を加速させて!)

「えぇ!……いや待って!?何かおかしい……」
「あぁ、そんな!」

浮足立つ僕であったがセイラさんは希望を打ち砕かれる様な悲鳴を上げた。


7 光の中へ!


(どうしたのセイラさん!――あぁ!何あれ!)
(道が……無い!?)

ゴールに手が届く所まで来た私達を待ち構えていたもの。
それは大きな闇でした。
道は出口の手前で途絶え、底知れない大穴が広がってた。

「中に入った時はこんな大穴無かったのに……」

悩む僕達の横をバシュン!バシュン!と次々に魔弾が通り抜けてた。

(うぁ!モンスターが来る!)

後ろからはモンスターが僕達の命を奪おうと着実に迫っていた。

「止まったら奴に追いつかれる……」
(私はまた……失う……護るべき者を)

私に希望を託し散っていった者達が脳裏を駆け巡りる。

「くぅ、済まない……私は……」

瞳から涙が零れ、光の粒がカウルさんの体に落ちた。

(――泣かないでセイラさん!)

「え……」

絶望に落とされた私の心にカウルさんの声が響いた。

(ご主人が前に話してた。バイクがまるで飛んでる様なすごいジャンプして崖を超えてたって!)

「カウルさんも……それ出来るの?」

(話を聞いた時は何かの冗談だと思ったけど……)
(セイラさんとなら飛べる気がする!)

「……信じて良いの?」

(大丈夫!僕とご主人を信じて!)
(セイラさん加速が足りなよ!もっと、もっと!アクセルを回して!)
(そして僕を空へ羽ばたかせて!)

「……分かった信じる。行くよカウルさん!」

(うん!)

セイラさんは目一杯アクセルを回し、崖を目の前に僕は更に加速していく。

(来るよ!タイミング合わせて!)
(もう少し……あとちょっと……今!)

「いっけぇーーー!!!」(いっけぇーーー!!!)

ブオオォォォン!!!と僕はけたたましい爆音を響かせると足元のグリップが消えた。
僕達は空へ飛び立った。

「お願い……どうが私に――」

(お願いご主人に会わせて!)

この瞬間。
時間の流れが急激に遅くなり景色が止まってる様でした。

…………。
……。

ギュィン!

(!!!!)

不意に僕の足元に感触が走ると同時にドン!と全身に衝撃が走る。

(うああぁぁ!!)

「きゃああぁぁ!!」

ハンドルが激しく左右に暴れ車体大きく傾いた。
そして制御を失った僕は横滑りしながらセイラさんと共に眩い光に包まれました。


…………………………………………。
……………………。
…………。
……。

「うぅ……」

ほのかに体を温める光。
更に何かが鼻を擦り、自然の青臭さが通り抜けると僕は意識を取り戻した。
ゆっくりと体を起こし辺りを見回した僕は既視感のある思いを口にしました。

「あれ……ここは何処?」

僕はまたも見知らぬ場所に居ました。

第一章 完
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