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拉致
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「騒ぐな。
少しでも席から動いたら殺す。
これは脅しではない。」
男のうちの一人がそう言って、ワタシ達を脅した。
口調はかなり冷静だ。
ワタシ達に銃を突きつけている男も、運転席にいる男も、サングラスにマスク姿でどんな顔か全くわからない。
ただ、ワタシには彼らが何の目的でここにいるか…それだけはわかっていた。
そう…このプロジェクトを妨害しようとする勢力に違いない。
今回もあの公安の人達が助け出してくれるんだろうか?
いや、事前にそういう話も耳にしなかったし、そんな雰囲気もなかった。
つまり、吉岡先生もセンターも全く想定していなかったのではないか…
あ、吉岡先生はどうしたんだろう?
ワタシは身を乗り出して前方を見た。
ワタシ達のバスの前に、犯人達のワゴン車が走っている。
きっとこれに乗せられているに違いない…
ワタシ達十人と吉岡先生は、これからどこかに連れて行かれるのだ。
ワタシ以外のメンバーはみんなパニックになり、泣いているものもいた。
性転換して皆が臆病になっているし、体力の低下もあって、心理的な変化はさらに顕著になっている。
ムリもないこと…
ワタシだけは前回、自宅で襲われた経験があって、免疫というか耐性があった。
その分、犯人達の事をみんなよりは冷静に観察する事が出来たのだった。
この前、ワタシを襲った男達は明らかに日本人ではなかった。
使っていた言語からして中国人ではないだろうか。
しかし、この男達は日本語を使っていた。
それもネイティブな日本人が使うのと変わらないレベルのものを。
つまり、コイツらは日本人。
といっても、外国の組織に雇われている日本人かもしれないが…
吉岡先生達から聞いた話を元にすると、ワタシ達が行っている性転換計画を快く思っていない勢力が国内外にあり、それを妨害または情報を盗もうとしている。
と、なると…
ワタシらはどこかに連れて行かれて始末されてしまうのか?
それとも、この前のように拉致されて、体を調べられるのか…
どちらにしても危機的状況には変わりない。
外部の人になんとか知らせないと…
あ、そうだ!
今日行く予定の産婦人科の病院が、予定の時間になってもワタシ達が現れなかったら、おかしいと思って、きっとセンターに電話を入れてくる。
それに賭けるか…
でも、そこから警察が動き出すとして、ワタシ達の救出に間に合うのだろうか…
だって車はどんどん山奥に入っていき、さらに人や車のいないところを選んで進んでいる。
絶対絶命のピンチ…
少しでも席から動いたら殺す。
これは脅しではない。」
男のうちの一人がそう言って、ワタシ達を脅した。
口調はかなり冷静だ。
ワタシ達に銃を突きつけている男も、運転席にいる男も、サングラスにマスク姿でどんな顔か全くわからない。
ただ、ワタシには彼らが何の目的でここにいるか…それだけはわかっていた。
そう…このプロジェクトを妨害しようとする勢力に違いない。
今回もあの公安の人達が助け出してくれるんだろうか?
いや、事前にそういう話も耳にしなかったし、そんな雰囲気もなかった。
つまり、吉岡先生もセンターも全く想定していなかったのではないか…
あ、吉岡先生はどうしたんだろう?
ワタシは身を乗り出して前方を見た。
ワタシ達のバスの前に、犯人達のワゴン車が走っている。
きっとこれに乗せられているに違いない…
ワタシ達十人と吉岡先生は、これからどこかに連れて行かれるのだ。
ワタシ以外のメンバーはみんなパニックになり、泣いているものもいた。
性転換して皆が臆病になっているし、体力の低下もあって、心理的な変化はさらに顕著になっている。
ムリもないこと…
ワタシだけは前回、自宅で襲われた経験があって、免疫というか耐性があった。
その分、犯人達の事をみんなよりは冷静に観察する事が出来たのだった。
この前、ワタシを襲った男達は明らかに日本人ではなかった。
使っていた言語からして中国人ではないだろうか。
しかし、この男達は日本語を使っていた。
それもネイティブな日本人が使うのと変わらないレベルのものを。
つまり、コイツらは日本人。
といっても、外国の組織に雇われている日本人かもしれないが…
吉岡先生達から聞いた話を元にすると、ワタシ達が行っている性転換計画を快く思っていない勢力が国内外にあり、それを妨害または情報を盗もうとしている。
と、なると…
ワタシらはどこかに連れて行かれて始末されてしまうのか?
それとも、この前のように拉致されて、体を調べられるのか…
どちらにしても危機的状況には変わりない。
外部の人になんとか知らせないと…
あ、そうだ!
今日行く予定の産婦人科の病院が、予定の時間になってもワタシ達が現れなかったら、おかしいと思って、きっとセンターに電話を入れてくる。
それに賭けるか…
でも、そこから警察が動き出すとして、ワタシ達の救出に間に合うのだろうか…
だって車はどんどん山奥に入っていき、さらに人や車のいないところを選んで進んでいる。
絶対絶命のピンチ…
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