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第4章 俺、ご主人様
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「話を戻しますが・・・・・・今回の飄鬼襲撃に私達(・・)の助けが間に合ったのは偶然に過ぎないというという事です。しかも、手傷を負わせてしまった事により飄鬼の恨みを買ったとみて間違いないでしょう」
「腕を一本焼いてやったし、余波で結構な火傷を負っていたしな。かなり恨んでいるだろう。逃げ際にすごい捨て台詞も言っていたから、間違いなく襲って来るな」
「や、焼いた?」
「一番の標的は腕を焼いてやった私のようだが、二番手は少年だな。必ず貰いに来ると言っていた。モテる少年は辛いな?」
「・・・・・・・・そんなヤツにモテたくありません」
鞘火の軽口に仁は笑えないでいた、何故なら
「再度の襲撃がある事は確実だと思われます。そして、仁殿は自衛の手段を持っていません。大変由々しき自体だと考えます」
鍔木の言葉が仁に重くのしかかる。指摘されたことを仁も考えていた。ドンヨリと肩を落とす仁に鍔木が声をかける。
「私達を雇う、という手もありますが」
「それだ!鞘火さんはあの鬼を追い払ってくれたんですよね?だったら、また追い払ってくれれば・・・・・・イヤ、今度は退治してくれればいいんですよ!」
「ほう、私を護衛に雇うというのか?まぁ、構わんが・・・・・・」
勢い込んで言う仁の姿を、鞘火はニヤニヤとした顔で見ている。
「仁様、仁様」
興奮している仁の肩を水緒が後ろから叩いた。
「なんですか?水緒さん。俺は今、人生の危機に直面しているんですが!」
「ホホホ。まぁ、落ち着いてこちらを見てくだされ」
そう言って水緒が一枚の紙を仁に差し出した。訝しがりながらその紙面に目を落とす仁。次の瞬間には目を見開いて紙を握り締めていた。
「護衛料・・・・・一日、十万円。戦闘があった場合は別途料金・・・・・・・」
「今回の事はサービスにしておきますので、請求は致しません」
その紙面に書かれていたものは、『神威探偵事務所』の料金表であった。紙を握りしめてワナワナと震える仁。そんな仁に鍔木が再度声をかけてきた。
「僭越ながら、仁殿の現在の状況を類推させて頂くに」
早馬 仁
18歳
浪人生
四月に予備校に通う為に田舎から出てくる
志望は法学部
六畳一間のアパート住まい
バーでの深夜バイト 時給850円
「以上が簡単ながら仁殿の現在のプロフィールです。私達を雇う余裕があるとは思えませんね」
鍔木はそう言って仁のプロフィールは締めくくった。
「その通りなんですが、改めて現状を突きつけられると泣きたくなってきます・・・・って、あぁぁぁぁぁぁぁ!」
仁が大声を上げて立ち上がった。
「あの襲われた日から何日経ってます!?バイト、バイトが・・・・・・・」
「仁様が目覚めるまで三日ほど経っておりますが」
「三日・・・・・・・そうだ、水緒さん、俺の携帯は!?」
「こちらに」
後ろで控えてままでいた水緒が携帯電話を仁に手渡す。当たり前の事だが、三日も経っていれば充電は切れている。仁は絶望的な表情で暗い画面を見つめている。
「体調が悪いので何日か休ませて欲しい、とバイト先には連絡しておいたぞ。身内を装ってな。悪いとは思ったが、兄を名乗っておいた」
そんな仁を慰めるように所長が語りかけた。
「あ、ありがとうございます!そ、それで店長はなんと?」
「・・・・・・・・何時目が覚めるか分からなかったからな、何日休むかと聞かれた時にいつ治るかわからない、としか答えようがなくてな?」
所長の声が尻すぼみに小さくなっていく。
「昨日あたり、携帯の充電が切れそうだったからもう一度連絡したんだが・・・・・・クビだとさ」
「エッ?」
仁には所長の言葉に耳を疑った。確かに、急にアルバイトを休んだのは申し訳ないことだったが、いきなり解雇とは・・・・・・・
「イヤ、それがなぁ・・・・・履歴書には身寄りはないって書いていたんだって?それが、休みの連絡に兄を名乗る男からとはどういう事だ!ってさ」
所長が申し訳なさそうに仁に対して手を合わせた。
「好意のつもりだったんだが、完全に裏目に出ちまった!本当にスマン!!」
「そうですか・・・・・・・・」
ただでさえ、所長には命を助けられている。仁には好意からしてくれた事に対して怒る気にはなれなかった。
「所長の行為は、本当に不可抗力です。私からも謝罪申し上げます。申し訳ありませんでした」
机に頭を付けるようにして頭を下げる所長の後ろで、鍔木も同様に頭を下げる。釣り目気味の目と、淡々とした口調で誤解してしまっていたが、悪い人間ではない。仁は鍔木に対する印象を改めた。
「元はといえば、鬼に襲われたせいですから・・・・・所長と鍔木さんは悪くないですよ。むしろ助けていただいたことと、治療をして頂いた事で自分がなにもお返しできるものがなくて心苦しい位です」
そう言って頭を上げるように言う仁だが、その表情は晴れない。職を失い、命を狙われているという救いようのない状況だ。仁が絶望的な気分になるのも無理はない。
「この状況を狙って作った訳ではないが、好都合なのも確かだろう?なぁ、水緒」
「仁様には気の毒ですが、我々に都合がいいのは確かじゃな」
頭を下げている二人とは対照的に、鞘火と水緒が言う。
「・・・・・何が好都合なんですか?今は何一ついい事がない状況なんですけど」
この状況を面白がられては仁とて腹が立つ。口調に刺が混じっていた。
「まぁ、そう怒るな。話には続きがあるのだ。少年にとっても悪い話ではないぞ?」
鞘火は話の続きを促さそうと所長と鍔木に視線を送った。二人は、話を切り出しにくそうにしていたが、意を決したように所長が口を開いた
「ウチで働かないか?この『神威探偵事務所』で」
「えっ?」
「鞘火に勧誘されただろう?ちょうどいいと言うわけではないが、仕事もクビになったんだったらウチで働くことに問題はないはずだ。それに、前の職場よりバイト代もはずむぞ?仕事の内容は、まぁ、分かってもらえたと思う」
「は、はぁ・・・・・ありがたい話なのですが・・・・・」
「最初は見習いから初めてもらえばいい。いきなり鬼とガチバトルをしろとは言わんよ。しかし、ウチで働くからには相応の覚悟が必要になる。襲われた仁君になら分かるだろう?」
今までの話からも、仁がもつという大きな霊力が勧誘の最大の理由だろうという事は分かった。誰にでもある力ではないという事も。誰もができる仕事ではないし、命の危険もつきまとう。実際、仁は命を狙われ化物に襲われた。
仁が手も足も出なかった化物を鞘火は撃退したという。所長の言葉は、いつか自分も命を掛けて戦う事が必要になる、ということだろう。だからこそ、高額報酬を請求するし、破格のアルバイト料が出せるのだ。見習いというのは命を掛けて闘う準備をする事。すなわち闘い方を学んでもらうということだろう。
仁はお金に困っている。今までのアルバイトを解雇されたからには、直ぐにでも新しい仕事を探さなければならない状況にあって、高額アルバイトの誘いは魅力的だ。田舎から出てきた時点で石にかじりついてでも、更に言うなら命をかけてでも大学合格を目指す。この覚悟で街に出てきたのだ。それを考えればこのアルバイトでも文句はない。ないのだが・・・・・
「実は、仁殿を勧誘しているのには霊力を持っているという点と他にも大きな理由があります。むしろ、こちらの方が本命です」
「そちらが本命・・・・・なんでしょうか?」
アルバイトの返答を頭を抱えて迷っていた仁は、鍔木の方を見た。
「はい、実は・・・・・私達の『ご主人様』になって頂きたいのです」
「・・・・・・・・・・・・はぁ?何て言いました、今」
聞き間違いかと思い、鍔木に問いかける仁。
「『ご主人様』になって頂きたい、と申し上げました」
「腕を一本焼いてやったし、余波で結構な火傷を負っていたしな。かなり恨んでいるだろう。逃げ際にすごい捨て台詞も言っていたから、間違いなく襲って来るな」
「や、焼いた?」
「一番の標的は腕を焼いてやった私のようだが、二番手は少年だな。必ず貰いに来ると言っていた。モテる少年は辛いな?」
「・・・・・・・・そんなヤツにモテたくありません」
鞘火の軽口に仁は笑えないでいた、何故なら
「再度の襲撃がある事は確実だと思われます。そして、仁殿は自衛の手段を持っていません。大変由々しき自体だと考えます」
鍔木の言葉が仁に重くのしかかる。指摘されたことを仁も考えていた。ドンヨリと肩を落とす仁に鍔木が声をかける。
「私達を雇う、という手もありますが」
「それだ!鞘火さんはあの鬼を追い払ってくれたんですよね?だったら、また追い払ってくれれば・・・・・・イヤ、今度は退治してくれればいいんですよ!」
「ほう、私を護衛に雇うというのか?まぁ、構わんが・・・・・・」
勢い込んで言う仁の姿を、鞘火はニヤニヤとした顔で見ている。
「仁様、仁様」
興奮している仁の肩を水緒が後ろから叩いた。
「なんですか?水緒さん。俺は今、人生の危機に直面しているんですが!」
「ホホホ。まぁ、落ち着いてこちらを見てくだされ」
そう言って水緒が一枚の紙を仁に差し出した。訝しがりながらその紙面に目を落とす仁。次の瞬間には目を見開いて紙を握り締めていた。
「護衛料・・・・・一日、十万円。戦闘があった場合は別途料金・・・・・・・」
「今回の事はサービスにしておきますので、請求は致しません」
その紙面に書かれていたものは、『神威探偵事務所』の料金表であった。紙を握りしめてワナワナと震える仁。そんな仁に鍔木が再度声をかけてきた。
「僭越ながら、仁殿の現在の状況を類推させて頂くに」
早馬 仁
18歳
浪人生
四月に予備校に通う為に田舎から出てくる
志望は法学部
六畳一間のアパート住まい
バーでの深夜バイト 時給850円
「以上が簡単ながら仁殿の現在のプロフィールです。私達を雇う余裕があるとは思えませんね」
鍔木はそう言って仁のプロフィールは締めくくった。
「その通りなんですが、改めて現状を突きつけられると泣きたくなってきます・・・・って、あぁぁぁぁぁぁぁ!」
仁が大声を上げて立ち上がった。
「あの襲われた日から何日経ってます!?バイト、バイトが・・・・・・・」
「仁様が目覚めるまで三日ほど経っておりますが」
「三日・・・・・・・そうだ、水緒さん、俺の携帯は!?」
「こちらに」
後ろで控えてままでいた水緒が携帯電話を仁に手渡す。当たり前の事だが、三日も経っていれば充電は切れている。仁は絶望的な表情で暗い画面を見つめている。
「体調が悪いので何日か休ませて欲しい、とバイト先には連絡しておいたぞ。身内を装ってな。悪いとは思ったが、兄を名乗っておいた」
そんな仁を慰めるように所長が語りかけた。
「あ、ありがとうございます!そ、それで店長はなんと?」
「・・・・・・・・何時目が覚めるか分からなかったからな、何日休むかと聞かれた時にいつ治るかわからない、としか答えようがなくてな?」
所長の声が尻すぼみに小さくなっていく。
「昨日あたり、携帯の充電が切れそうだったからもう一度連絡したんだが・・・・・・クビだとさ」
「エッ?」
仁には所長の言葉に耳を疑った。確かに、急にアルバイトを休んだのは申し訳ないことだったが、いきなり解雇とは・・・・・・・
「イヤ、それがなぁ・・・・・履歴書には身寄りはないって書いていたんだって?それが、休みの連絡に兄を名乗る男からとはどういう事だ!ってさ」
所長が申し訳なさそうに仁に対して手を合わせた。
「好意のつもりだったんだが、完全に裏目に出ちまった!本当にスマン!!」
「そうですか・・・・・・・・」
ただでさえ、所長には命を助けられている。仁には好意からしてくれた事に対して怒る気にはなれなかった。
「所長の行為は、本当に不可抗力です。私からも謝罪申し上げます。申し訳ありませんでした」
机に頭を付けるようにして頭を下げる所長の後ろで、鍔木も同様に頭を下げる。釣り目気味の目と、淡々とした口調で誤解してしまっていたが、悪い人間ではない。仁は鍔木に対する印象を改めた。
「元はといえば、鬼に襲われたせいですから・・・・・所長と鍔木さんは悪くないですよ。むしろ助けていただいたことと、治療をして頂いた事で自分がなにもお返しできるものがなくて心苦しい位です」
そう言って頭を上げるように言う仁だが、その表情は晴れない。職を失い、命を狙われているという救いようのない状況だ。仁が絶望的な気分になるのも無理はない。
「この状況を狙って作った訳ではないが、好都合なのも確かだろう?なぁ、水緒」
「仁様には気の毒ですが、我々に都合がいいのは確かじゃな」
頭を下げている二人とは対照的に、鞘火と水緒が言う。
「・・・・・何が好都合なんですか?今は何一ついい事がない状況なんですけど」
この状況を面白がられては仁とて腹が立つ。口調に刺が混じっていた。
「まぁ、そう怒るな。話には続きがあるのだ。少年にとっても悪い話ではないぞ?」
鞘火は話の続きを促さそうと所長と鍔木に視線を送った。二人は、話を切り出しにくそうにしていたが、意を決したように所長が口を開いた
「ウチで働かないか?この『神威探偵事務所』で」
「えっ?」
「鞘火に勧誘されただろう?ちょうどいいと言うわけではないが、仕事もクビになったんだったらウチで働くことに問題はないはずだ。それに、前の職場よりバイト代もはずむぞ?仕事の内容は、まぁ、分かってもらえたと思う」
「は、はぁ・・・・・ありがたい話なのですが・・・・・」
「最初は見習いから初めてもらえばいい。いきなり鬼とガチバトルをしろとは言わんよ。しかし、ウチで働くからには相応の覚悟が必要になる。襲われた仁君になら分かるだろう?」
今までの話からも、仁がもつという大きな霊力が勧誘の最大の理由だろうという事は分かった。誰にでもある力ではないという事も。誰もができる仕事ではないし、命の危険もつきまとう。実際、仁は命を狙われ化物に襲われた。
仁が手も足も出なかった化物を鞘火は撃退したという。所長の言葉は、いつか自分も命を掛けて戦う事が必要になる、ということだろう。だからこそ、高額報酬を請求するし、破格のアルバイト料が出せるのだ。見習いというのは命を掛けて闘う準備をする事。すなわち闘い方を学んでもらうということだろう。
仁はお金に困っている。今までのアルバイトを解雇されたからには、直ぐにでも新しい仕事を探さなければならない状況にあって、高額アルバイトの誘いは魅力的だ。田舎から出てきた時点で石にかじりついてでも、更に言うなら命をかけてでも大学合格を目指す。この覚悟で街に出てきたのだ。それを考えればこのアルバイトでも文句はない。ないのだが・・・・・
「実は、仁殿を勧誘しているのには霊力を持っているという点と他にも大きな理由があります。むしろ、こちらの方が本命です」
「そちらが本命・・・・・なんでしょうか?」
アルバイトの返答を頭を抱えて迷っていた仁は、鍔木の方を見た。
「はい、実は・・・・・私達の『ご主人様』になって頂きたいのです」
「・・・・・・・・・・・・はぁ?何て言いました、今」
聞き間違いかと思い、鍔木に問いかける仁。
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