悠久の機甲歩兵

竹氏

文字の大きさ
上 下
323 / 330
激動の今を生きる

第323話 荒ぶる大地

しおりを挟む
 辺り一帯へ轟いた大地の唸り。
 整然と並ぶ兵士たちも、思い思いに指示を待つコレクタ達も、果ては軍獣《アンヴ》に至るまでが混乱と動揺の声を上げた。
 当然、頂点に君臨する権力者たちとて例外ではない。

「ぬぉっ!? なんだ、何が起こっている!?」

「そ、某にもわかりませぬ!」

 エデュアルトは体こそ揺らがせないものの、驚愕を隠すことまでは出来なかったのだろう。プランシェに至っては武器を杖代わりとし、必死に体を支える始末。
 そんな彼らに追い打ちをかけるが如く、地面は雷のような音を立て、大量の土砂を舞い上がらせた。

「まさか大地が割れ、崩れようというのですか……?」

「馬鹿な。アッシュバレイならともかく、ノーリーフが噴火するなんて話ゃ、言い伝えにさえ聞いたことがないが」

 大きな地割れが走り、陥没してゆく大地の姿に、人より長い年月を生きるフェアリーさえも口を覆って顔色を失い、グランマも信じられんと目を剥いた。
 それでもまだ、2人はまだ冷静だったと言っていい。少なくとも、甲高い悲鳴をあげながらしゃがみこんだり、慌てて僕の腕にしがみついてくる若者たちと比べれば。

「噴火って何よ!? 地面が爆発するなんて、普通に信じられないことなんだけれど!?」

「キョウイチ、これは避難した方が――キョウイチ?」

 シューニャからの問いかけが、遠く聞こえた気がした。
 視界の中にあるのは、混乱の坩堝に叩き込まれた人々の姿と陥没した地面、そして空堀に積もる崩れた防壁の瓦礫。
 それらを眺める自分は、彼女らの目に果たしてどう映っていただろう。

「……なぁ、ダマル。あそこは安定化エーテルの貯蔵施設で間違いないのか?」

「資料通りなら、そうだな」

 下から不思議そうに見上げてくる翠色の瞳と、カタリと乾いた音に続く短い返事。
 僕はもしかすると、表情筋の動かし方を忘れてしまったのかもしれない。

「エーテルの液化安定に用いられる一般的な循環触媒は、揮発性や可燃性がなく火災の原因にはならない。あってるよな?」

「記憶欠落野郎の癖に意外だな。化学と安全の授業だとすりゃ、それで花丸だぜ」

 どこかから、神様、という叫びが聞こえた気がした。
 多分、ダマルも自分と同じように、忘れていたのだろう。敢えて骸骨の顔は見ずに遠くを眺める。

「――だとすれば、何が?」

「さてな……貯蔵されてた作動油やら、ってのも量的にはありえねぇだろうしよ」

 間違いないと頷けば、再び轟くドスンと腹に響く音。
 衝撃の中心はちょうど帝都の防壁付近らしい。それも余程広い地下空間が一気に崩壊したのか、地面は一瞬盛り上がったものの、まもなく派手に崩落し始める。
 上に居た者たちは、運が悪かったという他ない。種族も性別も立場も関係なく、一様に流れる土に足場を奪われ、抵抗することもできないまま、大地の中へと飲み込まれていった。
 強いて救いがあったとすれば、防壁付近に部隊を展開させていた組織が、1つしかなかった事だろうか。

「……コレクタユニオン本部も、斯様な災害は予想出来なかったようですね」

「連中にはいい薬だ、とでも言ってやりたいところではあるが、他人事で済まないかもしれないよ」

「下手をすると、戦どころではなくなるやもしれんな……皆、陣形を維持しつつ、周囲を警戒しておけ! 不用意に動くな、何が起こるか分からんぞ!」

 地揺れが大人しくなったタイミングで、部隊指揮官達は状況の確認に慌ただしく走り出す。
 それを背にした僕は、舞い散る砂塵に目を細めながら兜のスリットへ向き直り、一言。

「そもそも爆発が原因じゃない、って線はどうだろう?」

「カッ、笑わせやがる。また馬鹿でかいミクスチャでも出たってのか? 怪獣映画の見すぎだぜ」

「縁起でもないこと言わないでよ。本当になったらどうするの?」

「言霊なんざ信じちゃいねぇよ。まぁ理由がなんであれ、俺たちにとっちゃ悪ぃことばかりでもねぇさ」

 ようやく僕の腕から離れたマオリィネがジトりと兜のスリットを睨んでも、ダマルは動じた様子もなく、だろ? とこちらに同意を求めてくる始末。
 琥珀色の瞳は訝しげだったが、縁起云々を除いた鎧骸骨様の状況分析は正しく、僕は小さく肩を竦めた。
 無論、巻き込まれた者たちには申し訳なく思う。だが、コレクタユニオン本部が率先してクロウドンを包囲してくれたお陰で、こちらは地震の被害を被っておらず、逆にコレクタユニオン本部の部隊は大被害によって壊乱し、頼みの包囲が崩壊しつつある。反帝国連合軍にとって、これを棚ぼた的結果と言わずなんと言うのか。
地面が揺れている限り、エデュアルトたちにそんなことを考える余裕などないだろうが、それも時間の問題だろう。
と、思った矢先である。

「み、見ろ! クロウドン城の塔が!」

 兵士の声に、一瞬目を疑った。
 防壁の向こう。切り立った山に背後を守られる城の尖塔が、大きく音を立てて半ばから折れるように崩れていく。
 既に振動が収まった後であったことも含めて、これは僕にも骸骨にも予想外の出来事だったというほかない。

「おいおーい、いくら鉄筋もねぇ現代建築でも、あの程度の振動で崩れるってなったら、流石に手抜き工事もいいとこじゃ――あん?」

 ダマルのカスタム兜にはズーム機能でもあるのだろう。僕が双眼鏡を覗きこむ傍ら、ダマルは無手のままで唐突に訝し気な声を響かせた。
 1つ目の尖塔に続き、中央部に位置する天守塔らしき構造物が石材を撒き散らして崩壊。周囲の防壁や櫓が巻き込まれ、派手な土煙がそこかしこから立ち上がって視界を塞ぐ。
 それでも、僕は双眼鏡を下ろし、骸骨は兜の中でカタリと顎を鳴らした。

「……今が怪獣映画のVR上映中じゃねぇなら、バグったのは俺の目か?」

「君、目なんて最初から無いだろう」

「いやそうなんだけどよ。この穴からでも見えてんだもん。今もこう、ゲル状のバケモンが城をバキバキっとだな」

「大丈夫。多分ダマルに見えている景色は、私と同じ」

「奇遇ね。私もよ」

 正直に言えば、僕も目か頭かが狂ったのではと疑ったほどである。
 しかし、この場に居る身内4人全員が同じ状況を目にしているとなると、現実であることを疑う方が難しいだろう。
 城のあちこちから勢いよく溢れ出す、赤く透き通った粘液の塊。それもただ流れるだけではなく、まるで意思を持つ生物であるかのように壁を打ち崩して暴れまわり、荘厳な城を瓦礫へと変えていく。
 ゲルの全貌は果たしてどのくらいで、籠城していたであろう人々はどうなったのか。誰もが答えを得られぬまま、呆然と不可思議な光景を眺める間にも、溢れ出る量は留まることなく増え続け、建物を飲み込みながらいよいよ帝都内側の城壁を乗り越えんばかりに膨れ上がった。
 短時間で訪れたその衝撃に、僕はハッと我に返る。よもや自分が適当に口走った予想が、こんな形で当たるなどと、誰が思うものかと。

「……これはなんとなく不味い気がするぞ! エデュアルトさん、直ちに全部隊へ退避命令を!」

「どういうことだ!?」

「あのクソデカスライムが、ここまで押し寄せてくるかも知れねぇっつってんだよ! 兵の命が惜しいなら、すぐに部隊を下がらせろ!」

 後退と口で言うには容易いが、大軍の機動となると話は別である。それも緊急退避となると、指揮系統の混乱はまず免れない。状況が危機的であればあるほど統率は困難を極め、脱走する兵士も現れるだろう。現状と同等に部隊を立て直し、再び攻勢に出るには、長い時間を要することになる。
 だからこそ、ダマルがハッキリと危険性を説いてもなお、エデュアルトは即決できなかったのだろう。
 その重責を思えば、むぅと唸るだけの彼を責めることなどできないが、それでも正体不明の存在は待ってくれない。

「閣下! あれを!」

 プランシェが指さした先は、町を囲む防壁が地震動で崩れた箇所だった。
 内側から飛び出してきたのは、あまりにも雑多な人の群れ。それらは瓦礫を踏み越え、空堀の斜面を滑りながら、躊躇うことなく周囲に展開するコレクタユニオン本部の兵たちへ向かっていく。
 僕の目に映ったその姿は、秩序だった突撃でも命を捨てた破れかぶれの攻撃でもなく、ただひたすらに、何かから逃げているようだった。
 無論、確証があった訳では無い。だが、市門の跳ね橋が内側より降ろされ、大扉も押し開けられて、同じような様子で人々が走ってくる姿を見せつけられれば、エデュアルトも理解せざるを得なかったのだろう。
 この僅かな間に、人種同士で戦争に興じていられる状況ではなくなってしまったということを。

「ええい止むを得ん! 全軍、急ぎ後退だ! クロウドンから距離を取れ!」

「チッ、馬鹿げた話があったもんさね!」

「太母様、お急ぎください!」

「ホルツ、皆の退避を頼みます。貴方自身も、帰らぬことは許しませんよ」

「ハッ、この名に誓いまして、必ずや。ペンドリナ!」

「我が君、どうか暫しのご辛抱を! 行きます!」

  兵を率いる立場の者は、剣に槍に棒に盾にと、手にした何かを振って退避退避と声を響かせる。
 何故退くのか、どう退くのか、どこまで退くのか、困惑する声も中にはあった。特に陣形の後方で状況が見えていない者たちは、全く訳が分からなかったことだろう。
 それでも高台にたなびく大将旗が、後ろへ向かって走り出せば、誰も四の五の言ってはいられない。大陣形は堰を切ったように崩れ始め、道も畑も関係なく兵士達は走り出す。
 当然、自分たちとて例外ではない。マオリィネが露払いとなってくれた事で、退避する兵たちの間を抜けるのは比較的楽だったが、それでも僕はシューニャの手を離さないよう強く握り、ダマルに隊列の後ろを固めて貰って、玉匣までを駆け抜けた。

「あっ、ご主人! 帰ってきたッスよー!」

「さっき揺れたのって何なんですか? それに帝都の方が騒がしいみたいで――すむぎゅぅ!?」

 機銃座についていたアポロニアの声に、小銃を構えていたアランが振り返り、玉匣の後部ハッチからポラリスとファティマが揃って顔を覗かせた。
 本来なら和やかに手でも振りながら帰りたいところだが、いかんせん状況が状況である。僕はキョトンとしている2つの頭を、纏めて車内に押し返した。

「ううう、おにーさん、抱っこならもうちょっと優しくぅ……」

「び、ビックリしたぁ。舌かんじゃうとこだったよぉ!」

「何が起こっている? 不味いのか?」

 少々乱暴な扱いに、ムニョムニョと文句を呟くファティマと、風船のように脹れて怒るポラリスに対し、アランだけは怪訝そうな表情を浮かべていた。
 しかし、どれにも答えている余裕はない。

「不味いのは確かだが、詳しい説明は後だ! すぐ出発するぞ! シューニャ、頼む!」

「はぁ……ふぅ……っ、了解」

 息を切らしながらも、シューニャはグッと唾を飲み込んで運転席に駆け込むと、すぐにエーテル機関が低い雄叫びを響かせた。

「進路を左へ! 玉匣は友軍部隊側方をカバーしつつ後退。マキナ運搬車は合流地点まで最速で移動し、砲撃に備えろ」

『あいよ了解! 途中でトレーラーがスタックしねぇよう祈ってくれや!』

「最悪は車両放棄も致し方なしだ。アラン君、出撃用意を!」

 兵士達を掻き分けて走る車内で、運転席の横に立った僕は、シューニャとダマルに進路の指示だけを出して、すぐ後方へ戻る。
 そこには既に、着装準備を終えたアランが待っていた。

「命令を、隊長」

「作戦目標は不明存在の脅威判定。可能ならばその行動遅滞、殲滅を――隊長?」

 整備ステーションのターンテーブルを動作させ、翡翠が背面を向いたところで、流石に聞き流せずつい振り向いてしまった。
 座席ではファティマも首を傾げており、砲手席へ続く砲塔バスケットの入り口からは、ポラリスもはてなと顔を覗かせている。しかし、アランはこちらに背を向けたまま、ノルフェンの背面を解放した。

「……今はここが、アンタの下が、俺の居場所だ。おかしいか?」

 居場所。
 アランが玉匣という家をそう呼んだことに、僕は少々面食らっていた。
 モーガルから託された以上、彼が最低限自身の感情に決着をつけ、前を向いて生きていけるよう支援するつもりではあったものの、だからといって、自分たちがイーサセラの機甲歩兵を撃墜したことに変わりはない。
 仲間の仇と打ち解けるというのは、どれだけ言葉や時間を重ねようと、簡単な話ではないのだ。それでも青年はハッキリと、ここを居場所だと言ってくれたのである。金髪に隠れた耳が、少しだけ赤くなっているように見えたのも、気のせいではないだろう。
 隊長という懐かしい響きに、僕は開いた翡翠の背面に向かって小さく微笑んだ。

「――いいや、光栄だよ。では、分隊出撃といこうか」

『了解。2番機、援護につく』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

武蔵要塞1945 ~ 戦艦武蔵あらため第34特別根拠地隊、沖縄の地で斯く戦えり

もろこし
歴史・時代
史実ではレイテ湾に向かう途上で沈んだ戦艦武蔵ですが、本作ではからくも生き残り、最終的に沖縄の海岸に座礁します。 海軍からは見捨てられた武蔵でしたが、戦力不足に悩む現地陸軍と手を握り沖縄防衛の中核となります。 無敵の要塞と化した武蔵は沖縄に来襲する連合軍を次々と撃破。その活躍は連合国の戦争計画を徐々に狂わせていきます。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

軍艦少女は死に至る夢を見る~戦時下の大日本帝国から始まる艦船擬人化物語~

takahiro
キャラ文芸
 『船魄』(せんぱく)とは、軍艦を自らの意のままに操る少女達である。船魄によって操られる艦艇、艦載機の能力は人間のそれを圧倒し、彼女達の前に人間は殲滅されるだけの存在なのだ。1944年10月に覚醒した最初の船魄、翔鶴型空母二番艦『瑞鶴』は、日本本土進攻を企てるアメリカ海軍と激闘を繰り広げ、ついに勝利を掴んだ。  しかし戦後、瑞鶴は帝国海軍を脱走し行方をくらませた。1955年、アメリカのキューバ侵攻に端を発する日米の軍事衝突の最中、瑞鶴は再び姿を現わし、帝国海軍と交戦状態に入った。瑞鶴の目的はともかくとして、船魄達を解放する戦いが始まったのである。瑞鶴が解放した重巡『妙高』『高雄』、いつの間にかいる空母『グラーフ・ツェッペリン』は『月虹』を名乗って、国家に属さない軍事力として活動を始める。だが、瑞鶴は大義やら何やらには興味がないので、利用できるものは何でも利用する。カリブ海の覇権を狙う日本・ドイツ・ソ連・アメリカの間をのらりくらりと行き交いながら、月虹は生存の道を探っていく。  登場する艦艇はなんと58隻!(2024/12/30時点)(人間のキャラは他に多数)(まだまだ増える)。人類に反旗を翻した軍艦達による、異色の艦船擬人化物語が、ここに始まる。  ――――――――――  ●本作のメインテーマは、あくまで(途中まで)史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。  ●なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。かなりGLなので、もちろんがっつり性描写はないですが、苦手な方はダメかもしれません。  ●全ての船魄に挿絵ありですが、AI加筆なので雰囲気程度にお楽しみください。  ●少女たちの愛憎と謀略が絡まり合う、新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください。またお気に入りや感想などよろしくお願いします。  毎日一話投稿します。

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

処理中です...