溺愛カウンセラー~幼馴染みと恋人ごっこ~

春密まつり

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27 とまらない彼*

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「ちょ、っと待って、亘くん……っ」
「ん? どうして」
「だって、起きたばっかりだし、朝だし……会社が」
「まだ時間はあるよ」

 朝起きるとすぐ亘に抱き寄せられた。
 それだけではなく、亘の大きな手は里帆の身体を這う。昨日さんざん弄られていた秘部にふれると里帆はびくんと震えた。まさか朝からするつもりなのか、と。

「ここ、もう痛くないか?」
「んっ……」
 蜜口にぬるりと指が入ってくる。起き抜けに胸を愛撫されてすでに潤ったその場所は亘の指を簡単に飲み込んだ。
「里帆、可愛い」
「……亘くん、別人だよ……っ」
 蜜口の中をくちゅくちゅと行き来する太い指。朝だというのに里帆はもうとろけた表情になっていた。

「ごめん。俺一度タガが外れると……こうなるみたいだ」
「ん、っ」
「まだ痛いだろうし、挿れないから。こするだけ」
「あ、ぅ」

 ベッドの中で、腰をがっちりと掴まれて亘の昂ぶった熱が太ももの間に挟まる。亘が腰を引くと秘部に熱がこすれた。昨夜の行為を鮮明に思い出してしまう。この熱い昂ぶりが、昨日は里帆の中に入っていたのだ。
 考えると、身震いしてしまった。

「っ、あ!」
「……気持ち、いい」
「んぅ、あ、亘くん……っ」

 硬く熱いものが秘部を行き来する。里帆の中から溢れた蜜が滑りを良くし、亘の動きがさらに激しくなる。ぎゅっと抱きしめられると繋がりが深くなる。
「里帆……可愛い」

 真正面で亘の口が動く。きゅんと身体の奥が締め付けられた。
「っ!」
「あ……俺も……っ」
 里帆はびくびくと数回跳ね、とろりとした白濁が肌にまとわりついていた。
「ごめん……シャワー浴びようか。洗ってあげるよ」
「い、いいよ! 一人で行けるから!」
 里帆は慌てて起き上がり、逃げるようにバスルームへ向かった。
 まだじくじくと下腹部が疼いている。達したばかりで歩くだけでも違和感があった。昨夜、初体験をしたせいでもあるだろう。



「お先にシャワーありがとう。亘くんどうぞ」
「んー」
 まだベッドの中にいる亘はのそりと起き上がり、あくびをしながらバスルームへ向かった。亘がシャワーを浴びている間、里帆は身支度を始めた。時間に余裕があるとはいえ、服はぐしゃぐしゃだしカバンだってどこに置いたか覚えていない。ぎりぎりで焦らないように、準備をして髪を乾かし、メイクも直した。

「……わー、完璧だ」
 戻ってきた亘は目を見開いていた。
「だって、これから仕事だもん」
「まあそうだけどさ。俺朝食作るね」
 髪がまだ濡れたままの亘はタオルで拭きながら、フライパンを用意していた。
「いいよ、先に髪乾かしてきて! 私やるから」
「……できる?」
「っ! できます!」

 正直、自信はなかったけれど亘にそう言われたらやらないわけにはいかない。オムライスに比べたらきっと朝食はもっと簡単だ。というか、簡単なものにするしかない。亘が髪を乾かしに行くのを見届けてから、冷蔵庫を開けた。

 用意したものは本当に簡単なものだ。昨日の卵が残っていたのでベーコンエッグと、レタスをちぎったサラダ。それからスープだ。食パンがあったのでトーストに使わせてもらった。この程度の朝食しか作れなかったが、並べてみると達成感があった。

「里帆、ありがと」
「亘くんにはいつも作ってもらってるからね。まあ、上手ではないけど……」
「十分だよ」

 にっこりと微笑んだ亘と目が合い、なんとなく視線をそらしてしまった。昨夜と今朝の里帆を求めてくる亘とはあまりに違って爽やかだったからどうしたらいいかわからなかった。
 これが、大人の余裕というものだろうか。
 里帆は時々思い出しては胸を高鳴らせているというのに。

 ゆっくりと一緒に朝食をとっていたらあっという間に出勤の時間になった。里帆は一足先に準備を整えて亘の家を出た。
「じゃあ先に行くね」
 玄関先で見送ってくれている亘はなぜか黙ったまま真面目な顔で里帆をじっと見つめる。
「亘くんどうかした?」
「……里帆、このまま一緒に住む?」
「えっ」
 突然の提案に里帆は固まる。

「なんてね。いってらっしゃい」
 亘はすぐに笑顔になり、手を振った。里帆は時間のこともありそれ以上追求することなく手を振り返した。

「……いってきます」
 昨日から亘がたびたび別人のように見える。やさしい亘は変わらないのに、どこか違う。はっきりとどこが違うとは言えないけれど、里帆からしたら違和感が強い。『恋人ごっこ』のはずなのに、急に一緒に住もうかだなんて言い出して、どうしたんだろう。

「……っ」
 歩くとまだ下腹部が少し痛んだ。
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