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激動の今を生きる
第318話 エクシアン(前編)
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放電の閃光が壁を照らし、ソニックブームが部屋の中を駆け抜けた。
携帯式電磁加速砲から放たれる耐熱徹甲弾は、音速の十倍以上の速度で飛翔する。エクシアンがいかに鋭敏な感覚を持ち、いかに俊敏な肉体を誇るとしても、相対距離30m未満で、発砲を見てから躱すことなどできはしない。
空間に漂うオゾン臭。つい今しがたまで、対機甲軍刀を前に構えようとしていたシシモドキの身体が、ゴトリと音を立てて崩れ落ちる。その腰から上は、肉片と白い体液に姿を変え、耐熱徹甲弾によって引き裂かれた壁の染みとなっていた。
『敵強度は想定内。残存3体、片付けるぞ』
『言われずとも!』
仲間が消し飛ばされたことへ動揺することもなく、素早く跳び回りながら接近してくるエクシアン達に対し、ノルフェンはジャンプブースターを赤く染めると、床に火花を散らしながら突撃する。
人種の見た目そのままのエクシアンは、小型のミクスチャどころか失敗作と比べても的が小さい。その癖、身体能力はミクスチャ並みで、その俊敏さはあのモーガルをして厄介と言わしめた程である。まだ機体性能にすら慣れていないアランには、1対1でも少々荷が重い相手と言わざるを得ない。
上から迫った斬撃を滑るように後退して躱したノルフェンは、ジャンプブースターの噴射方向を変えて制動しつつ、左手に握る自動散弾銃をクシュモドキへばら撒いた。
だが、それでは遅すぎる。クシュモドキは素早く跳び上がって散弾を躱すと、空中で身を翻しながら、ノルフェンに対し更に斬りかかっていく。
『こいつ――ちょこまかと!』
『足を止めるんじゃない! もっとランダムに動け!』
『簡単に言うな! クソっ!』
歯噛みするアランの声を聴きながら、僕はフーリーモドキの大振りな斬撃をハーモニックブレードで斬り払い、遅れて横から迫ったファアルモドキに蹴りを叩き込む。
自分にだって余裕がある訳ではない。否、命の取り合いにそんなものを持ち込めるはずがないのだ。経験と訓練、技術に勘、そして運。これらを組み合わせても、1人の力などそこまで大きくはなり得ないだろう。
ただ、僕もアランも、決して1人で戦っている訳ではない。
ガツンと音を立て、刃を振りかぶったクシュモドキが床に倒れ込む。その足首から下には、白い靄と透明な氷がまとわりついていた。
「ファティ姉ちゃん!」
「はいはぁーい――っとぉ!」
間延びした声と共に、ふわりと舞い降りる耳と尻尾を持つ少女。
振り下ろされたミカヅキの威力は、床に走った大量の亀裂が物語っており、直撃を受ければエクシアンとてただでは済まなかっただろう。短時間で生成された魔術氷の強度不足か、あるいは単純に敵の身体能力が予想以上だったのか。クシュモドキはポラリスの拘束から素早く逃れると、身体を転がすことで斬撃を躱してみせた。
「あれ? かたさ、たりなかった?」
「いいえ、十分よ」
氷を振り払って立ち上がるまでの僅かな隙。クシュモドキの背後より、居合の如く振り抜かれた一閃が、血の通わぬような青白い腕を通り抜ける。
音を立てて砕けた氷の音。キラキラと光の粉が舞う中、対機甲軍刀を握ったその腕は、後ろへ跳び退くクシュモドキの身体から離れて落ちていく。
トンと軽くファティマの隣へ降りてきたマオリィネは、ふわりと黒髪を躍らせながら、半ばで砕けた透明な剣を見て小さく息をついた。
「……硬さが足りないのはこっちね。切れ味は本当に伝説級なのだけれど」
「流石にやりますね、マオリィネ」
「そうでもないわ。あの状態から首を外したんだもの。ポラリス、もう一度、もっと硬いのをお願い」
「もっとかたーく、かたーく……!」
ガントレットの中に生み出されていく氷の剣。それはポラリスの前に置かれている、マオリィネのサーベルと瓜二つの見た目をしていた。
ミクスチャの強靭な表皮さえ貫く魔術の氷で剣を作れば、というダマルの応用的な提案は、どうやら正解だったらしい。
片腕を失ったクシュモドキは、自らに傷をつけた存在を脅威と見なしたのだろう。マオリィネを視線の先に捉えたまま、巨大なタンクの側面を蹴り、配管を足場にして大きく跳びあがる。
ただ、宙を駆けたその瞬間、白い身体は赤い爆轟に貫かれ、四散して降り注ぐ肉片にファティマとマオリィネは慌てて後ろへ跳んだ。
「ちょっとアポロニア! もう少し離れてる時を狙いなさいな!」
「うえっ、ぺっぺっ、白いのがちょっとかかりました」
「当たったんだからいいじゃないッスか。囮役、完璧だったッスよ」
前衛からの苦情もなんのその。アポロニアは対戦車誘導弾発射器をリロードしつつ、カラカラと笑い、ファティマとマオリィネは呆れたようにため息をつく。
『エクシアンを相手に……生身で?』
『よそ見をするんじゃない。まだ戦闘は継続中だ』
無線越しに聞こえた驚愕の声を、僕は敵に集中しろと言って一蹴する。
彼女らの戦闘技能が、現代において異質なのはわかる。古代兵器、あるいはその技術をもって作られた武器の訓練を積み、1対多、あるいは対化物という本来なら勝負にならない戦闘をこなす中で、それに合わせた連携と戦術を会得しているのだから。
だが、驚くべきは今じゃないと、僕は携帯式電磁加速砲を収束波《レーザーフラ》光長剣《ンベルジュ》に持ち替え、ファアルモドキを対機甲軍刀ごと焼き切った。
『残り1。最後まで気を抜くな』
『ッ……言われなくても! らぁぁぁぁっ!!』
気迫一声。自動散弾銃の発砲音が連続で響き渡る。
跳躍機動を繰り返していたフーリーモドキは、味方の損耗状況など気にもせず、翡翠だけに集中していたのだろう。突如横殴りに打ち付けた散弾の雨に姿勢を崩し、コンクリートの床をころがった。
ボロボロになった薄いガウンの隙間から、細い体のあちこちに深い傷が見える。にも関わらず、表情ひとつ変えることなく、対機甲軍刀を支えとして立ち上がってくる姿は、最早痛ましくさえあった。
エクシアンとなった彼女は何を求めて戦い、その瞳には何が映っていたのか。白緑色の光が胸を貫いた後では、最早聞くことすらままならない。
白い体が力なく崩れ落ちた後、戦闘の音はピタリと止んだ。またどこかで、換気設備が動く音が微かに聞こえていたように思う。
『これが……アンタの選んだ結末だ。御大』
ノルフェンはヘッドユニットをぐるりと回し、右手に構える突撃銃をゆっくりと天井クレーンへ向けた。
鋼の塊である産業機械といえど、マキナ用火器から放たれる高速徹甲弾に耐えられるはずもない。息を整えながら放たれたアランの言葉は、まさに死刑宣告と言える。
ただ、僕としては疑問の残る結末に思えていた。
『大願と豪語した割に、随分と呆気ないものだな。まさか、こちらの戦闘能力を見誤っていた、とでも言うか?』
「買い被りを、やはり神代の技術は凄まじい。今はアランの扱う機体――そうノルフェンだ。各地を巡る旅路の中、我が師の操るソレが何度となく力を振るい、キメラリアたちを救う姿を見てきましたが、いざ自分に向けられると恐ろしい物ですな」
演技派だとすれば、随分な大根役者である。これほど胡散臭い言葉もないだろう。肩を竦めたルイスの顔に恐怖など微塵も感じられず、むしろ余裕すら感じられた。
それでも、アランは額面通りに受け取ったらしい。突撃銃のレーザーサイトをわざと可視光線に切り替え、ルイスの眉間に赤いポインターを照射して見せた。
『今更、命乞いのつもりか? そんなことで――』
「待って」
赤い光線を遮った大柄な影に、ノルフェンの突撃銃が僅かに揺れる。
『……サン、何のつもりだ?』
ルイスの前に立ち塞がったサンタフェに対し、アランの声は努めて平静な声を出したのだろう。しかし、先ほどまで強く滲んでいた殺意は明らかに萎み、内心の動揺が手に取るように分かった。
以前ファティマに安否を問うていたことからも察せられる通り、彼はサンタフェに対して特別な感情を抱いているのだろう。それは友情か恋慕か親愛か、どれにせよ青年の心を揺するには十分で、対する熊女がルイスより落ち着いているのは確かだった。
「オレはまだ、御大から答えを貰ってない。だから、今殺させる訳にはいかない」
『答え、だと? そいつは母を殺したんだぞ。 俺たちを育ててくれた、モーガル・シャップロンをだ! わかってるのか!?』
「当たり前じゃないか。だからこそ、オレは答えが欲しい。ママの分まで、ちゃんとした答えを聞きたいんだ」
『俺にはもう必要ない。母さんが、そう言ったんだ……そこをどけ』
アランの低い声に、彼女は緩く首を振る。
巨大な錨は背に負うたまま、研究者を背に広げられた毛深い両手。それがどういう覚悟かは、言葉を聞かずとも明らかだった。
「できない。どうしてもっていうなら、オレごとやんなよ」
『お前――訳の分からないことを言うな! いいからどけ!』
「どかないって言ってんの。ほら撃ってみなよ! アンタの持ってるそれは何のために――!」
1回きりの乾いた音が部屋の中を反響した。
立ち上がる硝煙に床を転がる薬莢。それに遅れて、橙色のアイユニットがゆっくりと向き直る。
『な……』
『すまないが、これ以上茶番に付き合うつもりはない』
左手の指を、突撃銃のトリガから離す。
近接戦闘と呼ぶべき位置から、動かない的を狙うくらい造作もない。人種を撃ち抜くのなら、1発あれば十分だった。
『あ、あ……!』
ため息をつきながら左腕を下ろした僕の姿に、彼は動揺したことだろう。
間もなく、悲痛な声と共にノルフェンの銃口がこちらへ向き直り、ヘッドユニットの中にロックオン警報が鳴り響いた。
『アマミ! アンタ、なんてことを!? アイツは――!』
『よく見ろ』
鋭くそう言い放てば、アランは一瞬呆然としてから、恐る恐るといった様子で天井クレーンに向き直る。
彼には経験も知識も足りていない。ならば、目に映った現実に硬直してしまうのも無理はないだろう。
何故今の今まで、僕がルイスを撃たなかったのか。高速徹甲弾の直撃を受けたはずのサンタフェは、倒れることも血を垂れ流すこともなく、ただ全身に薄くノイズの走らせながら、困ったように笑って後ろ頭を掻いていた。
「あっれま……気づくの早いってばぁ。もーちょっとアランのワタワタしてるところ見れると思ったのになぁ。でも、時間的には十分?」
当然、その姿に仰天したのはアランに限らない。それもマキナの火力を良く知る彼女たちならば、なおさらだろう。
「ボクの目がおかしくなったんでしょうか? 今の、まともに当たったように見えたんですけど」
「カソウクンレンの時には、こんな感じの敵も見たッスけど……」
「ここは現実、よね?」
面白い反応と言えばそうだろう。唯一ポラリスだけは、りったいえーぞー? と首を傾げているあたり、生まれた文明の違いが感じられる。シューニャがこの場に居たら、またも質問攻めにあっていたかもしれない。
前提条件として、頬を僅かに持ち上げた白衣の男が居なければ、だが。
「いつからか、聞かせていただいてもよろしいかな?」
『心外だな。映像デコイ程度に僕が本気で引っかかると? そっちが生身だったなら、会話を終えた時点で蜂の巣にしていたさ』
生体センサーが微かに走らせる独特のノイズ。レーダーに映る光点の些細な滲み。そして直接視界の微妙な違和感。
知らなければどれも気にならない程度でしかないが、神経を尖らせる戦場において、極小の違和感は暗闇に光る懐中電灯くらいハッキリした判断材料となる。
それも、機甲歩兵にとっては一般常識と呼ぶべき知識だった。800年前の軍事教育を受けている限りは、だが。
『サン……お前』
「あれ、怒った? もしかして怒った? オレってば、ちょーっとビックリさせちゃおうとしただけでさー。ごめんねぇ?」
武器を下ろして向き直ったノルフェンに対し、サンタフェは笑いながらくるりと身体を回すと、前のめりに拝み手を向け、軽くウインクを飛ばして見せる。ちょっとした冗談だった、とでも言いたげに。
そんなおちゃらけた様子に対し、僕はアランが激怒するかもしれないと思っていた。むしろ、そうするのが自然だろうとさえ。
だが、彼は静かに肩から力を抜くと、橙色のアイユニットをサンタフェへ向け、驚くほど穏やかな声で呟いた。
『いいや。無事なら、それでいい。俺は、もう誰も……』
「お、おぅ……なんかホントにごめん」
この様子には、自由人と呼ぶべきサンタフェでさえ面食らったらしい。まるで悪戯を叱られた子どものように濃紺の視線を泳がせ、毛深い両手も所在なさげに遊んでいた。
掴みどころのなさから、厄介な存在程度にしか認識していなかったが、どうにも根は素直らしい。アランが気にするなとマキナの手を振ってみせれば、少し申し訳なさそうに笑っていた。
だが、彼女の在り方は今関係ない。重要なのはその傾倒先であり、僕は穏やかな2人の空気を無視して、再びルイスへと無意味な銃口を突きつけた。
『さて、そろそろ悪あがきも終いにしてもらおうか。デコイに対する通信反応の出先は掴んでいる。もう逃げられないぞ』
「逃げる? ふむ……また妙なことを仰るものですな。私はこれで終わったなどと、一言も申していないはずですが?」
変わらぬ余裕は、自分の眉間に弾丸が飛んで来ないから。そんなあまりにも短絡的な思考に対し、何度となく命を拾わせてくれた勘が脳裏で警鐘を鳴らす。
答えが出るまでほんの一瞬。視界の片隅に蠢いた影に、僕は咄嗟に翡翠を跳ばせていた。
『アポロ――ッ! ぐぅっ!』
機体を揺さぶるような凄まじい衝撃に、視界が一瞬明滅する。
左腕装甲部への被弾。流れる警報が、生命維持装置による補助を越えて、身体を揺さぶられたことを知らせていた。
システムの表示を見れば、装甲に亀裂が走っているらしいが、フレームやアクチュエータに損傷はなく、戦闘行動に支障はない。
何より、アポロニアのキャンという悲鳴が尻もちをついたことによるものだったなら、後でダマルに怒鳴られるくらい安いものだった。
「ご、ごごごご主人!? なんスかソイツ!? 死体が起き上がってきたッスよ!?」
「死体なら、まだマシかもね。こいつら……」
アポロニアとポラリスを囲むように、僕らは自然と円陣を組む。その中で、マオリィネは小さくガントレットを震わせており、ファティマはフシャーと威嚇の声を上げていた。
「う゛う゛う゛……! どうやったら、あんなぐちゃぐちゃだった体が、元通りになるっていうんですか」
「こういうの、ふじみ、っていうんだっけ?」
『だとしたら堪らないが……さて、どうだろうね』
確信があるわけではない。だが、僕はポラリスの疑問形な言葉に妙な説得力を覚えていた。
ルイスが天井クレーンの上で余裕をぶっこいている訳である。マキナに損傷を与えられる力に加え、不死と思えるほど異常な再生能力を持った親衛隊が、デコイの通信先へ通じる道を守っているのだから。
個々の戦闘能力だけみれば、こちらの戦力で十分に対応することができる相手なのは間違いない。だが、自分たちの火力は有限であり、人間である以上どこかで必ず息切れしてしまう。一方、ルイスが語ったエクシアンの宣伝文が事実だとすれば、向こうは水も食料も必要せず、永遠と戦い続けられる存在ということになる。それに、この展開も想定の内だったとすれば、嘘をつく必要性などルイスには無い。
大きく息を吐く。
『皆、まだいけるか?』
「ええ。準備運動が済んだくらいかしら」
黒髪の横に氷の剣が回る。
「わったしも! まだまだげんきだよ!」
白い靄が少女を包む。
「ありったけ持ってきてるッスからね。欲しい分だけくれてやるッス」
小さな体が対戦車誘導弾発射器を担ぎ上げる。
「ふぅー……どれくらいぺったんこにされ続けて耐えられるか、楽しみです」
揺れる尻尾の隣で巨大な剣が床を突き破る。
最後に僕は背中合わせの位置にあるエーテル機関反応へ、振り向かないまま声をかけた。
『アラン君』
『わかっている。あのバカ熊の目を覚まさせるには、これしかないんだ。やってやるさ』
廃熱ダクトから薄く煙を吐き、ノルフェンは再び自動散弾銃と突撃銃を構えて見せた。
どうせ自分達にはこれしかできない。エクシアンが再生できなくなるまで、潰して潰して潰しまわるのみ。
その決心に対し、研究者はクレーンの上から笑って見せた。
「素晴らしいの気概ですな。ならば私はご期待に沿えるよう、奥にてお会いできることを楽しみにしておくとしましょうか。どうぞご武運を、神代人」
映像デコイが消滅すると同時に、エクシアンが動き出す。
随分な余裕を見せつけて消えたルイスに、僕は奥歯をガッチリ噛み締めた。
『言ってくれる……後悔させてやろうじゃないか!』
携帯式電磁加速砲から放たれる耐熱徹甲弾は、音速の十倍以上の速度で飛翔する。エクシアンがいかに鋭敏な感覚を持ち、いかに俊敏な肉体を誇るとしても、相対距離30m未満で、発砲を見てから躱すことなどできはしない。
空間に漂うオゾン臭。つい今しがたまで、対機甲軍刀を前に構えようとしていたシシモドキの身体が、ゴトリと音を立てて崩れ落ちる。その腰から上は、肉片と白い体液に姿を変え、耐熱徹甲弾によって引き裂かれた壁の染みとなっていた。
『敵強度は想定内。残存3体、片付けるぞ』
『言われずとも!』
仲間が消し飛ばされたことへ動揺することもなく、素早く跳び回りながら接近してくるエクシアン達に対し、ノルフェンはジャンプブースターを赤く染めると、床に火花を散らしながら突撃する。
人種の見た目そのままのエクシアンは、小型のミクスチャどころか失敗作と比べても的が小さい。その癖、身体能力はミクスチャ並みで、その俊敏さはあのモーガルをして厄介と言わしめた程である。まだ機体性能にすら慣れていないアランには、1対1でも少々荷が重い相手と言わざるを得ない。
上から迫った斬撃を滑るように後退して躱したノルフェンは、ジャンプブースターの噴射方向を変えて制動しつつ、左手に握る自動散弾銃をクシュモドキへばら撒いた。
だが、それでは遅すぎる。クシュモドキは素早く跳び上がって散弾を躱すと、空中で身を翻しながら、ノルフェンに対し更に斬りかかっていく。
『こいつ――ちょこまかと!』
『足を止めるんじゃない! もっとランダムに動け!』
『簡単に言うな! クソっ!』
歯噛みするアランの声を聴きながら、僕はフーリーモドキの大振りな斬撃をハーモニックブレードで斬り払い、遅れて横から迫ったファアルモドキに蹴りを叩き込む。
自分にだって余裕がある訳ではない。否、命の取り合いにそんなものを持ち込めるはずがないのだ。経験と訓練、技術に勘、そして運。これらを組み合わせても、1人の力などそこまで大きくはなり得ないだろう。
ただ、僕もアランも、決して1人で戦っている訳ではない。
ガツンと音を立て、刃を振りかぶったクシュモドキが床に倒れ込む。その足首から下には、白い靄と透明な氷がまとわりついていた。
「ファティ姉ちゃん!」
「はいはぁーい――っとぉ!」
間延びした声と共に、ふわりと舞い降りる耳と尻尾を持つ少女。
振り下ろされたミカヅキの威力は、床に走った大量の亀裂が物語っており、直撃を受ければエクシアンとてただでは済まなかっただろう。短時間で生成された魔術氷の強度不足か、あるいは単純に敵の身体能力が予想以上だったのか。クシュモドキはポラリスの拘束から素早く逃れると、身体を転がすことで斬撃を躱してみせた。
「あれ? かたさ、たりなかった?」
「いいえ、十分よ」
氷を振り払って立ち上がるまでの僅かな隙。クシュモドキの背後より、居合の如く振り抜かれた一閃が、血の通わぬような青白い腕を通り抜ける。
音を立てて砕けた氷の音。キラキラと光の粉が舞う中、対機甲軍刀を握ったその腕は、後ろへ跳び退くクシュモドキの身体から離れて落ちていく。
トンと軽くファティマの隣へ降りてきたマオリィネは、ふわりと黒髪を躍らせながら、半ばで砕けた透明な剣を見て小さく息をついた。
「……硬さが足りないのはこっちね。切れ味は本当に伝説級なのだけれど」
「流石にやりますね、マオリィネ」
「そうでもないわ。あの状態から首を外したんだもの。ポラリス、もう一度、もっと硬いのをお願い」
「もっとかたーく、かたーく……!」
ガントレットの中に生み出されていく氷の剣。それはポラリスの前に置かれている、マオリィネのサーベルと瓜二つの見た目をしていた。
ミクスチャの強靭な表皮さえ貫く魔術の氷で剣を作れば、というダマルの応用的な提案は、どうやら正解だったらしい。
片腕を失ったクシュモドキは、自らに傷をつけた存在を脅威と見なしたのだろう。マオリィネを視線の先に捉えたまま、巨大なタンクの側面を蹴り、配管を足場にして大きく跳びあがる。
ただ、宙を駆けたその瞬間、白い身体は赤い爆轟に貫かれ、四散して降り注ぐ肉片にファティマとマオリィネは慌てて後ろへ跳んだ。
「ちょっとアポロニア! もう少し離れてる時を狙いなさいな!」
「うえっ、ぺっぺっ、白いのがちょっとかかりました」
「当たったんだからいいじゃないッスか。囮役、完璧だったッスよ」
前衛からの苦情もなんのその。アポロニアは対戦車誘導弾発射器をリロードしつつ、カラカラと笑い、ファティマとマオリィネは呆れたようにため息をつく。
『エクシアンを相手に……生身で?』
『よそ見をするんじゃない。まだ戦闘は継続中だ』
無線越しに聞こえた驚愕の声を、僕は敵に集中しろと言って一蹴する。
彼女らの戦闘技能が、現代において異質なのはわかる。古代兵器、あるいはその技術をもって作られた武器の訓練を積み、1対多、あるいは対化物という本来なら勝負にならない戦闘をこなす中で、それに合わせた連携と戦術を会得しているのだから。
だが、驚くべきは今じゃないと、僕は携帯式電磁加速砲を収束波《レーザーフラ》光長剣《ンベルジュ》に持ち替え、ファアルモドキを対機甲軍刀ごと焼き切った。
『残り1。最後まで気を抜くな』
『ッ……言われなくても! らぁぁぁぁっ!!』
気迫一声。自動散弾銃の発砲音が連続で響き渡る。
跳躍機動を繰り返していたフーリーモドキは、味方の損耗状況など気にもせず、翡翠だけに集中していたのだろう。突如横殴りに打ち付けた散弾の雨に姿勢を崩し、コンクリートの床をころがった。
ボロボロになった薄いガウンの隙間から、細い体のあちこちに深い傷が見える。にも関わらず、表情ひとつ変えることなく、対機甲軍刀を支えとして立ち上がってくる姿は、最早痛ましくさえあった。
エクシアンとなった彼女は何を求めて戦い、その瞳には何が映っていたのか。白緑色の光が胸を貫いた後では、最早聞くことすらままならない。
白い体が力なく崩れ落ちた後、戦闘の音はピタリと止んだ。またどこかで、換気設備が動く音が微かに聞こえていたように思う。
『これが……アンタの選んだ結末だ。御大』
ノルフェンはヘッドユニットをぐるりと回し、右手に構える突撃銃をゆっくりと天井クレーンへ向けた。
鋼の塊である産業機械といえど、マキナ用火器から放たれる高速徹甲弾に耐えられるはずもない。息を整えながら放たれたアランの言葉は、まさに死刑宣告と言える。
ただ、僕としては疑問の残る結末に思えていた。
『大願と豪語した割に、随分と呆気ないものだな。まさか、こちらの戦闘能力を見誤っていた、とでも言うか?』
「買い被りを、やはり神代の技術は凄まじい。今はアランの扱う機体――そうノルフェンだ。各地を巡る旅路の中、我が師の操るソレが何度となく力を振るい、キメラリアたちを救う姿を見てきましたが、いざ自分に向けられると恐ろしい物ですな」
演技派だとすれば、随分な大根役者である。これほど胡散臭い言葉もないだろう。肩を竦めたルイスの顔に恐怖など微塵も感じられず、むしろ余裕すら感じられた。
それでも、アランは額面通りに受け取ったらしい。突撃銃のレーザーサイトをわざと可視光線に切り替え、ルイスの眉間に赤いポインターを照射して見せた。
『今更、命乞いのつもりか? そんなことで――』
「待って」
赤い光線を遮った大柄な影に、ノルフェンの突撃銃が僅かに揺れる。
『……サン、何のつもりだ?』
ルイスの前に立ち塞がったサンタフェに対し、アランの声は努めて平静な声を出したのだろう。しかし、先ほどまで強く滲んでいた殺意は明らかに萎み、内心の動揺が手に取るように分かった。
以前ファティマに安否を問うていたことからも察せられる通り、彼はサンタフェに対して特別な感情を抱いているのだろう。それは友情か恋慕か親愛か、どれにせよ青年の心を揺するには十分で、対する熊女がルイスより落ち着いているのは確かだった。
「オレはまだ、御大から答えを貰ってない。だから、今殺させる訳にはいかない」
『答え、だと? そいつは母を殺したんだぞ。 俺たちを育ててくれた、モーガル・シャップロンをだ! わかってるのか!?』
「当たり前じゃないか。だからこそ、オレは答えが欲しい。ママの分まで、ちゃんとした答えを聞きたいんだ」
『俺にはもう必要ない。母さんが、そう言ったんだ……そこをどけ』
アランの低い声に、彼女は緩く首を振る。
巨大な錨は背に負うたまま、研究者を背に広げられた毛深い両手。それがどういう覚悟かは、言葉を聞かずとも明らかだった。
「できない。どうしてもっていうなら、オレごとやんなよ」
『お前――訳の分からないことを言うな! いいからどけ!』
「どかないって言ってんの。ほら撃ってみなよ! アンタの持ってるそれは何のために――!」
1回きりの乾いた音が部屋の中を反響した。
立ち上がる硝煙に床を転がる薬莢。それに遅れて、橙色のアイユニットがゆっくりと向き直る。
『な……』
『すまないが、これ以上茶番に付き合うつもりはない』
左手の指を、突撃銃のトリガから離す。
近接戦闘と呼ぶべき位置から、動かない的を狙うくらい造作もない。人種を撃ち抜くのなら、1発あれば十分だった。
『あ、あ……!』
ため息をつきながら左腕を下ろした僕の姿に、彼は動揺したことだろう。
間もなく、悲痛な声と共にノルフェンの銃口がこちらへ向き直り、ヘッドユニットの中にロックオン警報が鳴り響いた。
『アマミ! アンタ、なんてことを!? アイツは――!』
『よく見ろ』
鋭くそう言い放てば、アランは一瞬呆然としてから、恐る恐るといった様子で天井クレーンに向き直る。
彼には経験も知識も足りていない。ならば、目に映った現実に硬直してしまうのも無理はないだろう。
何故今の今まで、僕がルイスを撃たなかったのか。高速徹甲弾の直撃を受けたはずのサンタフェは、倒れることも血を垂れ流すこともなく、ただ全身に薄くノイズの走らせながら、困ったように笑って後ろ頭を掻いていた。
「あっれま……気づくの早いってばぁ。もーちょっとアランのワタワタしてるところ見れると思ったのになぁ。でも、時間的には十分?」
当然、その姿に仰天したのはアランに限らない。それもマキナの火力を良く知る彼女たちならば、なおさらだろう。
「ボクの目がおかしくなったんでしょうか? 今の、まともに当たったように見えたんですけど」
「カソウクンレンの時には、こんな感じの敵も見たッスけど……」
「ここは現実、よね?」
面白い反応と言えばそうだろう。唯一ポラリスだけは、りったいえーぞー? と首を傾げているあたり、生まれた文明の違いが感じられる。シューニャがこの場に居たら、またも質問攻めにあっていたかもしれない。
前提条件として、頬を僅かに持ち上げた白衣の男が居なければ、だが。
「いつからか、聞かせていただいてもよろしいかな?」
『心外だな。映像デコイ程度に僕が本気で引っかかると? そっちが生身だったなら、会話を終えた時点で蜂の巣にしていたさ』
生体センサーが微かに走らせる独特のノイズ。レーダーに映る光点の些細な滲み。そして直接視界の微妙な違和感。
知らなければどれも気にならない程度でしかないが、神経を尖らせる戦場において、極小の違和感は暗闇に光る懐中電灯くらいハッキリした判断材料となる。
それも、機甲歩兵にとっては一般常識と呼ぶべき知識だった。800年前の軍事教育を受けている限りは、だが。
『サン……お前』
「あれ、怒った? もしかして怒った? オレってば、ちょーっとビックリさせちゃおうとしただけでさー。ごめんねぇ?」
武器を下ろして向き直ったノルフェンに対し、サンタフェは笑いながらくるりと身体を回すと、前のめりに拝み手を向け、軽くウインクを飛ばして見せる。ちょっとした冗談だった、とでも言いたげに。
そんなおちゃらけた様子に対し、僕はアランが激怒するかもしれないと思っていた。むしろ、そうするのが自然だろうとさえ。
だが、彼は静かに肩から力を抜くと、橙色のアイユニットをサンタフェへ向け、驚くほど穏やかな声で呟いた。
『いいや。無事なら、それでいい。俺は、もう誰も……』
「お、おぅ……なんかホントにごめん」
この様子には、自由人と呼ぶべきサンタフェでさえ面食らったらしい。まるで悪戯を叱られた子どものように濃紺の視線を泳がせ、毛深い両手も所在なさげに遊んでいた。
掴みどころのなさから、厄介な存在程度にしか認識していなかったが、どうにも根は素直らしい。アランが気にするなとマキナの手を振ってみせれば、少し申し訳なさそうに笑っていた。
だが、彼女の在り方は今関係ない。重要なのはその傾倒先であり、僕は穏やかな2人の空気を無視して、再びルイスへと無意味な銃口を突きつけた。
『さて、そろそろ悪あがきも終いにしてもらおうか。デコイに対する通信反応の出先は掴んでいる。もう逃げられないぞ』
「逃げる? ふむ……また妙なことを仰るものですな。私はこれで終わったなどと、一言も申していないはずですが?」
変わらぬ余裕は、自分の眉間に弾丸が飛んで来ないから。そんなあまりにも短絡的な思考に対し、何度となく命を拾わせてくれた勘が脳裏で警鐘を鳴らす。
答えが出るまでほんの一瞬。視界の片隅に蠢いた影に、僕は咄嗟に翡翠を跳ばせていた。
『アポロ――ッ! ぐぅっ!』
機体を揺さぶるような凄まじい衝撃に、視界が一瞬明滅する。
左腕装甲部への被弾。流れる警報が、生命維持装置による補助を越えて、身体を揺さぶられたことを知らせていた。
システムの表示を見れば、装甲に亀裂が走っているらしいが、フレームやアクチュエータに損傷はなく、戦闘行動に支障はない。
何より、アポロニアのキャンという悲鳴が尻もちをついたことによるものだったなら、後でダマルに怒鳴られるくらい安いものだった。
「ご、ごごごご主人!? なんスかソイツ!? 死体が起き上がってきたッスよ!?」
「死体なら、まだマシかもね。こいつら……」
アポロニアとポラリスを囲むように、僕らは自然と円陣を組む。その中で、マオリィネは小さくガントレットを震わせており、ファティマはフシャーと威嚇の声を上げていた。
「う゛う゛う゛……! どうやったら、あんなぐちゃぐちゃだった体が、元通りになるっていうんですか」
「こういうの、ふじみ、っていうんだっけ?」
『だとしたら堪らないが……さて、どうだろうね』
確信があるわけではない。だが、僕はポラリスの疑問形な言葉に妙な説得力を覚えていた。
ルイスが天井クレーンの上で余裕をぶっこいている訳である。マキナに損傷を与えられる力に加え、不死と思えるほど異常な再生能力を持った親衛隊が、デコイの通信先へ通じる道を守っているのだから。
個々の戦闘能力だけみれば、こちらの戦力で十分に対応することができる相手なのは間違いない。だが、自分たちの火力は有限であり、人間である以上どこかで必ず息切れしてしまう。一方、ルイスが語ったエクシアンの宣伝文が事実だとすれば、向こうは水も食料も必要せず、永遠と戦い続けられる存在ということになる。それに、この展開も想定の内だったとすれば、嘘をつく必要性などルイスには無い。
大きく息を吐く。
『皆、まだいけるか?』
「ええ。準備運動が済んだくらいかしら」
黒髪の横に氷の剣が回る。
「わったしも! まだまだげんきだよ!」
白い靄が少女を包む。
「ありったけ持ってきてるッスからね。欲しい分だけくれてやるッス」
小さな体が対戦車誘導弾発射器を担ぎ上げる。
「ふぅー……どれくらいぺったんこにされ続けて耐えられるか、楽しみです」
揺れる尻尾の隣で巨大な剣が床を突き破る。
最後に僕は背中合わせの位置にあるエーテル機関反応へ、振り向かないまま声をかけた。
『アラン君』
『わかっている。あのバカ熊の目を覚まさせるには、これしかないんだ。やってやるさ』
廃熱ダクトから薄く煙を吐き、ノルフェンは再び自動散弾銃と突撃銃を構えて見せた。
どうせ自分達にはこれしかできない。エクシアンが再生できなくなるまで、潰して潰して潰しまわるのみ。
その決心に対し、研究者はクレーンの上から笑って見せた。
「素晴らしいの気概ですな。ならば私はご期待に沿えるよう、奥にてお会いできることを楽しみにしておくとしましょうか。どうぞご武運を、神代人」
映像デコイが消滅すると同時に、エクシアンが動き出す。
随分な余裕を見せつけて消えたルイスに、僕は奥歯をガッチリ噛み締めた。
『言ってくれる……後悔させてやろうじゃないか!』
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