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第3章 ソロプレイヤー

第百六話

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 二時間後………

「…………:-C」

 僕は真っ白に燃え尽きていた…
 パチンコエリアの壁際に備え付けられているイスに座って僕はやりきったボクサーのように真っ白に燃え尽きていた。
 
「ないわ…マジでないわ…デュランダル保留からの絶唱ゾーンで、擬似連3回、金枠、見栄全員、聖詠からの70億リーチで外れるってありえないわぁぁぁ…(号泣)」

 これで外れるならなにで当たれと言うの?
 熱い演出全て外れた感じ…もう死にたい。

「そのあと300もはまって、レバブル赤からのミクちゃんリーチで当たったはいいけど、最終決戦でオールクリスたんで普通に負けるし…あああ!ホントクソだなこの店!:-〈」

 単発終了ってマジでありえないわ!
 思い出したら腹立ってきた。
 激おこぷんぷん丸だよ!
 チップ十枚も無駄にしたしもう二度とやんねぇ!
 シ○フォ○アクソだ!…は言い過ぎだな。ごめんねひびきちゃん(土下座)
 たとえぼろ負けしても僕の愛は変わらないよ。

「ていうか、みんなは地味に稼いでるのにどうして僕だけ当たらないの…?」

 先程みんなから連絡があってゼルはブラックジャック、NANAさんとsatoruくんはコインゲーム、ジェイクさんとレイモンドさんはスロットをやっていて、みんな数百~数千枚くらいプラスとのこと。

「僕だけマイナスってないわ…」

 物欲センサー出しすぎてるのか?
 いやいや、それじゃあみんなはどうなのよ?って話になってくるよね…
 たまたまツキがないのか、それともステータスLUKラックが低いのか…?
 LUKに左右されるゲームもあるし、アトランティスもステータスのLUKが重要なのかも?
 確かゼルのLUKは三百超えてたよね…対して僕のLUKは現在四十四。
 多少レベルが上がって各ステータスは上がったけどLUKは四しか上がってない。
 
「ルーネさん連れてくればよかったな…」

 ルーネさんのLUKはマイナス値だし、なにかやらせてみれば検証できたかもしれない。
 みんなにLUKいくつか聞いてみようかな?
 でも「LUKいくつ?」なんてなんか言いづらいな…やっぱり聞くのはやめとこう。

「残り90枚か…」

 とりあえず奥に行ってコインゲームでもやるか?
 …いや、あそこにはNANAさん達がいる。
 なんか顔合わせづらいしやめとこう。
 あの二人も姉弟合わせて千枚以上プラスらしいし、このゲームの先輩として合わせる顔がない。

「ていうかどこ行こう…?」

 シン○ォギ○リベンジ?いやいや、もう心が折れたからやりたくない。
 僕はメニューからMAPを表示させた。
 カジノに入っていつの間にかMAPが更新されていた。
 ダンジョンは足で稼いで埋めていかないといけないけど、街の施設とかは常時更新されるから楽だよね。

 なんかないかなぁ、やったことあって勝てそうなゲーム………

「………ポーカーか」

 MMORPGでポーカーというとあまり記憶にないけど、RPGでポーカーといえばド○クエシリーズとかテイ○ズシリーズのポーカーを思い浮かぶ。
 あんな感じなのかな…?

「とりあえず行ってみるか…」


 ポーカー。
 配られた五枚の手札を交換するなどして役を作るゲーム。
 アトランティスのカジノポーカーは、使用するトランプはジョーカー無しの五十二枚。
 配られた手札からいらないカードを選んで交換(交換は一回)
 組み合わせが成立すると役に応じた配当(チップ)をもらえて更にダブルアップに挑戦できる。
 ダブルアップは一つ前の札より大きいか小さいかを予想する。
 正解するとチップが倍になる。
 同じカードはドローだけど負け扱いになる。
 カードの強さは2が一番弱くてAが最強。

 役の配当はこんな感じ。

『ロイヤルストレートフラッシュ×100』
『ストレートフラッシュ×50』
『フォーカード×30』
『フルハウス×10』
『フラッシュ×8』
『ストレート×5』
『スリーカード×3』
『ツーペア×2』
『ワンペア×1』

 ポーカーエリアに着いてルールを確認した僕は早速やってみようと思い空いている席に着いた。
 カードを配るディーラーがいるひとつのテーブルに五つの席があり、僕がついたテーブルには僕とドレス姿のNPCの二人だけだった。
 あれ…?
 すでにテーブルについてプレイしているNPCの顔に身に覚えがあった。
 輝くような銀髪に翡翠のような右眼と黒曜石のような左眼のオッドアイが印象的なポーカーフェイスの美少女。

 「!?」

 僕は思わず二度見三度見してしまった!
 ウソッ!?服装は違うけどあのはまさか…!?

「フィールたん…?」
「………?」

 僕の呟きが聞こえたのか、フィールたん…いやフィールさんがこちらに視線を向けて小首を傾げた。

 ま、間違いない…これはフラグがキター♪───O(≧∇≦)O────♪




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