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4章 ドワーフの兵器編 第2部 刺客乱舞
283. 女の顔
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「……ッラァ! ウォラァァァ!!」
上に下に、巧みに剣を振るうミシュー。振る程にその剣は鋭さを増してゆく。怒りに任せた粗暴な剣は鳴りを潜めた。勿論怒りは消えていない。だがそれに囚われる事なく、素直に剣を振れている。
素直に、敵を斬り伏せる為だけに。
ミシューは自身の剣に変化を感じていた。怒りや憎しみ、そういった感情は持ったまま、しかし剣とは切り離す。不思議な感覚だったが悪くなかった。そして今のこの状態は、あのメイドと話をしたからだろうと思った。きっと良い感じに毒気が抜けたのだ。
(しかし……ナイフ一本で良くやる……)
ミシューは黒ローブの女を攻撃しながら視界の端でリンを見ていた。小さなナイフ一本で女を牽制し、隙を探して蜂の一刺しを狙っている。決して手練れとまでは言わないが、充分過ぎる程に良く立ち回っているリンを、ミシューは認め始めていた。
「メイドぉ! 上手く合わせろ!」
攻撃を防がれた直後、ミシューは女と距離を取る。そしてリンに向かって叫んだ。あの化け物相手にここまでやれるのならば問題ない。さすがにダンとは比べられないが、急場凌ぎの相棒としては及第点だ。が、ミシューの思惑は外れた。
「るっさいクソ傭兵!! 臭い口開けんな!!」
「な……!?」
リンの返答にミシューは絶句した。何て言い草か。ここは協力する場面だろうが。しかしリンは早々にミシューを見限り、まるで当てになどしていなかった。
この男は教会には来なかった。なので厳密に言えば仇ではない。だがシャーベルだ。シャーベルは仇であり敵だ。そしてこの黒ローブの女も敵だ。恐らくはシャーベル以上の強大な敵だ。敵の敵は味方になり得る。そう思い嫌々ながらも歩み寄った。共闘しようと持ち掛けた。しかしその返答は茶でも煎れてろ、だった。リンは思う。やっぱりこいつも敵だと。
「てめぇ……クソメイド!! てめぇはこのガキの後にブッ殺す!!」
「ハンッ! やってみろ死に損ないの臭傭兵!!」
「臭かねぇ!! この絶壁メイドがァ!!」
「絶ぺ…………テメ誰が絶壁かぁぁぁ!!」
手で胸を押えながらリンは怒鳴った。斯くして共闘は成らず。二人は罵り合いながら、それぞれてんでばらばらに攻撃する。が、或いはこれで良かったのかも知れない。本来相容れない者同士、連携など出来ようはずもない。
(にしてもこのガキは……バケモンかよ……)
ミシューは改めて思った。それは驚きを超え、もはや感心の域に入っている。何せ右手の剣でリンの、左手の剣で自分の攻撃を事もなげに捌いているのだ。これがどれ程凄い事か。まるで右手と左手それぞれに頭脳があり、各々が独自で考え動いているかの様だった。こんな芸当、果たしてナイシスタに出来るだろうか。
(コイツぁ……隊長よりも……)
ナッカなども自分と同じ口だ。ナイシスタに捩じ伏せられ、いつしか従う様になった。今ではすっかりあの女の子分だ。連中にはすでにそんな気はない様だが、自分は違う。ミシューはいつか再びナイシスタに挑もうと考えていた。負けたままではいられない。だが今日、自分を打ち負かした唯一の存在であるナイシスタを超える強者が現れた。ナイシスタに敗れた自分が、ナイシスタを超える者を斬り伏せられるのか。
(せっかく……良い感じだったんだが……)
感情のままに剣を振るっては駄目だ。剣を振るう際の心の置所が何となく分かった。余計な力が抜け、ムラがなくなった様に思う。しかし麻酔の役割を果たしていた怒りを押し込めた事で、廊下で受けた胸の傷が疼き出した。振るう剣の筋が鈍り出す。
ガチン!
振り下ろした剣は上に弾かれた。ミシューは無防備にその胴を晒す。瞬間、女と目が合った。
(チ……結局その面のままかよ……)
ミシューは自分の剣で無表情な女の顔を変えてやろうと考えていた。ついさっき廊下で殺り合った時の、あの不気味で無邪気な笑顔にだ。つまらなそうなその顔のままで幕を引かれては、自分はこの女にとって取るに足らない剣士という事になってしまう。だが叶わなかった。最後に見た女の目は言っていた。
出直して来いと。
▽▽▽
女は左手の剣でミシューの剣を弾き上げると、右手の剣で斬り上げた。ミシューは左腰辺りから斜め上に胴を斬られた。瞬間、リンは女の背後に回り込む。リンは待っていた、女がミシューを仕留めるその時を。
ミシューの動きは明らかに鈍っていた。胸の傷だ。間違いなく、あの分ではすぐに限界が来る。女がミシューを斬った時、それは最大にして唯一のチャンス。中途半端な位置から仕掛けては駄目だ、また防がれる。完全な死角、背後からの一撃。首はない。当たれば確実だが当て所が狭い。ここはやはり胸か。胸の位置に背後からナイフを突き刺す。
これで駄目ならもう打つ手はない。
自分の腕では次のチャンスは作れない。スケープゴートが効いている、この機は絶対に逃せない。リンは大きく踏み込むと、腰の辺りに構えたナイフを思い切り突き出す。
「ぐっ……!?」
しかし呻いたのはリンの方だった。腹部に強い衝撃。次の瞬間、大きな鈍い音と共に今度は背中に衝撃。
(な……んで……)
床に崩れたリンはもはや身動きが取れなかった。仕掛けた直後、食らったのは右後ろ回し蹴り。そして壁まで弾き飛んだ。あの状況でどうして気付かれたのか、リンには理解出来なかった。完全に死角に入ったと、そう思っていた。
しかしリンはまだ知らない。相手が暗殺者だという事を。
忍び寄るという行為にかけては誰よりも長けている女にしてみれば、リンのそれはまるで素人の真似事レベル、気付かない訳がなかった。トンと蹴り足を床へ下ろし、体勢を整えると同時に女は飛び出した。リンに止めを刺す為、ではなかった。
▽▽▽
血溜まりの中ゆらりと大きく身体を揺らすと、ボマードはとうとう右膝を床に付いた。朦朧としながら、それでも床に立てた剣に掴まり何とか立ち上がろうとする。が、もはやそんな力はなかった様だ。ボマードはそのまま前のめりに床に伏した。当然だろうと、ズマーは思う。どれ程斬った事か。殺さぬように急所を避け、一体どれ程斬り付けたのか。ここまで粘ったのは称賛に値する。
この衛兵が再び立ち上がる事はない。
ズマーはそう判断すると、すぐに視線を衛兵から外した。衛兵が膝を付く直前に聞こえた大きく鈍い音。傭兵か、給仕か、或いはその両方か。とにかく黒ローブの女が二人に何かを仕掛けた音だ。その逆はないだろう、想像が付かない。傭兵はどうでも良いが、仮に給仕が死んでいたとしても、可哀想だがそれは致し方なしと諦めるしかない。ズマーの目は三人が戦っていた場所に向く。
「!?」
瞬間ズマーは反射的に身を捩る。すぐ目の前、女が迫っていた。
バキン!
ズマーはドレッシングルームの扉に背をぶつけた。と同時に感じた衝撃。左脇腹辺りか。バキンと割れる様な音を鳴らしたのは、ズマーの背後の扉。
「ぐっ……うぅ……」
貫かれた。女の剣はズマーの腹を貫き、そのまま背後の扉に突き刺さった。ズマーは昆虫標本の如く扉に貼り付けにされた。襲う激痛に思わず声が漏れる。
(死ぬ程では……だが……)
咄嗟に身を捩ったのが幸いした。どうやら急所は外れた様だ。しかしこれでもう、まともには動けなくなった。ズマーの目の前で、女はゆっくりと視線を上げた。そして苦痛に歪むズマーの顔を見てニタリと笑う。
(何て……悍ましい顔を……)
相変わらず邪悪な空気は纏いつつ、しかし笑った女の顔からは不思議と悪意は感じない。ならば何だ? 嬉しいのか? 楽しいのか? 理由の分からない笑みを向けられる事に、ズマーは酷い不快感を感じた。
悪意に満ちた笑みの方がずっとましだ。
突き刺した右手の剣を思い切り引き抜いた女は、まるで邪魔だとでも言わんばかりにズマーの身体を雑に払い除けた。ドサリと床に倒れたズマーは、何故止めを刺さないのかと不思議に思う。しかしすぐにハッとして女を見上げた。
(待て……待て止めろ……)
どうして止めを刺さないのか。それは女の興味がズマーになかったからだ。剣を突き刺した直後、扉の奥から聞こえた小さな声。その驚いた様な小さな声を、女は聞き逃さなかった。
なに? なんだろ?
この奥、誰かいる。
誰? 誰だろ?
……強いのかな?
客間の扉。そしてこの目の前の扉。どちらもそれを抉じ開けようとした者がいて、それを阻止しようとした者がいた。この奥に何があるのか。或いはいるのか。
女はそれを確かめたかった。
「待……止め……ろ…………」
ズマーは声を絞り出す。しかし女には届かない。
▽▽▽
バキン!
大きな音が鳴った。セムリナは思わず「きゃっ!?」と声を上げた。しかしすぐにその口を両手で押さえる。音の鳴った方、扉を見ると剣の切っ先が突き出ていた。刃は斑に赤い。
「殿下、こちらへ」
すぐさまファイミーはセムリナを部屋の奥へ移動するよう促す。そして壁際のチェストの引き出しをいくつか開け、その中から裁ちバサミを見つけると手に取って、セムリナを守る様に彼女の前に立った。
バギン!!
再び大きな音。バタバタンと勢い良く扉が部屋の中へ倒れこんできた。蹴破られでもしたのだろう。そう思ったファイミーは裁ちバサミを両手で握ると前へ突き出した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
自然と息が荒くなる。手が震える。緊張でどうにかなってしまいそうだ。しかしファイミーはぐっと奥歯を嚙み締め全身に力を入れた。扉を破ったのが敵ならば……いや、敵なのだろう。ならばもう、殿下をお守り出来るのは自分しかいない。
やがてゆらりと揺れる様に、それは現れた。小柄な身体、真っ黒なローブ、両手には剣。そしてそれはすぅ、と顔を上げる。瞬間ファイミーは、そしてセムリナも激しい悪寒を感じた。
邪悪な空気を身に纏ったそれは、少女と見紛うばかりの幼さを感じさせる女だった。
邪悪でいて幼き顔。その落差が余計に恐ろしさを引き立たせる。恐怖に震えながらファイミーは思った。これはまるで小さな死神だと。
◇◇◇
「テムさん!?」
扉の側で倒れていたのは、馬車を守る為に共に戦ったテムだった。
「テムさん! テムさん!!」
駆け寄って呼び掛けると、テムは小さく「うぅ……」と呻いた。生きている。俺はすぐにデンバを呼ぼうと顔を上げる。しかしそれには及ばなかった。俺が呼ぶより早くデンバはテムの側に来て治療を始める。そんな中、バッサムは床に転がる茶色のローブの側に立ってその遺体を見下ろしていた。少し横に、首が転がっている。バッサムはぼそりと呟いた。
「ハッ……良い様だな、ダン」
俺とデンバはバッサムと共に三階を目指していた。守るべき者は三階に、探すべき者、殺すべき者も上へ向かうはずだからだ。だが途中聞こえてきた激しい怒声や剣戟。バッサムは突然走り出した。殺すべき者がそこにいると、そう思ったのだろう。敵は少しでも減らしておきたい。そんな思惑もあり俺達はバッサムの後を追った。そしてこの惨状に出くわしたのだ。
(ここで一体何が……)
俺は廊下を見回した。何があったのか。それは分かる、戦闘だ。命のやり取りが行われた、その熱気が残っている。しかし反面、ぞくっとする様な冷たい空気も漂っている気がした。熱気と冷気が混在する異様な場。そんな中に倒れていたテム。そして衛兵と二人の騎士はすでに息をしていなかった。首なしの茶色のローブは言わずもがな……
デンバの治療が続く中、程なくしてテムは僅かに目を開けた。そして「テムさん!」呼び掛ける俺の姿を見ると、ぐっと目を見開き俺の腕を掴んだ。
「魔導……殿……中に……セム……リ……」
「分かった、テムさん」
部屋の中にセムリナがいる。だから頼むと、そう伝えたいのだろう。俺は治療をデンバに任せ部屋に飛び込んだ。
(これは……)
部屋の中も廊下と同じで、おかしな空気に包まれている感じがした。床に転がるのは胸から血を流した茶色のローブ。奥の床にも一人。それと……
「リン!?」
背後から声を上げたのはバッサムだった。バッサムは壁際に倒れている給仕の女に駆け寄る。
(あの人あんな名前だったっけ……てか知り合いか?)
バッサムに抱きかえられたリンは「ゴホッ……」と咳をしながら血を吐いた。と同時に意識を取り戻した様だ。「おいリン!」と呼び掛けるバッサムに「奥に……早……く」と指を差しながら声を絞り出す。バッサムは「何があった! シャーベルか!」などと状況を確認しようとしている。俺は給仕が指差した先を見た。
給仕が指を差したのは部屋の奥。破られた扉が床に倒れているのが見える。中に、何かいる。勿論ここから見えている訳ではない。だが分かる。感じる。敵味方が等しく倒れているこの異様な場。誰がやったのか。傭兵の仲間でもいるのか? 違う。
(…………)
コツ……と一歩踏み出し、破られた扉の奥へ向かう。廊下の惨状を見た時から分かっていた。誰がこれをやったのか。その答えが何となく分かっていた。
多分そうなのだろうと。
◇◇◇
女は肩透かしを食らった気分だった。期待外れ、拍子抜けも良い所だ。一体何が待っているのかと、胸を躍らせながら部屋に入った。しかし中にいたのは二人の女。これが一体何だと?
何て事はない、これはただの人だ。
何とつまらない結末か。女はがっかりし、どう始末を付けようかと考える。ハサミを手にした女は、そのハサミをこちらに向けながら震えている。後ろにいる女は、ただその場で震えている。
本当につまらない。
女は剣の切っ先を二人に向けた。後は軽く踏み込んで、すっと薙ぐだけで……
「メチル!!」
女はその声にびくりとした。突然背後から聞こえた声。その声を聞いた途端、ブワッと女の頭の中の靄が濃くなった。
なに……? 誰!?
今の声、あたしは聞いた事がある。
いや、あたしは聞いた事はない。
メチル? 誰……?
あたしはメチルを知っている。
いや、あたしはメチルなんて……知らない……知らない……!
女は恐る恐る、振り返る。
▽▽▽
壁一面に備え付けられたクローゼット。そのいくつかが開いており、中にはずらりとドレスが掛けられている。ここは衣装部屋の様だ。
右手奥、壁際にはセムリナが、彼女の前には何やら刃物らしき物を持った給仕が立っていた。名前は……分からない。だが顔は知っている。二人は全く俺に気付いていない。目の前にいるそれに剣を向けられ、恐ろしくて周りを見る余裕などないのだろう。そして意外な事に、それも俺という存在には気付いていない様だ。
(やっぱり……)
残念ながら、俺の予想は当たってしまった。いくら服装が違っても、例え後ろ姿であっても、俺が彼女を見間違えるはずがない。
「メチル!!」
名を呼ぶと、黒ローブはびくりと身体を揺らした。そして静かにこちらを向く。
(なんて顔を……)
何と形容したら良いのか。
会いたくない人に会ってしまった。
見られたくない所を見られてしまった。
驚き、困惑、混乱、恐怖……
様々な感情が混じり合った、メチルはそんな何とも言えない顔をしていた。
「久し振りだな……メチル」
「あ……」
「こんな所で何を?」
「あ……ああ……」
「教えてくれ、話をしよう」
「ああ……あ……あああ……」
「剣を置いて、それじゃ話も何も……」
「ああああああァァァァ!!!!」
突如メチルは叫んだ。セムリナと給仕は驚いて、腰を抜かす様にその場にしゃがみ込む。「メチル!!」と再び名を呼ぶが、しかしメチルはドンと強く踏み込むとこちらに向かって加速した。
(!?)
俺は腰の魔喰いに手を掛ける。魔法は駄目だ、後ろの二人を巻き添えにしてまう。だが……
(斬れるのか……俺に……!)
隠術や短剣術を教えてくれたメチルを、共に戦った仲間であるメチルを、俺より剣の扱いに長けているメチルを……
心情的にも、技量的にも、俺にメチルを……斬れるのか?
もう間合いに入る、決断の時だ。俺は意を決して魔喰いを抜こうと力を入れる。しかし瞬間、メチルは両手の剣をその場に放った。そして俺の横を猛スピードで駆け抜ける。
(クッ……!)
咄嗟に手を伸ばしたが、捕まえられるはずがない。メチルはそのまま部屋を出た。
「メチル!」
部屋の外から声がした。デンバの声だ。直後、ガシャンと何かが割れる音。俺はメチルを追って衣装部屋を出た。
「デンバ! メチルは!」
部屋の真ん中の窓、その傍らに立つデンバは窓の外を見つめていた。「メチルはどこに!」と問い掛けると、デンバは静かに「外へ逃げた」と呟いた。見ると窓が大きく割れている。俺は窓に駆け寄り外を見た。
「追おう、デンバ!」
しかしデンバは「無理だろう」と首を振る。窓の外、眼下には相変わらず大勢の避難者達が右往左往している様子が見えた。確かにこの人混みの中、そして未だ混乱する街の中からメチルを探し出すのは困難かも知れない。
「でも……!」
「無事が確認出来た。今はそれで充分だ」
デンバはグッと拳を強く握りしめながらそう言った。その様子を見てデンバも俺と同じだったのだろうと、そう思った。きっと俺と同じ様に手を伸ばしたのだ。だが届かなかった。
上に下に、巧みに剣を振るうミシュー。振る程にその剣は鋭さを増してゆく。怒りに任せた粗暴な剣は鳴りを潜めた。勿論怒りは消えていない。だがそれに囚われる事なく、素直に剣を振れている。
素直に、敵を斬り伏せる為だけに。
ミシューは自身の剣に変化を感じていた。怒りや憎しみ、そういった感情は持ったまま、しかし剣とは切り離す。不思議な感覚だったが悪くなかった。そして今のこの状態は、あのメイドと話をしたからだろうと思った。きっと良い感じに毒気が抜けたのだ。
(しかし……ナイフ一本で良くやる……)
ミシューは黒ローブの女を攻撃しながら視界の端でリンを見ていた。小さなナイフ一本で女を牽制し、隙を探して蜂の一刺しを狙っている。決して手練れとまでは言わないが、充分過ぎる程に良く立ち回っているリンを、ミシューは認め始めていた。
「メイドぉ! 上手く合わせろ!」
攻撃を防がれた直後、ミシューは女と距離を取る。そしてリンに向かって叫んだ。あの化け物相手にここまでやれるのならば問題ない。さすがにダンとは比べられないが、急場凌ぎの相棒としては及第点だ。が、ミシューの思惑は外れた。
「るっさいクソ傭兵!! 臭い口開けんな!!」
「な……!?」
リンの返答にミシューは絶句した。何て言い草か。ここは協力する場面だろうが。しかしリンは早々にミシューを見限り、まるで当てになどしていなかった。
この男は教会には来なかった。なので厳密に言えば仇ではない。だがシャーベルだ。シャーベルは仇であり敵だ。そしてこの黒ローブの女も敵だ。恐らくはシャーベル以上の強大な敵だ。敵の敵は味方になり得る。そう思い嫌々ながらも歩み寄った。共闘しようと持ち掛けた。しかしその返答は茶でも煎れてろ、だった。リンは思う。やっぱりこいつも敵だと。
「てめぇ……クソメイド!! てめぇはこのガキの後にブッ殺す!!」
「ハンッ! やってみろ死に損ないの臭傭兵!!」
「臭かねぇ!! この絶壁メイドがァ!!」
「絶ぺ…………テメ誰が絶壁かぁぁぁ!!」
手で胸を押えながらリンは怒鳴った。斯くして共闘は成らず。二人は罵り合いながら、それぞれてんでばらばらに攻撃する。が、或いはこれで良かったのかも知れない。本来相容れない者同士、連携など出来ようはずもない。
(にしてもこのガキは……バケモンかよ……)
ミシューは改めて思った。それは驚きを超え、もはや感心の域に入っている。何せ右手の剣でリンの、左手の剣で自分の攻撃を事もなげに捌いているのだ。これがどれ程凄い事か。まるで右手と左手それぞれに頭脳があり、各々が独自で考え動いているかの様だった。こんな芸当、果たしてナイシスタに出来るだろうか。
(コイツぁ……隊長よりも……)
ナッカなども自分と同じ口だ。ナイシスタに捩じ伏せられ、いつしか従う様になった。今ではすっかりあの女の子分だ。連中にはすでにそんな気はない様だが、自分は違う。ミシューはいつか再びナイシスタに挑もうと考えていた。負けたままではいられない。だが今日、自分を打ち負かした唯一の存在であるナイシスタを超える強者が現れた。ナイシスタに敗れた自分が、ナイシスタを超える者を斬り伏せられるのか。
(せっかく……良い感じだったんだが……)
感情のままに剣を振るっては駄目だ。剣を振るう際の心の置所が何となく分かった。余計な力が抜け、ムラがなくなった様に思う。しかし麻酔の役割を果たしていた怒りを押し込めた事で、廊下で受けた胸の傷が疼き出した。振るう剣の筋が鈍り出す。
ガチン!
振り下ろした剣は上に弾かれた。ミシューは無防備にその胴を晒す。瞬間、女と目が合った。
(チ……結局その面のままかよ……)
ミシューは自分の剣で無表情な女の顔を変えてやろうと考えていた。ついさっき廊下で殺り合った時の、あの不気味で無邪気な笑顔にだ。つまらなそうなその顔のままで幕を引かれては、自分はこの女にとって取るに足らない剣士という事になってしまう。だが叶わなかった。最後に見た女の目は言っていた。
出直して来いと。
▽▽▽
女は左手の剣でミシューの剣を弾き上げると、右手の剣で斬り上げた。ミシューは左腰辺りから斜め上に胴を斬られた。瞬間、リンは女の背後に回り込む。リンは待っていた、女がミシューを仕留めるその時を。
ミシューの動きは明らかに鈍っていた。胸の傷だ。間違いなく、あの分ではすぐに限界が来る。女がミシューを斬った時、それは最大にして唯一のチャンス。中途半端な位置から仕掛けては駄目だ、また防がれる。完全な死角、背後からの一撃。首はない。当たれば確実だが当て所が狭い。ここはやはり胸か。胸の位置に背後からナイフを突き刺す。
これで駄目ならもう打つ手はない。
自分の腕では次のチャンスは作れない。スケープゴートが効いている、この機は絶対に逃せない。リンは大きく踏み込むと、腰の辺りに構えたナイフを思い切り突き出す。
「ぐっ……!?」
しかし呻いたのはリンの方だった。腹部に強い衝撃。次の瞬間、大きな鈍い音と共に今度は背中に衝撃。
(な……んで……)
床に崩れたリンはもはや身動きが取れなかった。仕掛けた直後、食らったのは右後ろ回し蹴り。そして壁まで弾き飛んだ。あの状況でどうして気付かれたのか、リンには理解出来なかった。完全に死角に入ったと、そう思っていた。
しかしリンはまだ知らない。相手が暗殺者だという事を。
忍び寄るという行為にかけては誰よりも長けている女にしてみれば、リンのそれはまるで素人の真似事レベル、気付かない訳がなかった。トンと蹴り足を床へ下ろし、体勢を整えると同時に女は飛び出した。リンに止めを刺す為、ではなかった。
▽▽▽
血溜まりの中ゆらりと大きく身体を揺らすと、ボマードはとうとう右膝を床に付いた。朦朧としながら、それでも床に立てた剣に掴まり何とか立ち上がろうとする。が、もはやそんな力はなかった様だ。ボマードはそのまま前のめりに床に伏した。当然だろうと、ズマーは思う。どれ程斬った事か。殺さぬように急所を避け、一体どれ程斬り付けたのか。ここまで粘ったのは称賛に値する。
この衛兵が再び立ち上がる事はない。
ズマーはそう判断すると、すぐに視線を衛兵から外した。衛兵が膝を付く直前に聞こえた大きく鈍い音。傭兵か、給仕か、或いはその両方か。とにかく黒ローブの女が二人に何かを仕掛けた音だ。その逆はないだろう、想像が付かない。傭兵はどうでも良いが、仮に給仕が死んでいたとしても、可哀想だがそれは致し方なしと諦めるしかない。ズマーの目は三人が戦っていた場所に向く。
「!?」
瞬間ズマーは反射的に身を捩る。すぐ目の前、女が迫っていた。
バキン!
ズマーはドレッシングルームの扉に背をぶつけた。と同時に感じた衝撃。左脇腹辺りか。バキンと割れる様な音を鳴らしたのは、ズマーの背後の扉。
「ぐっ……うぅ……」
貫かれた。女の剣はズマーの腹を貫き、そのまま背後の扉に突き刺さった。ズマーは昆虫標本の如く扉に貼り付けにされた。襲う激痛に思わず声が漏れる。
(死ぬ程では……だが……)
咄嗟に身を捩ったのが幸いした。どうやら急所は外れた様だ。しかしこれでもう、まともには動けなくなった。ズマーの目の前で、女はゆっくりと視線を上げた。そして苦痛に歪むズマーの顔を見てニタリと笑う。
(何て……悍ましい顔を……)
相変わらず邪悪な空気は纏いつつ、しかし笑った女の顔からは不思議と悪意は感じない。ならば何だ? 嬉しいのか? 楽しいのか? 理由の分からない笑みを向けられる事に、ズマーは酷い不快感を感じた。
悪意に満ちた笑みの方がずっとましだ。
突き刺した右手の剣を思い切り引き抜いた女は、まるで邪魔だとでも言わんばかりにズマーの身体を雑に払い除けた。ドサリと床に倒れたズマーは、何故止めを刺さないのかと不思議に思う。しかしすぐにハッとして女を見上げた。
(待て……待て止めろ……)
どうして止めを刺さないのか。それは女の興味がズマーになかったからだ。剣を突き刺した直後、扉の奥から聞こえた小さな声。その驚いた様な小さな声を、女は聞き逃さなかった。
なに? なんだろ?
この奥、誰かいる。
誰? 誰だろ?
……強いのかな?
客間の扉。そしてこの目の前の扉。どちらもそれを抉じ開けようとした者がいて、それを阻止しようとした者がいた。この奥に何があるのか。或いはいるのか。
女はそれを確かめたかった。
「待……止め……ろ…………」
ズマーは声を絞り出す。しかし女には届かない。
▽▽▽
バキン!
大きな音が鳴った。セムリナは思わず「きゃっ!?」と声を上げた。しかしすぐにその口を両手で押さえる。音の鳴った方、扉を見ると剣の切っ先が突き出ていた。刃は斑に赤い。
「殿下、こちらへ」
すぐさまファイミーはセムリナを部屋の奥へ移動するよう促す。そして壁際のチェストの引き出しをいくつか開け、その中から裁ちバサミを見つけると手に取って、セムリナを守る様に彼女の前に立った。
バギン!!
再び大きな音。バタバタンと勢い良く扉が部屋の中へ倒れこんできた。蹴破られでもしたのだろう。そう思ったファイミーは裁ちバサミを両手で握ると前へ突き出した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
自然と息が荒くなる。手が震える。緊張でどうにかなってしまいそうだ。しかしファイミーはぐっと奥歯を嚙み締め全身に力を入れた。扉を破ったのが敵ならば……いや、敵なのだろう。ならばもう、殿下をお守り出来るのは自分しかいない。
やがてゆらりと揺れる様に、それは現れた。小柄な身体、真っ黒なローブ、両手には剣。そしてそれはすぅ、と顔を上げる。瞬間ファイミーは、そしてセムリナも激しい悪寒を感じた。
邪悪な空気を身に纏ったそれは、少女と見紛うばかりの幼さを感じさせる女だった。
邪悪でいて幼き顔。その落差が余計に恐ろしさを引き立たせる。恐怖に震えながらファイミーは思った。これはまるで小さな死神だと。
◇◇◇
「テムさん!?」
扉の側で倒れていたのは、馬車を守る為に共に戦ったテムだった。
「テムさん! テムさん!!」
駆け寄って呼び掛けると、テムは小さく「うぅ……」と呻いた。生きている。俺はすぐにデンバを呼ぼうと顔を上げる。しかしそれには及ばなかった。俺が呼ぶより早くデンバはテムの側に来て治療を始める。そんな中、バッサムは床に転がる茶色のローブの側に立ってその遺体を見下ろしていた。少し横に、首が転がっている。バッサムはぼそりと呟いた。
「ハッ……良い様だな、ダン」
俺とデンバはバッサムと共に三階を目指していた。守るべき者は三階に、探すべき者、殺すべき者も上へ向かうはずだからだ。だが途中聞こえてきた激しい怒声や剣戟。バッサムは突然走り出した。殺すべき者がそこにいると、そう思ったのだろう。敵は少しでも減らしておきたい。そんな思惑もあり俺達はバッサムの後を追った。そしてこの惨状に出くわしたのだ。
(ここで一体何が……)
俺は廊下を見回した。何があったのか。それは分かる、戦闘だ。命のやり取りが行われた、その熱気が残っている。しかし反面、ぞくっとする様な冷たい空気も漂っている気がした。熱気と冷気が混在する異様な場。そんな中に倒れていたテム。そして衛兵と二人の騎士はすでに息をしていなかった。首なしの茶色のローブは言わずもがな……
デンバの治療が続く中、程なくしてテムは僅かに目を開けた。そして「テムさん!」呼び掛ける俺の姿を見ると、ぐっと目を見開き俺の腕を掴んだ。
「魔導……殿……中に……セム……リ……」
「分かった、テムさん」
部屋の中にセムリナがいる。だから頼むと、そう伝えたいのだろう。俺は治療をデンバに任せ部屋に飛び込んだ。
(これは……)
部屋の中も廊下と同じで、おかしな空気に包まれている感じがした。床に転がるのは胸から血を流した茶色のローブ。奥の床にも一人。それと……
「リン!?」
背後から声を上げたのはバッサムだった。バッサムは壁際に倒れている給仕の女に駆け寄る。
(あの人あんな名前だったっけ……てか知り合いか?)
バッサムに抱きかえられたリンは「ゴホッ……」と咳をしながら血を吐いた。と同時に意識を取り戻した様だ。「おいリン!」と呼び掛けるバッサムに「奥に……早……く」と指を差しながら声を絞り出す。バッサムは「何があった! シャーベルか!」などと状況を確認しようとしている。俺は給仕が指差した先を見た。
給仕が指を差したのは部屋の奥。破られた扉が床に倒れているのが見える。中に、何かいる。勿論ここから見えている訳ではない。だが分かる。感じる。敵味方が等しく倒れているこの異様な場。誰がやったのか。傭兵の仲間でもいるのか? 違う。
(…………)
コツ……と一歩踏み出し、破られた扉の奥へ向かう。廊下の惨状を見た時から分かっていた。誰がこれをやったのか。その答えが何となく分かっていた。
多分そうなのだろうと。
◇◇◇
女は肩透かしを食らった気分だった。期待外れ、拍子抜けも良い所だ。一体何が待っているのかと、胸を躍らせながら部屋に入った。しかし中にいたのは二人の女。これが一体何だと?
何て事はない、これはただの人だ。
何とつまらない結末か。女はがっかりし、どう始末を付けようかと考える。ハサミを手にした女は、そのハサミをこちらに向けながら震えている。後ろにいる女は、ただその場で震えている。
本当につまらない。
女は剣の切っ先を二人に向けた。後は軽く踏み込んで、すっと薙ぐだけで……
「メチル!!」
女はその声にびくりとした。突然背後から聞こえた声。その声を聞いた途端、ブワッと女の頭の中の靄が濃くなった。
なに……? 誰!?
今の声、あたしは聞いた事がある。
いや、あたしは聞いた事はない。
メチル? 誰……?
あたしはメチルを知っている。
いや、あたしはメチルなんて……知らない……知らない……!
女は恐る恐る、振り返る。
▽▽▽
壁一面に備え付けられたクローゼット。そのいくつかが開いており、中にはずらりとドレスが掛けられている。ここは衣装部屋の様だ。
右手奥、壁際にはセムリナが、彼女の前には何やら刃物らしき物を持った給仕が立っていた。名前は……分からない。だが顔は知っている。二人は全く俺に気付いていない。目の前にいるそれに剣を向けられ、恐ろしくて周りを見る余裕などないのだろう。そして意外な事に、それも俺という存在には気付いていない様だ。
(やっぱり……)
残念ながら、俺の予想は当たってしまった。いくら服装が違っても、例え後ろ姿であっても、俺が彼女を見間違えるはずがない。
「メチル!!」
名を呼ぶと、黒ローブはびくりと身体を揺らした。そして静かにこちらを向く。
(なんて顔を……)
何と形容したら良いのか。
会いたくない人に会ってしまった。
見られたくない所を見られてしまった。
驚き、困惑、混乱、恐怖……
様々な感情が混じり合った、メチルはそんな何とも言えない顔をしていた。
「久し振りだな……メチル」
「あ……」
「こんな所で何を?」
「あ……ああ……」
「教えてくれ、話をしよう」
「ああ……あ……あああ……」
「剣を置いて、それじゃ話も何も……」
「ああああああァァァァ!!!!」
突如メチルは叫んだ。セムリナと給仕は驚いて、腰を抜かす様にその場にしゃがみ込む。「メチル!!」と再び名を呼ぶが、しかしメチルはドンと強く踏み込むとこちらに向かって加速した。
(!?)
俺は腰の魔喰いに手を掛ける。魔法は駄目だ、後ろの二人を巻き添えにしてまう。だが……
(斬れるのか……俺に……!)
隠術や短剣術を教えてくれたメチルを、共に戦った仲間であるメチルを、俺より剣の扱いに長けているメチルを……
心情的にも、技量的にも、俺にメチルを……斬れるのか?
もう間合いに入る、決断の時だ。俺は意を決して魔喰いを抜こうと力を入れる。しかし瞬間、メチルは両手の剣をその場に放った。そして俺の横を猛スピードで駆け抜ける。
(クッ……!)
咄嗟に手を伸ばしたが、捕まえられるはずがない。メチルはそのまま部屋を出た。
「メチル!」
部屋の外から声がした。デンバの声だ。直後、ガシャンと何かが割れる音。俺はメチルを追って衣装部屋を出た。
「デンバ! メチルは!」
部屋の真ん中の窓、その傍らに立つデンバは窓の外を見つめていた。「メチルはどこに!」と問い掛けると、デンバは静かに「外へ逃げた」と呟いた。見ると窓が大きく割れている。俺は窓に駆け寄り外を見た。
「追おう、デンバ!」
しかしデンバは「無理だろう」と首を振る。窓の外、眼下には相変わらず大勢の避難者達が右往左往している様子が見えた。確かにこの人混みの中、そして未だ混乱する街の中からメチルを探し出すのは困難かも知れない。
「でも……!」
「無事が確認出来た。今はそれで充分だ」
デンバはグッと拳を強く握りしめながらそう言った。その様子を見てデンバも俺と同じだったのだろうと、そう思った。きっと俺と同じ様に手を伸ばしたのだ。だが届かなかった。
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