悠久の機甲歩兵

竹氏

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ユライア王国と記憶の欠片

第107話 協力者

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 白磁のカップが小さく音を立てる。

「連絡は来たか?」

「いえ……副支配人がトリシュナー令嬢らと戻られたようですが、それ以外は特に」

 夕日に赤く照らされる執務室で茶を嗜んでいたフリードリヒは、部下からのどうでもいい報告を鼻で笑う。
 彼からしてみればチェサピーク家を中心にした一派など、獣の権利がどうのこうのと五月蠅いばかりで何の成果も出せない賑やかしだとしか思っていなかった。ただでさえクローゼは彼らを王都から排斥する姿勢を取っていたため、今更この問題に首を突っ込むことなどできはしない、と。

「愚鈍な貴族連中などどうでもいい。それより――襲撃部隊から伝令が来ないことの方が重要だ」
 
 タグリードから、首尾よくブレインワーカーを捕らえた、という連絡が届いたのが昨日の夕方頃。そこから逆算すれば、大体先日の昼頃にはロガージョの巣穴を出発しているはずであり、フリードリヒ自らが準備した足の速い獣車なら、1日もあれば王都に帰還する計算になる。
 最初彼は、このあまりにも早い成果を喜び、有能な部下への褒美を悩むほどの余裕があった。しかし、想定していた丸1日が経過しても襲撃部隊は戻らず、追加の連絡などもないままとなれば、焦りはインクが滲むようにじわじわと心を侵していく。それはフリードリヒから徐々に冷静な思考を奪っていく。
 もしもタグリードが失敗していたら、速やかに事態を収拾するために別動隊を差し向けねばならない。
 カニバルを飼いならした理由は、表沙汰にできない暗部の仕事を任せ、失敗した際に死刑囚として切り捨てられるようにだった。しかし今回は抵抗の意思を削ぐため、敢えてコレクタユニオンの関与を通告してしまっている。これはフリードリヒの中にある、巨大な権力に独立した小集団は抵抗できない、という考えによるものだ。
 しかし世の中には常に例外がある。英雄一行がその例外だったとすれば、そんな想像力から生まれる不安に彼は呑まれつつあった。
 だからだろう。普段なら聞き流せる部下の言葉が、フリードリヒの思考に影響を及ぼしたのは。

「では、処理班を捜索に出せばどうでしょう? 彼らも精鋭のリベレイタですし、襲撃部隊と合流させれば大部隊となりますから、仮に何か問題が起こっていても対応できるかと」

 焦っていたフリードリヒは部下の意見にハッとして、暫し思考を巡らせてから甘いマスクに余裕の笑みを貼り付けた。
 元々処理班とはタグリードが失敗した時のことを考え、目撃者を一掃するために温存していた別動隊である。嗅覚と持久力に優れるカラを主体としており、練度は襲撃部隊同様に高く装備も充実しているため、フリードリヒが持つ第二の切札と言うべき存在だった。

「――ふぅん? 悪くない考えだ。直ちに処理班を襲撃部隊の応援に向かわせろ。もしも人質作戦が続行困難な問題に直面していたら、英雄も含め目撃者全てを確実に闇へ葬らせろ」

「は、はい、直ちに!」

 部下の男は意外にも自らの意見が通った事に一瞬困惑した様子だったが、すぐに信頼されているのだと思いなおしたらしく、どこか誇らしげな表情をして執務室を出て行く。
 残されたフリードリヒは、ゆっくりと立ちあがって茜に染まる窓辺に立った。
 ロガージョの巣穴を使った大規模な作戦が失敗したとなれば、その損失は確かに大きい。とはいえこの博打で大負けしたとしても、また次があるとこの男は考える。
 何せ彼には、富と権力がついているのだから。


 ■



「げ、現代の物流って大変だねぇ……」

 乾燥した茎が刺さって痛い。ついでに獣臭い。
 大量に積まれたコゾという麦に似た植物の山に隠れ、僕は中々の不快感と戦っていた。しかしそれを愚痴れば、同じように潜り込んでいるシューニャとファティマからは、これが普通だと言わんばかりの、澄ました声が返ってくる。

「むしろタマクシゲが快適すぎるだけ。獣車に乗れるだけでも、普通はそれなりに上等」

「ボクたちなんてほとんど歩きでしたもんね」

「装軌車が快適って言われても困るよ」

 いくら装甲車としては非常に大型で居住性のいいシャルトルズとはいえ、無限軌道で走っている以上、乗り心地という面ではゴムタイヤを装備する車両に遠く及ばない。
 そんな装軌車と比べてもなお、この獣車という奴はあまりにも酷かった。
 現代における車輪はスポークもリムも木製で、外周に鉄を巻いただけの簡素なものである。それがサスペンションなど搭載しているはずもなく、衝撃吸収性のない車体は地面の凹凸を派手に拾って揺れ、それでいて速度は驚くほど遅い。
 そんな素晴らしい獣車の荷台に伏せている自分たちは、大量の藁束に押しつぶされながら、市壁の門を抜けようとしていた。
 無論、木枠で覆われた荷台から外の様子は全く伺えないため、状況は音でしか判断できない。おかげで手続きが始まった事は、兵士の声を聞くまでわからなかった。

「ご苦労さん、今日はまた随分多いな」

「今年はコゾの収穫が良くてね。おかげで藁もこれぐらい贅沢に町へ回せるってもんですよ」

 荷車の御者をしているのは王都近郊で畑を営むただの農夫である。彼はマオリィネから相当な金額でも積まれたのか、こんな厄介事を引き受けてくれていた。
 しかし至って普通の生活を営む農夫は、不正を行うことに慣れていないのだろう。その声色は明らかに緊張しており、顔見知りらしい兵士に、腹でも痛いのか、と笑われていたが。

「しっかしまぁ、こんな日に限って山ほど持ってこなくてもいいだろうに」

「な、何かあったんで?」

「いや上からのお達しでな、王都への出入りを厳重に確認しろってさ。どうせ貴族の気まぐれか、この間の会戦で落ち延びた帝国兵でも警戒してんだろ」

 面倒くさそうに語る兵士の言葉に、きっと農夫は滝のように冷や汗をかいていることだろう。
 何せ彼は気まぐれで兵士を動かせるような貴族という存在から、あろうことか金を受け取って密入国の片棒を担いでいるのだ。ここで黙秘を貫こうが、耐えきれず口を割って自分たちを突き出そうが、面倒なことになるのは確実だった。
 とはいえ、危険なのは農夫よりも自分たちだ。自動小銃程度の装備でシューニャとファティマを守りながら逃げることも中々厄介だが、それ以上にいきなり指名手配されてしまっては、今後テクニカや遺跡を探すことにも問題が生じてしまう。
 その上、襲撃してきたフリードリヒ・デポールという男を、みすみす取り逃がしてしまうのも頂けない。せっかくマオリィネの作戦に乗っかり、痛い上に臭い藁山に隠れているというのだから。
 自分に与えられた目標はフリードリヒの確保であり、クローゼ達は彼が癒着しているとされる貴族を焙りだすつもりだという。
 ただ何が目的であれ、密入国で捕まれば作戦が水泡に帰すどころか、キメラリアたちより早くこちらが奴隷にされてしまいかねない。
 無論、この場で自分たちは何もできないため、運命は農夫の抵抗に委られた。

「ここ、この中を見るんですか? ただの藁ですよ?」

「まぁそりゃわかるんだけどな、すまないが1回全ての束を下ろしてくれ。中に人やら物やら隠してないのがわかれば、直ぐ通せるから」

「この量を全てと言うのは流石に……2、3束じゃいけませんかね?」

「だからさ、なんでこんな日に限って大量なんだって言ったんだよ。ほら、俺も手伝ってやるから、早くしろ」

 この兵士はきっと気さくないい男なのだろう。おかげでこちらは万事休すだ。
 流石に手伝うとまで言われては、ごねることも難しかったのだろう。のしかかっていた藁束の重みが和らぎはじめてしまう。
 それでも農夫は諦めず、今度は打開策を見つけるために遅滞行動に切り替えたらしい。兵士の訝しげな声が聞こえてきた。

「おい、腰でも痛めてるのか? 動きがおかしいぞ」

「へ、へぇ……刈り込み作業でちょっとね……」

「それは豊作の嬉しい悲鳴って奴だな。並んでる奴らには悪いんだが、ちょっと手を貸してやってくれ」

 農夫の言葉が真実であれば、兵士の心配りは見事なものだったと言えよう。自分の順番を待ちわびる集団は、いいぞいいぞと口々に賛同し、人海戦術により藁束はあっという間に撤去されていく。
 このありがた迷惑な行為によって、ついには自分の視界に光が漏れ始め、最早飛び出すなら今しかないと体に力を込める。
 ただ僕が藁束を跳ね除けるより先に、空気をビリビリと震わせる豪快な声が一帯に響き渡った。

「おぉ、やっとるかぁ!?」

 ドカドカと石畳を踏みしだく足音は、明らかに門へと近づいてくる。よほど存在感のある人物らしく、人々は藁束を下ろす作業の手を止め、兵士に至っては口調まで改めてガチャンと鎧を鳴らした。

「こ、これはエデュアルト様!」

「おう、ホアキン。なんだ藁束かぁ? また面倒くさそうなの片付けとるな」

 エデュアルト、という名前には聞き覚えがある。
 確か戦勝パレードの時、御神輿のようなチャリオットの上に乗っていた男だ。シューニャがチェサピーク家の話をしてくれた時に、そんな名前が挙がっていたはず。
 となればクローゼが根回しをしたのだろう。国民から慕われているらしい大将軍様を引っ張り出してでも、作戦を成功させたいらしい。
 大きな足音は荷台の傍までやってくると、暫くしてからまたも豪快な声を響かせた。

「おお随分豊作だったのだな、早く通してやれい! なんだお前、腰をいわしておるのか? お前たち、ボーっと突っ立ってないで積みなおしてやらんか!」

「は、ハハッ! おい、やるぞ!」

 突然現れた武将の一声で、降ろされる時より余程素早く藁束が積み直されていく。
 のしかかる重みはあっという間に元通りになり、農夫の声がありがとうございますとリピートされながら、獣車は再びガタゴトと大きく揺れ始める。
 どうやら無事に門を突破できたらしい。僕が自動小銃にセーフティをかけ直せば、呼吸を止めていたかの如くファティマは大きく息を吐いた。

「ぷふぁー……危うく全員ボコボコにしなきゃいけないとこでしたね」

「全く冷や冷やさせてくれるよ。勢いで練った作戦だからしょうがないんだろうけど」

「こ、怖かった……できればこういうことはしたくない」

 シューニャも相当緊張していたらしい。ガラガラギィギィうるさい獣車の上で、小さく聞こえた声は僅かに震えていた。
 しかし、これでコレクタユニオンの目から、自分たちは隠れられたはず。あとは協力者と接触してから、影のように支部を襲撃するのみ。
 やがて獣車は大きく揺れて止まり、ボスルスがブシュウと変わった鳴き声を出した。

「着きましたよ旦那」

「ありがとう、行こうシューニャ」

「う……ぐ……抜け、ない。助けて」

 僕はガサガサと藁束から這い出し、暗い路地裏に飛び降りる。
 ただシューニャは自力で藁束の圧から逃れられなかったらしく、パタパタと振られる両手を掴んで引っこ抜かねばならなかった。

「シューニャは相変わらずですね」

「む……否定できない。運動は苦手」

「僕は小動物っぽくて可愛いと思うが――いたたたた」

 思ったままを口にすれば、何か気に入らないことがあったらしい。キャスケット帽で顔を隠したシューニャにポカポカと肩を叩かれてしまった。

「クスクス……随分仲がいいのね」

「誰だ」

 突然影の中から聞こえてきた小さな笑い声に、僕は素早く自動小銃を構え、ファティマも斧剣に手をかける。
 しかし声の主は武器を向けられてなお、全く恐れた様子もなく、赤い目を輝かせながら溶けだすように姿を現した。

「――ウィラ、かい?」

「覚えていてくれて嬉しいわ。不思議な不思議なお客様」

 仕立て屋であるはずの女性は、黒いドレスの裾を白黒の手でつまみ上げて微笑む。
 その意外すぎる人物の登場に、銃口を下げた僕はおろかシューニャまで唖然としていた。

「君がマオリィネさんの言う協力者、なのか?」

「女は色々な顔を持つものでしょう? あの子からはしてもらっているし、コレクタユニオンは嫌いだもの。だから、ちょっとだけ舞台裏からお手伝い」

 ウィラミットは妖艶にチロリと小さく赤い舌を唇に這わせると、何かに合図するようにトントンと小さく足を鳴らす。
 するとドレスの影から恐る恐ると言った様子で、見知った少女が顔を覗かせた。

「――アマミ、さん?」

「随分と段取りのいいことだ。ヤスミン、怖い目にあっていないかい?」

 赤い大きなリボンを揺らしながら、ヤスミンはこちらへ飛びついてくる。
 しかしウィラミットはそんな彼女の前にしゃがみこむと、今までとはうってかわって慈しみ深い笑みを浮かべながら、優しく頭を撫でていた。

「ヤスミンは大丈夫です。ウィラさんとはお友達だし……アマミさんも、マオリィネ様たちとケンカしてませんか?」

「あぁ、ヤスミンのお陰で仲違いすることはなさそうだ。しかし意外だったな、ウィラと友達とは」

「とっても素直で可愛い子だもの。怖い思いなんてさせないわ」

 優しい言葉のはずなのに、何故か途轍もない恐怖が背筋を這い上がってくるのは、彼女が美女だからであろうか。
 人間より数倍鋭敏なケットの耳鼻ですら捉えられないステルス存在。そんな彼女の腕にはやけに使い込まれた戦輪《チャクラム》が左右1枚ずつ光りっており、どこか暗部的な仕事に慣れた印象を焼き付けてくる。

「底の知れない人だな、君は」

「ふふ……貴方は私が人間に見える?」

 ゆらりと立ち上がったウィラミットは、まるで挑発するように掌をこちらの胸に触れさせながら、色白な顔をスッと近づけてくる。
 そのまま食われるのでは、と思うような状況に僕の体は仰け反った。ただ彼女が何か言い出すより早く、ウィラミットは勢いよく引き剥がされて行ったが。

「いちいち誘惑挟まないでください。お話が進みません」

「やん、意地悪。ふふ……安心して、キョウイチさんは好みだけれど、勝手に食べて子犬ちゃんに噛まれるのはいやだもの。それに、あまり遅くなったら、あの子にも怒られちゃうわ」

 彼女は特に執着する様子もなくアッサリと話題を切り替え、ファティマに肩を掴まれたままクルクルと手を回す。
 ウィラミットの雰囲気が変わった事で、ヤスミンは直観的に不安を覚えたのだろう。僕の腰に力いっぱいしがみついていた。

「大丈夫だ。ヤスミンは暗くなる前に帰りなさい。僕らも明日までには戻るから」

「――ホント?」

「ああ、約束しよう。美味しい朝ごはんを期待しているよ」

「カーリヤのチーズ焼きを注文しておく。勿論、チーズは多めで」

「ボクは豆とお肉のスープがいいです」

 シューニャとファティマから突然の注文に、ヤスミンは暫くキョロキョロと彼女らの顔を見まわしていたが、言葉の意味が理解できたらしい。最後にもう一度僕に強く抱き着いてから、ゆっくりと身体を離した。

「お待ち、しています!」

 クリクリとした瞳を揺らす少女は、精一杯元気よくそう言うと、踵を返してパタパタと薄暗い街路を駆けていく。
 これで自分たちの憂いはなくなったと言っていい。
 ヤスミンが建物の角に消え、足音も聞こえなくなってから、ウィラミットはスッと目を細めて口調を強めた。

「ここからコレクタユニオン支部までは、建物の隙間を跳ぶわ。何処で聞かれているか分からないから、何があっても声を出さないで頂戴」

「跳ぶ、とは――まさか」

 なんとなく漂ってくる嫌な予感に、僕は表情を引き攣らせる。
 しかし、ウィラミットはそんな様子など気にもかけないまま、音もなく建物の隙間にある暗い空間へ跳躍していく。蜘蛛糸を操っているらしく、その凄まじい跳躍力はまさにワイヤーアクションのようだった。
 ただ、彼女だけが跳べても意味がない以上、次に何が起こるかは想像に難くない。

「お? なんだか腰が変な感じにゃぁあああああああ!?」

「……そうするしかないよなぁ」

 不思議そうに首を傾げて早々、ファティマはまるで一本釣りされた魚のように宙へ舞っていた。最初以外は、というウィラミットの言葉が身に染みる。
 その姿に僕は随分過激なジップラインだと苦笑し、隣でシューニャは無表情のまま顔から血の気を引かせていた。多分、ヤスミンと一緒に帰ればよかった、とでも思っていたのだろう。
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