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異世界旅館①
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今日は待ちに待ったお泊まりに行く日。
俺はみんなより早く起き、昼に食べるお弁当を今から作りに行くところだ。
「それにしても、出発予定が7時って少し早すぎやしないか?」
俺は眠たい目をこすりながら、食事の間に向かった。
「ふわぁ~……こんな朝っぱらからお弁当作りって、母さんにはほんと感謝しねぇとな」
俺はエレベーターから降り、電気のスイッチを押した。
するとなぜか、食事の間の電気が消えた。
「あれ?」
よ~くスイッチを見てみると、『切』の方にスイッチが切り替わっている。
「こんな時間に食事の間に来るやつなんて、俺ぐらいだもんな……って、うん?」
耳をすますと部屋の奥から、何やら元気な声が聞こえてくる。
扉を少し開け、中の様子を伺うと……。
「我はいつでも行けるぞ!」
「スラお姉様、私も準備完了です!」
「あらあら、早起きなのね」
「それを言うなら、ソフィさんも十分早起きだと思いますよ」
「それを言うなら、ヴェントスも」
「それを言うなら、キースさんもですよ」
「それを言うなら、メルさんも」
「それを言うなら、ラプスもなのです!」
「そ、それを言うなら……カプラ……ちゃんも……」
お泊まりに行くという特別感が、みんなを早起きさせたのだろうか。
俺は扉を開け、中に入った。
「みんな……まだ5時半だよ……」
「おお! 夢ではないか!」
「おう、おはよう。
ところで……水月はいないのか?」
部屋を見渡しても水月の姿がどこにも見当たらない。
この疑問にイムが答えてくれた。
「水月さんなら、もう外に出てますよ」
「外ねぇ……はぁ、水月らしいな」
その頃、水月は……。
「お泊まりが、俺を呼んでいる」
よくわからないことを言っていた。
俺はキッチンに行き、おにぎりとサンドウィッチを作ってはお弁当箱に詰めてを繰り返した。
隣ではサンドウィッチに挟む用の玉子焼きをカプラが焼いてくれている。
本当に出来る妹は助かる。
お弁当の準備が終わり、俺たちはダラダラと話をしながら時間を潰した。
そして、とうとう出発5分前になった。
「よし、そろそろ行こうか」
「うむ、出発である!」
「お~!」
俺たちは最寄りの駅に向かった。
「ねぇねぇ夢くん」
「うん? どうした?」
「どこの駅まで行くんですか?」
「えーっと……確か……忘れた」
「ええっ! それって大丈夫なんですか!」
焦るメルと呆れているみんな。
「大丈夫、大丈夫。
なんせ俺たちには、キュレルがいるからな!」
「そうよ、私に任せなさい!」
というわけで俺は、キュレルに丸投げした。
「私たちが向かうのは、リダンド駅という駅よ。
ここからだと……大体40駅くらいかな」
「4、40駅……」
「う、嘘ですよね……」
あからさまにテンションが下がるキースとヴェントス。
40駅なら、到着まで3時間くらいだろうか。
キースとヴェントスはおそらく、車酔いとかするタイプなのだろう。
まぁ、異世界に車は無いんだけどね。
俺たちは切符を買い、電車に乗りこんだ。
かなり高い切符代だったが、ソフィが全員分払ってくれた。
電車内はとても空いていて、並んで座ることが出来た。
ちなみに俺の隣は、イムとキースだ。
少しだけ気まずい。
そんなことより、テンションの低いキースとヴェントスをいつも通りに戻さなければ……。
「なぁキュレル」
「ん?」
「今回俺たちが泊まる場所ってどんな所なんだ?」
「そうね……一言で言えば、山にある旅館ね。
リダンド山っていうそんなに高くない山があって、その中腹くらいにあるのがリダンド旅館。
源泉かけ流しの露天風呂、美味しい山菜に海の幸。
そしてなにより、部屋から見える景色が最っ高の旅館よ!」
「露天風呂……楽しみ!」
「一緒に入りましょうね、キース」
「うん」
キュレルのおかげで、2人のテンションは元に戻った。
だが、長い長い電車移動はまだ始まったばかり。
2人はしっかり乗り切れるのだろうか。
俺は心配で仕方なかった。
俺はみんなより早く起き、昼に食べるお弁当を今から作りに行くところだ。
「それにしても、出発予定が7時って少し早すぎやしないか?」
俺は眠たい目をこすりながら、食事の間に向かった。
「ふわぁ~……こんな朝っぱらからお弁当作りって、母さんにはほんと感謝しねぇとな」
俺はエレベーターから降り、電気のスイッチを押した。
するとなぜか、食事の間の電気が消えた。
「あれ?」
よ~くスイッチを見てみると、『切』の方にスイッチが切り替わっている。
「こんな時間に食事の間に来るやつなんて、俺ぐらいだもんな……って、うん?」
耳をすますと部屋の奥から、何やら元気な声が聞こえてくる。
扉を少し開け、中の様子を伺うと……。
「我はいつでも行けるぞ!」
「スラお姉様、私も準備完了です!」
「あらあら、早起きなのね」
「それを言うなら、ソフィさんも十分早起きだと思いますよ」
「それを言うなら、ヴェントスも」
「それを言うなら、キースさんもですよ」
「それを言うなら、メルさんも」
「それを言うなら、ラプスもなのです!」
「そ、それを言うなら……カプラ……ちゃんも……」
お泊まりに行くという特別感が、みんなを早起きさせたのだろうか。
俺は扉を開け、中に入った。
「みんな……まだ5時半だよ……」
「おお! 夢ではないか!」
「おう、おはよう。
ところで……水月はいないのか?」
部屋を見渡しても水月の姿がどこにも見当たらない。
この疑問にイムが答えてくれた。
「水月さんなら、もう外に出てますよ」
「外ねぇ……はぁ、水月らしいな」
その頃、水月は……。
「お泊まりが、俺を呼んでいる」
よくわからないことを言っていた。
俺はキッチンに行き、おにぎりとサンドウィッチを作ってはお弁当箱に詰めてを繰り返した。
隣ではサンドウィッチに挟む用の玉子焼きをカプラが焼いてくれている。
本当に出来る妹は助かる。
お弁当の準備が終わり、俺たちはダラダラと話をしながら時間を潰した。
そして、とうとう出発5分前になった。
「よし、そろそろ行こうか」
「うむ、出発である!」
「お~!」
俺たちは最寄りの駅に向かった。
「ねぇねぇ夢くん」
「うん? どうした?」
「どこの駅まで行くんですか?」
「えーっと……確か……忘れた」
「ええっ! それって大丈夫なんですか!」
焦るメルと呆れているみんな。
「大丈夫、大丈夫。
なんせ俺たちには、キュレルがいるからな!」
「そうよ、私に任せなさい!」
というわけで俺は、キュレルに丸投げした。
「私たちが向かうのは、リダンド駅という駅よ。
ここからだと……大体40駅くらいかな」
「4、40駅……」
「う、嘘ですよね……」
あからさまにテンションが下がるキースとヴェントス。
40駅なら、到着まで3時間くらいだろうか。
キースとヴェントスはおそらく、車酔いとかするタイプなのだろう。
まぁ、異世界に車は無いんだけどね。
俺たちは切符を買い、電車に乗りこんだ。
かなり高い切符代だったが、ソフィが全員分払ってくれた。
電車内はとても空いていて、並んで座ることが出来た。
ちなみに俺の隣は、イムとキースだ。
少しだけ気まずい。
そんなことより、テンションの低いキースとヴェントスをいつも通りに戻さなければ……。
「なぁキュレル」
「ん?」
「今回俺たちが泊まる場所ってどんな所なんだ?」
「そうね……一言で言えば、山にある旅館ね。
リダンド山っていうそんなに高くない山があって、その中腹くらいにあるのがリダンド旅館。
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そしてなにより、部屋から見える景色が最っ高の旅館よ!」
「露天風呂……楽しみ!」
「一緒に入りましょうね、キース」
「うん」
キュレルのおかげで、2人のテンションは元に戻った。
だが、長い長い電車移動はまだ始まったばかり。
2人はしっかり乗り切れるのだろうか。
俺は心配で仕方なかった。
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