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初めまして女神様①
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メルとその両親が来てから、マンションの食卓はより賑やかになった。
愛想のなかったメルが笑顔で食事をしている様子に、メルの両親から何度も何度も感謝された。
潤んだ瞳が二人の味わってきた辛さを物語っている。
これだから人助けはやめられないのだ。
食器の片付けを済ませた俺は部屋に戻り、満足感に浸っていた。
オレンジジュースを一口飲み、天井を見上げこう呟いた。
「これがやりがい……か」
すると突然、天井に謎の空間が現れ綺麗なピンク髪の女性が降りてきた。
「あら~よかった。
今日は起きてるみたいね」
白い羽衣を纏い、綺麗なピンク色の髪をした彼女は、この世の者とは思えないほど美しかった。
「あなたは一体?」
「私は女神、女神ユキノよ」
「女神……様……?」
女神と聞いてこれ程までに納得出来る日が来るとは思わなかった。
そんな女神様は、一度部屋に来たことがあるかのようにソファに座った。
「あの~……女神様がこんな所にどういったご用件でしょうか?」
「そうねぇ……お話……かしら?
あなた、クルルという名前を知っているわね」
「はい、存じております。
定期的に手紙をくれる方で、このマンションの元管理人だとか」
「あら、それは嘘よ。
クルルはね、この世界の自由を司る神なの」
目の前にいる女神様に、手紙の送り主クルルは神だと言われ、俺の脳は完全に思考を停止した。
「ちょっとすいません。
話が飛躍しすぎてついていけそうにないです」
「まあそうでしょうね。でも安心して。
今回お邪魔させてもらったのは、クルルが気に入ったあなたがどのような人なのかを知りたかったからなの」
「神様に気に入られてる? 俺がですか?」
「ええそうよ。あなたを生き返らせるほどにね」
「そうなんですね……」
さすがは神と言ったところか。
俺を生き返らせたなんて、世界の理に反している。
異世界ってすごい!
「とりあえず、ご飯を作ってもらってもいいかい?」
「はい、喜んで!」
俺は女神様を連れ、十六階へ向かった。
女神様は初めてエレベータに乗ったらしく、五秒間の移動に感動していた。
十六階に着いたあと、女神様を椅子に座らせ早速料理を始めた。
料理中は女神様から様々な質問を受けては答えを繰り返していた。
俺は鍋を煮込んでいる間に、女神様に質問をした。
「女神様、一つ質問よろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」
「先程から話に上がっているクルル様は、来られないのでしょうか?」
「来ないわ。
言い忘れていたけれど、私がここに来てることは秘密にしておいてね」
「どうしてですか?」
「あなたがクルルの物だからよ」
「は……はぁ」
よくわからないが、女神様に頼まれては秘密にするほかないだろう。
そんなことより、お腹を好かせている女神様に早く料理を提供しなければ。
俺は二十分ほどで肉じゃがを作り上げた。
「女神様、お待たせいたしました。
こちら肉じゃがになります。
お口に合えば良いのですが」
「あら、ありがとう。
とてもいい匂いがするわね」
女神様は匂いを嗅ぐ仕草すら美しかった。
「いただきます」
そう言って女神様は、じゃがいもを一口。
「お味の程はいかがでしょうか?」
女神様の好みがわからない以上、口に合わないと言われても仕方がない。
その場合はすぐに作り直す準備を……。
しっかりと味を確認されたあと、女神様はこういった。
「とても美味しいわ。ねえあなた、家に来ない?」
「え、あの……それは……えーっと……その……」
「冗談よ」
人生で五番目くらいに恥ずかしかった。
ここで場所は代わり、スラとイムの部屋。
パシャッという音がなり、一枚の写真がイムの元に落ちた。
「これは……スラお姉様!
何やら綺麗な女性と夢さんが食事の間に現れました!」
「なんだとぉ!
イムよ、すぐに偵察に向かう準備を!」
「かしこまりました!」
二人はエレベーターに乗り込み十七階へ向かった。
直接十六階に行けば、即バレしてしまうからだ。
二人は器用にスライムを使い、十六階の入り口へ到着した。
「ふっふっふ、我ながら完璧な移動であった」
「さすがです、スラお姉様!」
全く音をたてることなく十六階に到着した二人。
しかし、そんな二人に迫る影。
「おいお前たち、そこで何してるんだ?」
「ゆ、夢さん! どうして気づいたのですか?」
「なぜバレたのだ……我は完璧だったはず……」
ここで場所を戻そう。
恥ずかしがる俺に、女神様が一言。
「あら、誰か来たようね。お客さんかしら?」
「え、どこですか?」
「私たちが入ってきたところに二人、水色髪の子と私と同じピンク髪の子ね」
俺は半信半疑で入り口へ向かった。
なぜ半信半疑なのか、理由は簡単だ。
唯一の移動手段であるエレベーターが動いていないからだ。
女神様でも間違えることがあるんだなと思いながら、入り口に近づくと話し声が聞こえてくる。
しかもこの声は、スラとイムだ。
「おいお前たち、そこで何してるんだ?」
「ゆ、夢さん! どうして気づいたのですか?」
「なぜバレたのだ……我は完璧だったはず……」
「俺も気づかなかったんだけど、女神様が言うから」
「女神様!?」
二人は口を揃えて驚いている。
それから早足で女神様の元に向かい、真横でじーっと全身をくまなく見ている。
「あら、こんなに可愛らしい子に見つめられるとさすがに照れてしまいますね」
顔を赤らめ照れる女神様にスラとイムは心を奪われたらしく、ピッタリくっついて離れない。
「女神様すごくいい匂いしますね」
「我はもうここに住むことにした」
「あらあら、本当に可愛いわね。
持って帰っちゃいましょうか、うふふ」
女神様の魅力は、あっという間に人をダメにしてしまうらしい。
女神様……恐るべし。
愛想のなかったメルが笑顔で食事をしている様子に、メルの両親から何度も何度も感謝された。
潤んだ瞳が二人の味わってきた辛さを物語っている。
これだから人助けはやめられないのだ。
食器の片付けを済ませた俺は部屋に戻り、満足感に浸っていた。
オレンジジュースを一口飲み、天井を見上げこう呟いた。
「これがやりがい……か」
すると突然、天井に謎の空間が現れ綺麗なピンク髪の女性が降りてきた。
「あら~よかった。
今日は起きてるみたいね」
白い羽衣を纏い、綺麗なピンク色の髪をした彼女は、この世の者とは思えないほど美しかった。
「あなたは一体?」
「私は女神、女神ユキノよ」
「女神……様……?」
女神と聞いてこれ程までに納得出来る日が来るとは思わなかった。
そんな女神様は、一度部屋に来たことがあるかのようにソファに座った。
「あの~……女神様がこんな所にどういったご用件でしょうか?」
「そうねぇ……お話……かしら?
あなた、クルルという名前を知っているわね」
「はい、存じております。
定期的に手紙をくれる方で、このマンションの元管理人だとか」
「あら、それは嘘よ。
クルルはね、この世界の自由を司る神なの」
目の前にいる女神様に、手紙の送り主クルルは神だと言われ、俺の脳は完全に思考を停止した。
「ちょっとすいません。
話が飛躍しすぎてついていけそうにないです」
「まあそうでしょうね。でも安心して。
今回お邪魔させてもらったのは、クルルが気に入ったあなたがどのような人なのかを知りたかったからなの」
「神様に気に入られてる? 俺がですか?」
「ええそうよ。あなたを生き返らせるほどにね」
「そうなんですね……」
さすがは神と言ったところか。
俺を生き返らせたなんて、世界の理に反している。
異世界ってすごい!
「とりあえず、ご飯を作ってもらってもいいかい?」
「はい、喜んで!」
俺は女神様を連れ、十六階へ向かった。
女神様は初めてエレベータに乗ったらしく、五秒間の移動に感動していた。
十六階に着いたあと、女神様を椅子に座らせ早速料理を始めた。
料理中は女神様から様々な質問を受けては答えを繰り返していた。
俺は鍋を煮込んでいる間に、女神様に質問をした。
「女神様、一つ質問よろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」
「先程から話に上がっているクルル様は、来られないのでしょうか?」
「来ないわ。
言い忘れていたけれど、私がここに来てることは秘密にしておいてね」
「どうしてですか?」
「あなたがクルルの物だからよ」
「は……はぁ」
よくわからないが、女神様に頼まれては秘密にするほかないだろう。
そんなことより、お腹を好かせている女神様に早く料理を提供しなければ。
俺は二十分ほどで肉じゃがを作り上げた。
「女神様、お待たせいたしました。
こちら肉じゃがになります。
お口に合えば良いのですが」
「あら、ありがとう。
とてもいい匂いがするわね」
女神様は匂いを嗅ぐ仕草すら美しかった。
「いただきます」
そう言って女神様は、じゃがいもを一口。
「お味の程はいかがでしょうか?」
女神様の好みがわからない以上、口に合わないと言われても仕方がない。
その場合はすぐに作り直す準備を……。
しっかりと味を確認されたあと、女神様はこういった。
「とても美味しいわ。ねえあなた、家に来ない?」
「え、あの……それは……えーっと……その……」
「冗談よ」
人生で五番目くらいに恥ずかしかった。
ここで場所は代わり、スラとイムの部屋。
パシャッという音がなり、一枚の写真がイムの元に落ちた。
「これは……スラお姉様!
何やら綺麗な女性と夢さんが食事の間に現れました!」
「なんだとぉ!
イムよ、すぐに偵察に向かう準備を!」
「かしこまりました!」
二人はエレベーターに乗り込み十七階へ向かった。
直接十六階に行けば、即バレしてしまうからだ。
二人は器用にスライムを使い、十六階の入り口へ到着した。
「ふっふっふ、我ながら完璧な移動であった」
「さすがです、スラお姉様!」
全く音をたてることなく十六階に到着した二人。
しかし、そんな二人に迫る影。
「おいお前たち、そこで何してるんだ?」
「ゆ、夢さん! どうして気づいたのですか?」
「なぜバレたのだ……我は完璧だったはず……」
ここで場所を戻そう。
恥ずかしがる俺に、女神様が一言。
「あら、誰か来たようね。お客さんかしら?」
「え、どこですか?」
「私たちが入ってきたところに二人、水色髪の子と私と同じピンク髪の子ね」
俺は半信半疑で入り口へ向かった。
なぜ半信半疑なのか、理由は簡単だ。
唯一の移動手段であるエレベーターが動いていないからだ。
女神様でも間違えることがあるんだなと思いながら、入り口に近づくと話し声が聞こえてくる。
しかもこの声は、スラとイムだ。
「おいお前たち、そこで何してるんだ?」
「ゆ、夢さん! どうして気づいたのですか?」
「なぜバレたのだ……我は完璧だったはず……」
「俺も気づかなかったんだけど、女神様が言うから」
「女神様!?」
二人は口を揃えて驚いている。
それから早足で女神様の元に向かい、真横でじーっと全身をくまなく見ている。
「あら、こんなに可愛らしい子に見つめられるとさすがに照れてしまいますね」
顔を赤らめ照れる女神様にスラとイムは心を奪われたらしく、ピッタリくっついて離れない。
「女神様すごくいい匂いしますね」
「我はもうここに住むことにした」
「あらあら、本当に可愛いわね。
持って帰っちゃいましょうか、うふふ」
女神様の魅力は、あっという間に人をダメにしてしまうらしい。
女神様……恐るべし。
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