流浪の魔導師

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4章 ドワーフの兵器編 第2部 刺客乱舞

282. 抱えている物

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 ズマーとリンは身構えた。この黒ローブの女は敵だと、勿論もちろんそう判断したからだ。しかし本当の所はそれ以前に、女から強烈に漂ってくる邪悪な空気に当てられたからだった。身構えたのではなく、身構えさせられたのだ。

(…………クッ!)

 ズマーのほおに汗が伝う。冷たい汗だ。音もなく現れ、衛兵の首を裂いた女。ただそこに立っているだけだというのに、どうしてこんなにもプレッシャーを感じるのか。一目で分かる、自分よりも遥か上の存在だと。どう足掻あがいても太刀打ちなんて出来そうにない。

(何コイツ…………何なんだよぉ!?)

 ズマーがなかば絶望を感じ始めたその時、リンもまた女に恐怖し混乱していた。かつて一度だけ任務中に遭遇した事がある魔獣。人あらざる、そして人を凌駕りょうがする力を持つまさに厄災とも言えるその存在に、リンをはじめ同僚達は一歩も動く事が出来ず、こんな所で出くわしてしまった己の不運をただ嘆くばかりだった。

 リンにはこの女が、決してあらがう事の出来ないわざわい振りくあの時の魔獣のたぐいに思えた。

 あの時出くわした鹿の姿の魔獣は、人などに興味を持っていなかったのかしばしこちらをジッと見たのち何処いずこかに姿を消した。だが今回はあの時の様には行きそうにない。女は不気味な笑みを浮かべながらこちらを見ている。興味がない、という様子ではない。

(コイツ……動かねぇ……なら!)

 迂闊うかつには動けない。動こうものならばくりと一飲みにされてしまうのではないか。そう警戒して女と対峙するズマーとリン。しかしボマードは違った。睨み合う彼らを無視して部屋の奥、ドレッシングルームの扉へと走った。

(な……!?)

 走り出したボマードにズマーは驚いた。どうしてこの状況で動けるのかと。それはボマードが己の目的に強く執着しているからであり、尚且なおかつ程良く鈍感であったがゆえだった。女の放つ邪悪な空気にも平気でいられる鈍感さ。

(えぇい……!)

 ズマーはすぐに動いた。動かざるを得なかった。捨て置く訳にはいかない、例えここで女に仕掛けられたとしてもだ。ズマーはボマードに追い付くとその背後に向け鋭い突きを放つ。

「うおっ!?」

 いくら鈍感と言えどさすがに自身に向けられる刃には気付いた様だ。ボマードは咄嗟とっさに床を転がる様にズマーの突きをかわす。その隙にドレッシングルームの扉の前に移動したズマーは、剣の切っ先を床に這いつくばるボマードへ向ける。
 王家の血は何よりも重くとうとい。自分はその一つを守る者であると、ズマーはそう自負している。だと言うのに街中でのあの失態……オークにやられ身動きが取れなくなった。その間にあろう事か、守るべきあるじの乗る馬車を攻撃された。

 二度はない。

 あるじを危険にさらす様な事など、二度とあってはならない。衛兵だろうが黒ローブだろうが、あるじに刃を向ける者あらば、この身を棄ててでも守り抜く。ズマーが抱えている物。それはセムリナに対する絶対的な忠義心だ。

(え!? え、ちょっとぉ!!)

 しかしこれに焦ったのはリンだ。ズマーが側から離れ、女の前には自分一人。

(うぅ……分かるけど……いや分かるけどもぉ!!)

 最優先されるのはセムリナの身の安全。そこは揺るがない。セムリナの側近ともなれば一も二もなく動くのは当然だ。だがこの得体の知れない恐ろしい者の前に、一人取り残されてしまったリンにしてみればたまったのもではない。

(くそ……くっそ……!!)

 衛兵だけだったらどうとでも出来るのに。そんな恨み言をグッと飲み込みリンはナイフを構え続ける。本音を言えば今すぐ逃げ出したい。こんな所で死にたくはない。だが例えわずかばかりであれ、この場にいては自分は戦力の一つであるとリンはそう自覚していた。逃げ出す訳にはいかない。だが心と身体は正直だった。右手に持ったナイフ、切っ先が震えている。リンは両手で強くナイフを握った。もう、やるしかない。

「ズマーさん! その衛兵殺さないで!」

 この騒動で全てが終わる。給仕としての潜入生活も、父と慕っていた者のあだ討ちも。だが全てが良い方向に向かって終わるとは限らない。少しでも良い結末を迎える為にも、ボマードら造反組の軍人は生かして捕らえなければならない。人知れず自分が王子の身を守っていたのだと、自分が王子を守っていたのだと、そう弁明する必要がある。

 ボマードを殺すなとズマーに伝えると、リンはふぅっと強く息を吐く。そして改めて、自分が抱えている物の大きさを理解した。それは仲間達の命そのもの。絶対に死ねない。その上で上手くやる。覚悟を決めた。


「てめぇメスガキィィィ!!」


 と、突如客間に大きな声が響き渡る。皆の目が扉に向いた。そこには左手で胸を押さえ、右手の剣を女に向ける者の姿。すぅと女の顔から笑みが消えた。

「止めも刺さずに次の獲物ォ物色たぁ……ナメ腐ってんじゃねぇぞゴラァァァ!!」

 鬼の形相で怒鳴りを上げるミシュー。痛みはある。血も流れている。当然だ、斬られたのだ。だが斬られた痛みよりも、戦いの最中さなかに捨て置かれた事実の方が遥かに痛く、そしてその事実は途轍とてつもなく重い。この状況を前にしてミシューは、自身の目的はおろかダンのとむらいに至るまで、他のあらゆる事が些事さじに思えてしまっていた。

 屈辱にまみれたまま寝てなどいられるものか。ミシューはただただ剣士としての矜持きょうじ、それだけを抱えてこの場に立っている。

(コイツ……シャーベルの!)

 その顔を見てリンはすぐにミシューの正体に気付いた。そしてこの女にじ伏せられたのだと理解する。胸の傷とその怒りっぷりが何よりの証拠だ。

(コイツを……巻き込んだ方が得策かな……)

 シャーベルは敵である。絶対的な敵だ。本来手を組むなんてあり得ない。だがそれ以上にヤバい存在が目の前にいる。ならば共闘という選択肢もありか……などと、リンはこの場を何とか切り抜けるべく思案を巡らせる。

「ウォラァァァァ!!」

 しかしリンの考えがまとまる前に、怒りのミシューは一直線に女へ向かって斬り掛かった。

(え、ちょ……早っ!?)

 リンは慌ててミシューの攻撃に合わせようと試みる。振り下ろされるミシューの剣。女の視線はミシューに向けられている。リンは大きく一歩踏み出すと、女の首目掛けてナイフを滑らせた。

 ガチン!

 女は左手の剣でミシューの攻撃を受ける。リンの目には、女の注意は完全にミシューに向いている様に見えた。ったと、リンはそう確信する。

(…………え!?)

 しかし直後、握ったナイフからカチンと衝撃が伝わった。何が起きたか把握する頃には、リンは体勢を大きく崩されていた。女は右手の剣でリンのナイフをいなしたのだ。

(今……見てなかったじゃんこっち!?)

 小さなナイフの刃を視線すら送らずさばくなど尋常ではない。リンは改めて、とんでもない化け物と相対しているのだと思い背筋が冷たくなった。

「メイドてめぇ! 邪魔すんなァ!!」

 そう怒鳴るとミシューはすかさず二の太刀を浴びせる。しかしそれも防がれると一旦女と距離を取った。邪魔をするなと怒鳴られたリン。カチンときた。

「誰が邪魔か! アンタ一人じゃ無理だろうから手伝ってやろうって言ってんの!」

「てめぇ一人増えたから何だってんだ! メイドは茶ァでもれてろ!」

「その傷この黒ローブにやられたんだろ! 死に損ないが偉そうに言うな!」

 女を挟んでの言い争い。とても戦闘中とは思えない。「てめぇ!!」とリンに凄むミシュー。しかしすぐに何かに気付く。

「…………おいメイド……どっかで見た顔だな」

 ドキンとするリン。情報担当のリンは報告等で度々たびたびブロン・ダ・バセルの本拠地であるガルー・ベッラを訪れている。そしてそこで確かに、ミシューをはじめシャーベルの連中とは顔を合わせていた。とは言えそれは精々廊下ですれ違った事があるという程度であり、まさかミシューが自分の顔を覚えていようとは夢にも思っていなかった。

「は、はぁ!? なな何言っちゃってんの! アンタなんて知らないし! てか知る訳ないし! こっち見んな!!」

 慌てながらまくし立てるリン。しかしミシューは「い~や、初めてじゃねぇぞ……どこだ……?」と疑いの目でリンを睨む。リンはたまらず「あ~! うっさいうっさい!」と声を上げた。

「そんな事言ってる場合か! 手ぇ貸してやるって言ってんだからちょっとはありがたがれ!!」

「だからそれが邪魔だっつってんだ!!」

 そう怒鳴るとミシューは女に斬り掛かる。リンもまた「知るか! 勝手にやる!!」と声を張り上げ戦闘に参加する。


 □□□


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 呼吸は浅く、そして早い。普通ならとうに限界を迎えているだろう。そんな姿を見てズマーは思った。良く立っていられるものだと。どう見ても満身創痍まんしんそうい。装備のあらゆる隙間を狙い斬って、突いた。血に染まった衛兵はそれでも立っている。

 ドレッシングルームの扉の前ではズマーとボマードが戦っていた。戦闘は終始ズマーのペースで進む。技量ではズマーの方が上だった。ボマードはただ一方的にやられるだけで、もっと言えば本来ならとっくに勝負はついているはずだった。

 何故なぜボマードはそれでも立っていられるのか。理由は二つ。一つはズマーがボマードを殺さず無力化しようと考えていたからだ。

 この衛兵の目的は明らかだ。ドレッシングルームにいるセムリナ様、それ以外にはない。では何故なぜ一介いっかいの衛兵が他国の王女を狙うのか。恐らくその裏には何か大きな陰謀があると、ズマーはそう推測した。

 そして給仕の女の言葉。その衛兵を殺すな。

 あの給仕は何かを知っている。恐らくは陰謀に関する何か。あるいは陰謀そのものか……ならばなおの事この衛兵は殺せない。捕らえて全てを吐かせる必要がある。そう判断しズマーはボマードの戦意をくじくべく、その身体を細かく斬り付け続けていた。

 だがボマードは倒れない。全身には激しい痛みが襲っているだろう。出血の多さからいつ気を失ってもおかしくはないはずだ。ズマーには理解が出来なかった。何故なぜ倒れない?

 理由の二つ目。それはボマードの目的に対する強過ぎる執着。その執着には勿論もちろん理由がある。敬慕けいぼの念を抱くナルフの力になる為だ。

 ダグべ軍第二軍団隷下れいかにある第七独立歩兵大隊。彼らの主な任務はダグべ北部地域の治安維持である。
 北部には深い森や山岳など未開の地が多く、例えば大型のけものや賊の潜伏先、魔獣の出現など潜在的な危険が発生しやすい地域と言える。ハンディルが活動していないこの大陸北方では、それら脅威の排除は当然ながらその全てを軍がになう事となる。

 取り分け第七独立歩兵大隊は魔獣討伐にけていた。

 厄災とも言える凶悪な力を持つ魔獣。大隊長ナルフ・サーベン指揮のもと、彼らはその恐るべき相手が街や村に近付かぬよう、必要ならば身を犠牲にしてでも徹底的にじ伏せる。そうやってダグべ北部の平和は保たれていた。そして彼らの英雄的な活躍に若い軍人達が胸を熱くするのは自然な事であり、ボマードもまた独立大隊と彼らを率いる大隊長ナルフ・サーベンに対し強い憧れを持っていた。

 そんな中、軍内部にとある噂が流れ始める。ナルフは軍の待遇に不満を持っており、実はすでに他国へ亡命し賛同者をつのっている、との噂だ。軍上層部は噂の揉み消しに躍起やっきになる。そんな事実はない、デタラメだと。
 だが上層部の働き掛けは徒労とろうに終わる。ナルフを英雄視し彼に心酔する若い軍人達は、夜な夜な密かに集まるとナルフにならって軍への不満を並べ立て始める。そして彼らがナルフ同様、他国での大成たいせいを望む様になるのにさして時間は掛からなかった。
 その内に彼らはナルフとコンタクトを取っている軍の内通者と知り合う。内通者を通して届けられるナルフからの言葉。

 自分は今イオンザにいる。くわだてが成功したらイオンザに来い、私が全員の面倒を見る。良い生活が送れるぞ、君達の働きに大いに期待している。などと……

 ナルフは若い兵達からの人気を自覚していた。そして彼らが自分と同じ様な不満を持っている事も知っている。ナルフは彼らの不満に火をべ欲の炎を大きく燃え上がらせた。そうしてナルフはダグべ軍内部に手足を手に入れたのだ。

 そして彼らと同様、ボマードもまたその手足の一つだった。今よりも良い生活、良い未来が待っている。それは何よりな事。だがそんな事よりも、あのナルフ・サーベンに期待されているのだ。参加しないという選択肢などあるはずがない。

 ナルフが彼らにたくした企て。それはジェスタルゲインの殺害だ。

(邪魔な奴は……全員……始末を……)

 気を抜くと意識が飛びそうになる。もはやボマードには他の事を考える余裕などなかった。

 尊敬するナルフの為に。

 抱えている想いはそれだけ。邪魔者は全員殺し、何としてでもイオンザの王女を。そしてそれを盾に第二王子を……それしか頭になかった。


 □□□


「だからそれが邪魔だっつってんだ!!」
「知るか! 勝手にやる!!」

 ズマーはチラリと声のした方に目をやる。給仕の女と傭兵と思われる男が、怒鳴り合いながら黒ローブの女に仕掛けた。ズマーは二人が共闘している事に少し驚いたが、それだけあの黒ローブという存在は、誰にとっても予期せぬ厄介者なのだろうと、そう納得した。

 目的。思惑。信念。それぞれに抱えている物が違う。そんな者同士が複雑に交わりながら、客間の攻防が続く。
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