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父と私
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「いってきます。」
「ただいま。」
一緒に住み出してからというもの、私は部屋から出なくなった。
友達と遊びに行こうとすれば不機嫌になるので、友達にも会わなくなってしまったのだ。
ポツンと誰も居ない部屋に座り込む。
得体の知れない不安が私を包み込んでくる。
それが怖くてお酒を飲む。
その繰り返し。
思い出すのは父親の事だった。
父親は厳しい人だった。
常に自分の常識、気持ちが優先。
母親はそれに同意し、従い続ける。
母親は優しい人だったが、父親の考えが全てだった。
だから、父親には逆らわない。
出かける時も父親が行きたい場所。
全てにおいて父親が優先。
学校が休みだった土日はいつもおばあちゃんの家だった。父親と母親が2人で出かける為だ。
小さい頃から、勉強しろ!勉強しろ!と言われた。
朝早く起きて、勉強。学校から帰って来たら勉強。しなければ引っ叩かれた。
「お前の為に言ってる!お前の為にやっている!」
何度も言われた。
そんな中、弟が生まれた。
するとあんなにも私にやれ!やれ!言っていた父親が何も言わなくなったのだ。
次は弟にスポーツをやれ!勉強をやれ!と言い出した。弟は人あたりがよく、要領もよかった。
父親の機嫌を取るのもうまく、全て父親の言う通りにやっていった。
するといつの間にか、出かけるのは3人になり、私は1人家で過ごす事になっていったのだ。
会話は全て弟の話。
私は居るようで居ない。
1人で過ごす部屋は広くどこかジメッと暗く居心地が悪かった。
そこから逃げ出すように、地元の不良と呼ばれるグループに入って行った。
それからは、父は私を見なくなった。最初のうちは毎日のように殴られた。怒鳴り散らされた。
それでも私がどんどん反抗し家に帰らなくなると、父親は私を無視し出した。
高校を選ぶ時も進路を決める時も父親は何も言わなかった。
私は父親に反抗し続けて高校を出たと同時に家を飛び出した。
それから地元には居たが1人暮らしを続けていた。
あの頃よりはまともはなったが、今でも父親と2人で居るのは緊張する。
会話もほとんど無かった。
そんな父親。私から見たら大嫌いだった父親。
でも母親は父親が全てで父親の考えに同調し父親は偉大で、あんな素敵な人は居ないと平然と言ってのける。近所で評判の仲良し夫婦…。
そんな父親…。
私は母親になれるのだろうか、、、そんな事ばかり考えていた。
「ただいま。」
一緒に住み出してからというもの、私は部屋から出なくなった。
友達と遊びに行こうとすれば不機嫌になるので、友達にも会わなくなってしまったのだ。
ポツンと誰も居ない部屋に座り込む。
得体の知れない不安が私を包み込んでくる。
それが怖くてお酒を飲む。
その繰り返し。
思い出すのは父親の事だった。
父親は厳しい人だった。
常に自分の常識、気持ちが優先。
母親はそれに同意し、従い続ける。
母親は優しい人だったが、父親の考えが全てだった。
だから、父親には逆らわない。
出かける時も父親が行きたい場所。
全てにおいて父親が優先。
学校が休みだった土日はいつもおばあちゃんの家だった。父親と母親が2人で出かける為だ。
小さい頃から、勉強しろ!勉強しろ!と言われた。
朝早く起きて、勉強。学校から帰って来たら勉強。しなければ引っ叩かれた。
「お前の為に言ってる!お前の為にやっている!」
何度も言われた。
そんな中、弟が生まれた。
するとあんなにも私にやれ!やれ!言っていた父親が何も言わなくなったのだ。
次は弟にスポーツをやれ!勉強をやれ!と言い出した。弟は人あたりがよく、要領もよかった。
父親の機嫌を取るのもうまく、全て父親の言う通りにやっていった。
するといつの間にか、出かけるのは3人になり、私は1人家で過ごす事になっていったのだ。
会話は全て弟の話。
私は居るようで居ない。
1人で過ごす部屋は広くどこかジメッと暗く居心地が悪かった。
そこから逃げ出すように、地元の不良と呼ばれるグループに入って行った。
それからは、父は私を見なくなった。最初のうちは毎日のように殴られた。怒鳴り散らされた。
それでも私がどんどん反抗し家に帰らなくなると、父親は私を無視し出した。
高校を選ぶ時も進路を決める時も父親は何も言わなかった。
私は父親に反抗し続けて高校を出たと同時に家を飛び出した。
それから地元には居たが1人暮らしを続けていた。
あの頃よりはまともはなったが、今でも父親と2人で居るのは緊張する。
会話もほとんど無かった。
そんな父親。私から見たら大嫌いだった父親。
でも母親は父親が全てで父親の考えに同調し父親は偉大で、あんな素敵な人は居ないと平然と言ってのける。近所で評判の仲良し夫婦…。
そんな父親…。
私は母親になれるのだろうか、、、そんな事ばかり考えていた。
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