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悔恨
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ワタシと涼音との話は終わり、二人で教室に戻っていった。
教室では、ワタシ達性転換者に女子側から質問がされていて、それに絵里を中心としたメンバーが答えていた。
ワタシも涼音もそれぞれの席に着き、輪の中に入った。
「皆さんは、私達と同様に、違う性になりたくてなったんじゃないと思うんですけど、実際に男性から女性になってみて、気持ち的にはどうなんですか」
この中では比較的に年齢を重ねた感のある女性が、ワタシ達に質問をした。
男性から女性に性転換したメンバーはワタシ以外は二十代だったが、女性から男性に性転換する人達は、三十代前半の人もいるらしい。
それは、男性と女性の孕妊性の違いから来てる話みたいで、うーん…どう表現すればいいんだろう…
種は少々古くても大丈夫だけど、畑は新しい方が良いって事だ。
今、質問した人も多分、三十過ぎだろう。
その人の質問に、やはり絵里が答えた。
「ご質問されたように、ワタシ達は自ら望んで女性に性転換したわけではありません。
それぞれが事情があって、このプロジェクトに応募したんです。
それは皆さんも同じだと思います。
でも、実際に女性になってみると、自分でも驚くほどに新しい性を楽しんでおり、もし、今、男に戻してやるって言われても、ワタシは拒否します。
他のみんなもそうだと思います。」
絵里がこっちを見て言ったので、ワタシも頷いた。
「そろそろ時間なので、次に行きたいと思います。
皆さん、授業中にお邪魔してすみませんでした。」
西原先生は、ワタシ達と吉岡先生に礼を言って立ち上がると、次の施設を見学するために、女子達を連れて教室から出ていった。
列の最後にいた涼音は、ワタシと目が合うと、力強く頷き、そして笑みを浮かべて去っていった。小さく手を振りながら。
「乃亜ちゃんの元カノってすごく美人なんだね」
絵里は、ワタシに向かってそう言った。
「はい。ワタシも美人だと思います。
女性として見てもそう感じます。」
ワタシは、素直な気持ちを絵里に言った。
「性転換したらかなりのイケメンになるんじゃないかしら」
「だったら嬉しいんですけど…」
「あまりカッコよくなられても、浮気される心配があるから、それはそれで考えものよね」
「えーっ、絵里さん
そんな事言わないで下さいよー」
「ごめんごめん
ついつい」
絵里は焦るワタシを見て笑った。
明日…
少なくとも明後日には、涼音は女から男になり、性転換が完了してるはずだ…
そのとき、面会は許されるのだろうか…
教室では、ワタシ達性転換者に女子側から質問がされていて、それに絵里を中心としたメンバーが答えていた。
ワタシも涼音もそれぞれの席に着き、輪の中に入った。
「皆さんは、私達と同様に、違う性になりたくてなったんじゃないと思うんですけど、実際に男性から女性になってみて、気持ち的にはどうなんですか」
この中では比較的に年齢を重ねた感のある女性が、ワタシ達に質問をした。
男性から女性に性転換したメンバーはワタシ以外は二十代だったが、女性から男性に性転換する人達は、三十代前半の人もいるらしい。
それは、男性と女性の孕妊性の違いから来てる話みたいで、うーん…どう表現すればいいんだろう…
種は少々古くても大丈夫だけど、畑は新しい方が良いって事だ。
今、質問した人も多分、三十過ぎだろう。
その人の質問に、やはり絵里が答えた。
「ご質問されたように、ワタシ達は自ら望んで女性に性転換したわけではありません。
それぞれが事情があって、このプロジェクトに応募したんです。
それは皆さんも同じだと思います。
でも、実際に女性になってみると、自分でも驚くほどに新しい性を楽しんでおり、もし、今、男に戻してやるって言われても、ワタシは拒否します。
他のみんなもそうだと思います。」
絵里がこっちを見て言ったので、ワタシも頷いた。
「そろそろ時間なので、次に行きたいと思います。
皆さん、授業中にお邪魔してすみませんでした。」
西原先生は、ワタシ達と吉岡先生に礼を言って立ち上がると、次の施設を見学するために、女子達を連れて教室から出ていった。
列の最後にいた涼音は、ワタシと目が合うと、力強く頷き、そして笑みを浮かべて去っていった。小さく手を振りながら。
「乃亜ちゃんの元カノってすごく美人なんだね」
絵里は、ワタシに向かってそう言った。
「はい。ワタシも美人だと思います。
女性として見てもそう感じます。」
ワタシは、素直な気持ちを絵里に言った。
「性転換したらかなりのイケメンになるんじゃないかしら」
「だったら嬉しいんですけど…」
「あまりカッコよくなられても、浮気される心配があるから、それはそれで考えものよね」
「えーっ、絵里さん
そんな事言わないで下さいよー」
「ごめんごめん
ついつい」
絵里は焦るワタシを見て笑った。
明日…
少なくとも明後日には、涼音は女から男になり、性転換が完了してるはずだ…
そのとき、面会は許されるのだろうか…
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