新 或る実験の記録

フロイライン

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失踪者調査班編

捜査開始

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「吉岡先生
なんでワタシ達が警察みたいに捜査に参加するんですか?」

ワタシは、吉岡先生と二人きりになると、さっそく質問してみた。


「フツーに考えればそうね。
でも、ワタシは元警察官だし、丸っきりの素人ってわけでもないのよ。」


「それはたしかに…
でも、ワタシまで参加するなんて、結果として足を引っ張るカタチにならないか、すごく心配です。」


「それは大丈夫よ。

どっちにしても乃亜ちゃん、ヒマにしてたでしょ?

まだカノジョと再会するまで何ヶ月もあるのよ。
ちょっとでもハリのある日々を過ごす方がいいでしょ?」


「まあ、それは…」

上手い事言って、もう…

「まあ、今回の事件について、そう簡単には済ませられない側面があるのは事実なのよね。」


「どういう事ですか?」


「この国はね、色々とおかしな事があって。

何かが起きた時、国の方針、命令よりも、それぞれの省庁からの指示を優先する事が、時にはあるってこと。」


「えっ、意味がわかんないです。」


「今回の事件は、ひょっとしたら外国の仕業ではないかもしれない。」


「やっぱり、ライバルの製薬会社が絡んでると?」


「いえ、それはないでしょう。

ワタシ…いや、センターとしては、この件について独自に調査する必要があるってこと。」


「えっ、なんでですか?」


「さっきも、上の人間と話をしてたんだけど、今回の件は謎が多すぎて、警察の話も全部を信用するわけにはいかないって。」
 

「だから、厚労省と共にワタシ達も独自に?」


「厚労省だってどこまで信用できるかはわからないけどね。
少なくとも、政府と警察に比べたらまだマシだって事くらい。」


「なるほど」


「ワタシ達が独自に調べて押さえとく必要があるってわけよ。
そして、一緒に行動し、信用出来る人間ていったら、あなたしかいないのよ。
乃亜ちゃん。」


「…

わかりました。
お役に立てるかどうかはわかりませんが、頑張ります。」


「ありがとう。
表向きは厚労省に協力する形を取るから、現地調査などは向こうと一緒に行動するからね。」


「はい。
でも、体力もこんなに落ちちゃってるし、いざという時に何も出来なくなるのが少し怖いですね。」


「そうね。
主人にも話をして手伝ってもらうつもりだし、過去に起きた事件の時に協力してもらった人達にも密かに声をかけてみるわ」

吉岡先生はワタシにそう言い、自らを納得させるように深く頷いた。


なんか、すごく嫌な予感がする

いや、悪い感じしかしない。
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