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08 交差する暗躍
首謀
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「ん、んん……」
頭がくらくらする。
なにがあったのか、自分がどうして眠っていたのか理解するのにはずいぶん時間がかかる。目を開けるとコンクリートの床と、たくさんの人の足が見えた。
ゆっくりと視界が開けていく。
「え……」
あまりにも想像していなかった状況に頭が真っ白だ。まだ夢を見ているのか、現実なのか、理解ができない。
春子は後ろ手に縛られ、誇りっぽい床の上に転がされていた。場所はどこだかわからない、倉庫のような場所だった。
東雲と一緒にいたので彼の仕業かと思ったが、東雲は床に倒れ縛られていた。彼だけではない、琴までいる。二人とも意識はなく、東雲は殴られたような傷もあった。いったいどういうことなのかと混乱していた。
「目を覚ましたか、春子」
「え……」
名前を呼ばれ、声の先に視線を向けると春子は目を見開いた。
そこにはニヤニヤと笑っている義父がいたからだ。
「どうして、あなたが……」
義父の周囲には見たこともないスーツを着崩した男たちが立っていた。男たちもニヤニヤと春子を見ている。その中でも一人の男がゆっくりと近づき、春子を見下ろす。
「お嬢ちゃん、急にこんなところに来てもらって悪いね」
「……誰、ですか?」
「どうも。私は相原組組長の相原俊造です」
男は笑顔を見せるが、目は笑っていない。恐怖心にぞくっとした。
相原と名乗った男は春子の親世代よりも上の年代だろう。白髪交じりの短髪に、顔には深い皺が刻み込まれている。恰幅が良く、貫禄のある男性だった。
相原といえば、つい最近聞いたので覚えていた。虎将のことを襲撃している組だと東雲が言っていた。そう考えるとこの状況は納得できる。でも義父がいることは理解できなかった。
「なんで義父とあなたが……?」
声が震える。怯えたくないのに、全身で恐怖を感じていた。
「ああこの男は俺んとこの組に借金しててなあ。もう臓器でも売るしかなかったんだが、吾妻組と知り合いだと聞いてな、それでチャラにしてやると利用されてもらいましたわ。結局遠回りにはなりましたがね」
相原は義父の肩をぽんぽんと叩く。義父は震えながらもへらっと笑っている。
「園田春子さんといいましたか。あなたは吾妻虎将の弱点らしいじゃないですか」
弱点という自覚はない。ただし、虎将の周囲にいる人間で一番連れ去るのが楽なのは自分だろうということは想像に難くない。
でもまだわからないことは山積みだった。
春子は確か東雲と一緒にいたはずだった。だから東雲がなにか企んでいるはずなのに、彼は今潰れて拘束されている。彼も共犯だったにしてはおかしな状況だ。
「東雲さんと琴さんはどうしてここにいるんですか」
「顔を知られてるおれが春子を攫うのは無理だと思ったからさ」
義父はヤクザに囲まれて怖いくせに、ずいぶん威張っていた。
「春子を尾行してる時、この女と知り合いだと知った。だからキャバクラでコトミちゃんを指名したんだ。アフターも一緒にしたら、眠らせるのは簡単だったよ。朝にこの男に連絡をさせて、『春子を連れて来い』と命令したんだ」
朝の東雲の慌てっぷりはそういうことだったのかと合点がいった。
「そしたらこの男が必死になって連れてきてくれた」
東雲が妹を大事にしていることはなんとなくわかっていた。だから春子を犠牲にするのも彼からしたら当然のことなのだろう。それでも、世話になっていただけに切なくなった。
「そんなことまでして……」
状況を理解していくと、春子の中には怒りが込み上げてきた。
自分だけならまだいい。
でも琴や東雲は関係ないはずだった。琴が浚われる必要はなかった。
「義父さん、そんなに私を恨んでるの」
「当たり前だろう! お前だけにあんないい生活をさせてたまるか!」
その義父の言葉で春子は怒りが限界に達した。
「ふざけないでよ……! いい生活って、私がどれだけあんたの借金を返すために苦労したか!」
春子は強く義父を睨みつけながら声を荒げる。
義父がいなくなってから自由な時間などなく、春子の時間はすべて労働に充てられていた。借金取りに追われ怖い思いもたくさんしてきた。休日には同世代の女性たちはショッピングを楽しんだりしているのにどうして自分は、と空しい気持ちにもなった。
今は虎将のおかげでようやく時間に余裕ができ始めていたというのに。
会社にまで連絡され、すべてぶち壊された。
「あんたのせいで私の人生は……っ!」
恐怖で縛られている手が震える。でも春子は義父から目を離さなかった。
「急に、なんだよ」
大人しかった春子が急に怒鳴ったからか義父は動揺していた。結局そういう人なのだ。
弱いものにだけ偉そうにして、相原組のような男たちには頭を下げる。母は優しい人だと言っていたけど、そういう部分が見えていなかったのだろう。偶然を装い春子の裸を見ようとするような男だ。ろくな人ではない。
今まで、自分の人生を誰かのせいにしようと思ったことはなかった。
「借金残して逃げたくせに、こんなことまでして、絶対許さない」
「……っ」
義父はたじろぎ一歩後退する。けれど義父の前に相原が立ちふさがる。
「おい、そんなことはどうでもいい。私たちの目的は吾妻を追い詰めることだ」
相原のドスの聞いた声が春子を縮こませる。義父とはまるで違う迫力のある声と態度だ。
「さてどう料理させてもらおうか。吾妻を精神的に痛めつけられるくらいになあ!」
男たちのゲスな笑い声に包まれる。
「あいつのことだ。どうせこの場所も突き止めるだろう。その時に膝をつくくらい絶望的な場面を見せてやりたい」
「そ、それならおれにやらせてください!」
義父が相原に名乗り出る。さっきまで動揺していたくせに意気揚々としている。春子からしたら嫌な予感しかなかった。
「まあいいだろう。逃がすなよ」
「は、はい。すみません、捕まえててくださいっ」
義父は私に近づき、薄笑いを浮かべながら春子の腕の拘束を外していく。すかさず屈強な男たちに手足を掴まれた。
「ちょっと、やめてよ! 何する気!」
暴れても男たちの力は強く、逃れることができない。開かれた両足の間に義父が入ってきて春子に手を伸ばす。
「父親を舐めやがって……」
義父は春子の着ていたシャツを掴み、左右に引き裂く。ボタンが吹き飛び、下に着ていたキャミソールも破かれてしまう。
「ひっ……!」
春子は悲鳴じみた声を上げる。
「へへ……昔はなかなかチャンスがなかったが一度味わってみたかったんだよな……この身体」
ぞわぞわと全身に悪寒が走る。
気持ちが悪い。義理だとしても父だった人にこんなことをされているなんて。一緒に住んでいた頃から嫌な視線を感じると思っていたが、やはりそういう目的があったのかとぞっとした。あの時の嫌な感じはやはり間違っていなかったのだ。まさかここにきて実現するとは思っていなかった。
自分はいったいどうなってしまうのか、想像したくもない。
「ああいいぞ。吾妻が見たら発狂するだろう」
この場に春子の味方はいない。
ぱっと周囲を見ると東雲と琴が視界に入った。
「っ、東雲さん! ……琴、さん! 起きて!」
二人に助けを求めようにも、二人は気絶したままで反応もない。もしかしたら殺されてしまったのではないかとすら思い、恐怖心を煽られる。
「無駄無駄」
義父はニヤニヤ笑いながら春子のジーンズにも手をかける。
「やめて! 離しなさいよ!」
最後のあがきでがむしゃらに手足をバタつかせる。屈強な男たちの力には敵わないとわかっているがやるしかなかった。
「うるせえ!」
「……っ!」
諦めずに暴れると義父の手のひらが春子の頬を引っぱたいた。衝撃で頬がじんじんとする。
人に叩かれたことなどなかった春子は呆然とし、言葉を無くした。
その間に義父の手が春子の服を脱がしていく。中途半端に脱がされ破れたキャミソールを深く破かれ、ブラジャーが丸見えになる。義父は下衆な笑い声をあげながら春子の胸元を凝視している。気持ちが悪くてたまらない。全身が恐怖で震え、目には涙が滲み溢れていく。
「いやああああっ!」
春子は涙を流しながら腹の底から叫んだ。
――その時、轟音が響いた。
頭がくらくらする。
なにがあったのか、自分がどうして眠っていたのか理解するのにはずいぶん時間がかかる。目を開けるとコンクリートの床と、たくさんの人の足が見えた。
ゆっくりと視界が開けていく。
「え……」
あまりにも想像していなかった状況に頭が真っ白だ。まだ夢を見ているのか、現実なのか、理解ができない。
春子は後ろ手に縛られ、誇りっぽい床の上に転がされていた。場所はどこだかわからない、倉庫のような場所だった。
東雲と一緒にいたので彼の仕業かと思ったが、東雲は床に倒れ縛られていた。彼だけではない、琴までいる。二人とも意識はなく、東雲は殴られたような傷もあった。いったいどういうことなのかと混乱していた。
「目を覚ましたか、春子」
「え……」
名前を呼ばれ、声の先に視線を向けると春子は目を見開いた。
そこにはニヤニヤと笑っている義父がいたからだ。
「どうして、あなたが……」
義父の周囲には見たこともないスーツを着崩した男たちが立っていた。男たちもニヤニヤと春子を見ている。その中でも一人の男がゆっくりと近づき、春子を見下ろす。
「お嬢ちゃん、急にこんなところに来てもらって悪いね」
「……誰、ですか?」
「どうも。私は相原組組長の相原俊造です」
男は笑顔を見せるが、目は笑っていない。恐怖心にぞくっとした。
相原と名乗った男は春子の親世代よりも上の年代だろう。白髪交じりの短髪に、顔には深い皺が刻み込まれている。恰幅が良く、貫禄のある男性だった。
相原といえば、つい最近聞いたので覚えていた。虎将のことを襲撃している組だと東雲が言っていた。そう考えるとこの状況は納得できる。でも義父がいることは理解できなかった。
「なんで義父とあなたが……?」
声が震える。怯えたくないのに、全身で恐怖を感じていた。
「ああこの男は俺んとこの組に借金しててなあ。もう臓器でも売るしかなかったんだが、吾妻組と知り合いだと聞いてな、それでチャラにしてやると利用されてもらいましたわ。結局遠回りにはなりましたがね」
相原は義父の肩をぽんぽんと叩く。義父は震えながらもへらっと笑っている。
「園田春子さんといいましたか。あなたは吾妻虎将の弱点らしいじゃないですか」
弱点という自覚はない。ただし、虎将の周囲にいる人間で一番連れ去るのが楽なのは自分だろうということは想像に難くない。
でもまだわからないことは山積みだった。
春子は確か東雲と一緒にいたはずだった。だから東雲がなにか企んでいるはずなのに、彼は今潰れて拘束されている。彼も共犯だったにしてはおかしな状況だ。
「東雲さんと琴さんはどうしてここにいるんですか」
「顔を知られてるおれが春子を攫うのは無理だと思ったからさ」
義父はヤクザに囲まれて怖いくせに、ずいぶん威張っていた。
「春子を尾行してる時、この女と知り合いだと知った。だからキャバクラでコトミちゃんを指名したんだ。アフターも一緒にしたら、眠らせるのは簡単だったよ。朝にこの男に連絡をさせて、『春子を連れて来い』と命令したんだ」
朝の東雲の慌てっぷりはそういうことだったのかと合点がいった。
「そしたらこの男が必死になって連れてきてくれた」
東雲が妹を大事にしていることはなんとなくわかっていた。だから春子を犠牲にするのも彼からしたら当然のことなのだろう。それでも、世話になっていただけに切なくなった。
「そんなことまでして……」
状況を理解していくと、春子の中には怒りが込み上げてきた。
自分だけならまだいい。
でも琴や東雲は関係ないはずだった。琴が浚われる必要はなかった。
「義父さん、そんなに私を恨んでるの」
「当たり前だろう! お前だけにあんないい生活をさせてたまるか!」
その義父の言葉で春子は怒りが限界に達した。
「ふざけないでよ……! いい生活って、私がどれだけあんたの借金を返すために苦労したか!」
春子は強く義父を睨みつけながら声を荒げる。
義父がいなくなってから自由な時間などなく、春子の時間はすべて労働に充てられていた。借金取りに追われ怖い思いもたくさんしてきた。休日には同世代の女性たちはショッピングを楽しんだりしているのにどうして自分は、と空しい気持ちにもなった。
今は虎将のおかげでようやく時間に余裕ができ始めていたというのに。
会社にまで連絡され、すべてぶち壊された。
「あんたのせいで私の人生は……っ!」
恐怖で縛られている手が震える。でも春子は義父から目を離さなかった。
「急に、なんだよ」
大人しかった春子が急に怒鳴ったからか義父は動揺していた。結局そういう人なのだ。
弱いものにだけ偉そうにして、相原組のような男たちには頭を下げる。母は優しい人だと言っていたけど、そういう部分が見えていなかったのだろう。偶然を装い春子の裸を見ようとするような男だ。ろくな人ではない。
今まで、自分の人生を誰かのせいにしようと思ったことはなかった。
「借金残して逃げたくせに、こんなことまでして、絶対許さない」
「……っ」
義父はたじろぎ一歩後退する。けれど義父の前に相原が立ちふさがる。
「おい、そんなことはどうでもいい。私たちの目的は吾妻を追い詰めることだ」
相原のドスの聞いた声が春子を縮こませる。義父とはまるで違う迫力のある声と態度だ。
「さてどう料理させてもらおうか。吾妻を精神的に痛めつけられるくらいになあ!」
男たちのゲスな笑い声に包まれる。
「あいつのことだ。どうせこの場所も突き止めるだろう。その時に膝をつくくらい絶望的な場面を見せてやりたい」
「そ、それならおれにやらせてください!」
義父が相原に名乗り出る。さっきまで動揺していたくせに意気揚々としている。春子からしたら嫌な予感しかなかった。
「まあいいだろう。逃がすなよ」
「は、はい。すみません、捕まえててくださいっ」
義父は私に近づき、薄笑いを浮かべながら春子の腕の拘束を外していく。すかさず屈強な男たちに手足を掴まれた。
「ちょっと、やめてよ! 何する気!」
暴れても男たちの力は強く、逃れることができない。開かれた両足の間に義父が入ってきて春子に手を伸ばす。
「父親を舐めやがって……」
義父は春子の着ていたシャツを掴み、左右に引き裂く。ボタンが吹き飛び、下に着ていたキャミソールも破かれてしまう。
「ひっ……!」
春子は悲鳴じみた声を上げる。
「へへ……昔はなかなかチャンスがなかったが一度味わってみたかったんだよな……この身体」
ぞわぞわと全身に悪寒が走る。
気持ちが悪い。義理だとしても父だった人にこんなことをされているなんて。一緒に住んでいた頃から嫌な視線を感じると思っていたが、やはりそういう目的があったのかとぞっとした。あの時の嫌な感じはやはり間違っていなかったのだ。まさかここにきて実現するとは思っていなかった。
自分はいったいどうなってしまうのか、想像したくもない。
「ああいいぞ。吾妻が見たら発狂するだろう」
この場に春子の味方はいない。
ぱっと周囲を見ると東雲と琴が視界に入った。
「っ、東雲さん! ……琴、さん! 起きて!」
二人に助けを求めようにも、二人は気絶したままで反応もない。もしかしたら殺されてしまったのではないかとすら思い、恐怖心を煽られる。
「無駄無駄」
義父はニヤニヤ笑いながら春子のジーンズにも手をかける。
「やめて! 離しなさいよ!」
最後のあがきでがむしゃらに手足をバタつかせる。屈強な男たちの力には敵わないとわかっているがやるしかなかった。
「うるせえ!」
「……っ!」
諦めずに暴れると義父の手のひらが春子の頬を引っぱたいた。衝撃で頬がじんじんとする。
人に叩かれたことなどなかった春子は呆然とし、言葉を無くした。
その間に義父の手が春子の服を脱がしていく。中途半端に脱がされ破れたキャミソールを深く破かれ、ブラジャーが丸見えになる。義父は下衆な笑い声をあげながら春子の胸元を凝視している。気持ちが悪くてたまらない。全身が恐怖で震え、目には涙が滲み溢れていく。
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