5 / 12
第4ピース
しおりを挟む
「とぉしゃま! こちりゃでしゅかぁ?」
近づいてくる元気な声。まだ幼く舌がまわっていない。
「こらジーク。フェリアが怖がるだろ? 大きい声は出しちゃ駄目だぞ?」
「はぁいとぉしゃま。ごめんにゃしゃい……」
注意されて小さな声にする男の子。
ちょっとしょんぼりしてた!
やばい、可愛い!
そしてお父様! 私が産まれた時にものすごい勢いで扉を開けた貴方が注意出来ることではありません!
「ほぅらフェリア! お前のお兄ちゃんだ!」
思った通り! お兄様の登場でしたか!
そしてジークと呼ばれた男の子……お兄様を持ち上げて、私の近くに寄せるお父様。
あ~! 可愛い! 今三歳ぐらいかな?
「かぁいいねぇ~」
満面の笑みのお兄様。
ぐはあっ! 可愛すぎるぅ!
「あぁう~」
くぅ! 喋れないのがつらい!
あぁもう! 誰か私を投げ飛ばして!
「みてっ! とぉしゃま! おててにぎってくえたよ!」
お、おててっ! おててって! なによぉもぉ!
死ぬ、ほんとにキュン死する! こうなったら最終手段!
「うぎゃあああああ~!」
大声で泣く! ごめんねお兄様!
「わぁ!? ごめんねふぇりあ!」
驚きながらも申し訳無さそうにするお兄様。
嘘泣きなんだよ!? ほんとにごめんよ!
「フェリア様っ!」
「ジーク!」
リリアが私を抱いて、お父様がお兄様を抱く。
引き離してくれてありがとう、二人共……。
「ジーク。フェリアとはそろそろバイバイだ」
「……ばいばぁい…………」
寂しそうな顔で出ていくお兄様。
あぁ、可愛すぎる!
できれば別れたくなかった! けど!
私にはやりたいことがある!
そのためには一人にならなくては!
う~ん……正直リリアを部屋から出すのが一番難しいなぁ。ずっと居るし。
寝た後ぐらいなんだよなぁ、リリアがいなくなるの。
……そういえば、フランからの加護で“一日一回願いが叶う”っていうのがあったよね?
よし、願ってみよう!
フラン! 少しの間でいいから私が一人になるようにして! お願いします!
コンコンコンッ!
願った直後、扉からメイド服を着た女性が入ってきた。
「失礼します、フェリア様。リリア! 少し話があるの。来てくれるかしら?」
「メイド長!? わかりました! すぐ行きます!」
どうやら入ってきたのはメイド長らしい。
「すみませんフェリア様。少しの間待っていて下さい」
そういって部屋を出ていくリリア。
部屋には私一人になった。
おぉ! さすが創造神! なんでもできるな! ありがとう! フラン!
……どんな理由があれ0歳の王女を一人にしておくのは駄目な気しかしないけど……ま、いっか!
で、やりたかったこと! それは!
魔法の練習!
さすがに赤ちゃんのまま人前で魔法は使えないからね~。そんな事したら大パニックになってしまう。特に両親は。
……よし、始め!
そして私は魔法の練習をした。
この日は三十分程しか練習できなかったが、誰もいない夜やフランにお願いしてつくった時間で何日も何日も練習した。
どうやらスキルの【状態異常無効】のおかげで眠くならない体になっているらしく、寝ていなくても全く疲れていない。
気付けば指一本に各魔法一つずつ出せるようになっていた。
ついでに体を鍛えるためにも寝返りや四つん這いの練習もした。
一ヶ月もかからず成功。
たまに動きながら魔法を発動させたりもする。
そして、四つん這いができるようになっていることに気付いたリリアは、ベッドの外にも出してくれるようになった。
リリア、ナイス!
そこで本を読む事に成功!
それでわかったこともいくつかある。
まず、この世界の地理について。
この世界は、ムーンシー大陸、サンスター大陸、スカイスノー大陸の三つにわけられている。
ここはムーンシー大陸のクルサンタ王国。
クルサンタ王国はこの世界で一番大きい国らしい。周りには、ムース帝国やベーリー国、ラムイ聖神国、ディーキャン商業国がある。クルサンタ王国との関係性はわからなかったが、特産物や大体の特徴はわかった。
そしてもう一つ。なんと魔導書があった!
その魔導書はかなり上級の魔法もあるみたいで、必死に読み漁りました! でも部屋の中だと使えそうにないのが残念! 次からお願いは上級魔法を練習する機会をくださいに変えようかな!
うん、やっぱり異世界って、サイコー!!
近づいてくる元気な声。まだ幼く舌がまわっていない。
「こらジーク。フェリアが怖がるだろ? 大きい声は出しちゃ駄目だぞ?」
「はぁいとぉしゃま。ごめんにゃしゃい……」
注意されて小さな声にする男の子。
ちょっとしょんぼりしてた!
やばい、可愛い!
そしてお父様! 私が産まれた時にものすごい勢いで扉を開けた貴方が注意出来ることではありません!
「ほぅらフェリア! お前のお兄ちゃんだ!」
思った通り! お兄様の登場でしたか!
そしてジークと呼ばれた男の子……お兄様を持ち上げて、私の近くに寄せるお父様。
あ~! 可愛い! 今三歳ぐらいかな?
「かぁいいねぇ~」
満面の笑みのお兄様。
ぐはあっ! 可愛すぎるぅ!
「あぁう~」
くぅ! 喋れないのがつらい!
あぁもう! 誰か私を投げ飛ばして!
「みてっ! とぉしゃま! おててにぎってくえたよ!」
お、おててっ! おててって! なによぉもぉ!
死ぬ、ほんとにキュン死する! こうなったら最終手段!
「うぎゃあああああ~!」
大声で泣く! ごめんねお兄様!
「わぁ!? ごめんねふぇりあ!」
驚きながらも申し訳無さそうにするお兄様。
嘘泣きなんだよ!? ほんとにごめんよ!
「フェリア様っ!」
「ジーク!」
リリアが私を抱いて、お父様がお兄様を抱く。
引き離してくれてありがとう、二人共……。
「ジーク。フェリアとはそろそろバイバイだ」
「……ばいばぁい…………」
寂しそうな顔で出ていくお兄様。
あぁ、可愛すぎる!
できれば別れたくなかった! けど!
私にはやりたいことがある!
そのためには一人にならなくては!
う~ん……正直リリアを部屋から出すのが一番難しいなぁ。ずっと居るし。
寝た後ぐらいなんだよなぁ、リリアがいなくなるの。
……そういえば、フランからの加護で“一日一回願いが叶う”っていうのがあったよね?
よし、願ってみよう!
フラン! 少しの間でいいから私が一人になるようにして! お願いします!
コンコンコンッ!
願った直後、扉からメイド服を着た女性が入ってきた。
「失礼します、フェリア様。リリア! 少し話があるの。来てくれるかしら?」
「メイド長!? わかりました! すぐ行きます!」
どうやら入ってきたのはメイド長らしい。
「すみませんフェリア様。少しの間待っていて下さい」
そういって部屋を出ていくリリア。
部屋には私一人になった。
おぉ! さすが創造神! なんでもできるな! ありがとう! フラン!
……どんな理由があれ0歳の王女を一人にしておくのは駄目な気しかしないけど……ま、いっか!
で、やりたかったこと! それは!
魔法の練習!
さすがに赤ちゃんのまま人前で魔法は使えないからね~。そんな事したら大パニックになってしまう。特に両親は。
……よし、始め!
そして私は魔法の練習をした。
この日は三十分程しか練習できなかったが、誰もいない夜やフランにお願いしてつくった時間で何日も何日も練習した。
どうやらスキルの【状態異常無効】のおかげで眠くならない体になっているらしく、寝ていなくても全く疲れていない。
気付けば指一本に各魔法一つずつ出せるようになっていた。
ついでに体を鍛えるためにも寝返りや四つん這いの練習もした。
一ヶ月もかからず成功。
たまに動きながら魔法を発動させたりもする。
そして、四つん這いができるようになっていることに気付いたリリアは、ベッドの外にも出してくれるようになった。
リリア、ナイス!
そこで本を読む事に成功!
それでわかったこともいくつかある。
まず、この世界の地理について。
この世界は、ムーンシー大陸、サンスター大陸、スカイスノー大陸の三つにわけられている。
ここはムーンシー大陸のクルサンタ王国。
クルサンタ王国はこの世界で一番大きい国らしい。周りには、ムース帝国やベーリー国、ラムイ聖神国、ディーキャン商業国がある。クルサンタ王国との関係性はわからなかったが、特産物や大体の特徴はわかった。
そしてもう一つ。なんと魔導書があった!
その魔導書はかなり上級の魔法もあるみたいで、必死に読み漁りました! でも部屋の中だと使えそうにないのが残念! 次からお願いは上級魔法を練習する機会をくださいに変えようかな!
うん、やっぱり異世界って、サイコー!!
1
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
こちらの世界でも図太く生きていきます
柚子ライム
ファンタジー
銀座を歩いていたら異世界に!?
若返って異世界デビュー。
がんばって生きていこうと思います。
のんびり更新になる予定。
気長にお付き合いいただけると幸いです。
★加筆修正中★
なろう様にも掲載しています。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~
明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。
食の使徒 素人だけど使徒に選ばれちゃいました。癒しの食事を貴方に 幻想食材シリーズ
夜刀神一輝
ファンタジー
八戸 樹 は平凡な人生に幕を閉じた。
だが樹には強い一つの願望があった。
誰かの為になりたい、人の為に生きたい、日本人として日本人の為に、そう思って生きていても人生とは、そうそううまくいく事もなく、死ぬ最後の時まで自分は誰かの?国の?国民の?為に生きれたのだろうか?と疑問が残る様な人生だった。
そのまま魂が消え終わるかと思われた時に、女神様が現れ、異世界に使徒として転生してほしいと言われる。
使徒として転生してほしい世界では、地球の様に食事や調理法が豊かではなく、また今一進化の兆しも見えない為、樹を使徒として異世界に送り込みたいと、樹は自分は料理人じゃないし、食事も自分で自炊する程度の能力しかないと伝えるが、異世界に送り込めるほど清い魂は樹しかいないので他に選択肢がないと、樹が素人なのも考慮して様々なチートを授け、加護などによるバックアップもするので、お願いだから異世界にいってほしいと女神様は言う。
こんな自分が誰かの為になれるのならと、今度こそ人の役に立つ人間、人生を歩めるように、素人神の使徒、樹は異世界の大地に立つ
25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい
こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。
社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。
頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。
オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?
mio
ファンタジー
特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。
神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。
そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。
日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。
神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?
他サイトでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる