55 / 139
許嫁
しおりを挟む
「乃亜…
やっとここまで来たわ」
涼音はワタシと二人きりになると、少し笑みを浮かべて言った。
「でも、涼音…
ホントにいいの?
男になんかなりたくないでしょ…」
「うん。なりたくないわ…
でも、そんな事がどうでもよくなるくらい、あなたの事が好きなの。
だから、この選択に少しも後悔してないわ。」
「涼音…」
「明日には、男になり、あなたと反対の性になれるの。
これで私たちには何の障害もなくなるわ。」
「でも、こんなに美しい涼音が男になってしまうなんて…
もったいないというか、見たくないっていうか…
後悔するかもしれないよ…」
「後悔?
そんなのするわけないわ。
乃亜は女の子になって、後悔してる?」
「えっ
ううん…
女性になった事には後悔はないわ。
勿論、涼音との事とか悲しい事は沢山あったけど、それ以外は…」
「多分、私もそうなる。
完全な性転換をする今回の実験は、脳まで変えてしまうって聞いてるわ。
だから、今の性を乃亜が何の違和感もなく受け入れてるのと同じで、私もきっとすんなり受け入れる事が出来るはず。
だから、不安な気持ちは微塵もないわ。」
あまりにも涼音の言葉は力強く、性転換前から既にワタシより男っぽいって思えた。
「ねえ、乃亜」
「えっ」
「もし、私が性転換せずにいたら、あなたは誰ともわからない男と結婚させられて、子供を何人も産まされる運命だったわけじゃない?
そんなの私には耐えられない
だから、私の選択は間違っていないと思ってる。」
「涼音…」
「出荷はもうすぐなんでしょ?」
「うん。
多分…
三ヶ月後には男性とのお見合いが始まると思う。」
「私と乃亜の事が認められたから、私が性転換して、男性としての基礎訓練を行う間は、あなたはここで留まる事が出来る。
そして、私は他のメンバーとは離れ、先にあなたと実験を行うために、またここに戻ってくるわ。
これが現状では一番良い選択だと思うわ。」
「涼音、ありがとう…」
「だから言ったでしょ?
私がしたくてしてる事だからって。」
涼音はどこまでも美しく、凛としていて、何から何までパーフェクトな女性だった。
少なくともワタシにはそう見えた。
でも、男の時にあった恋愛感情は全く無いし、湧いてくる事もなかった。
やっとここまで来たわ」
涼音はワタシと二人きりになると、少し笑みを浮かべて言った。
「でも、涼音…
ホントにいいの?
男になんかなりたくないでしょ…」
「うん。なりたくないわ…
でも、そんな事がどうでもよくなるくらい、あなたの事が好きなの。
だから、この選択に少しも後悔してないわ。」
「涼音…」
「明日には、男になり、あなたと反対の性になれるの。
これで私たちには何の障害もなくなるわ。」
「でも、こんなに美しい涼音が男になってしまうなんて…
もったいないというか、見たくないっていうか…
後悔するかもしれないよ…」
「後悔?
そんなのするわけないわ。
乃亜は女の子になって、後悔してる?」
「えっ
ううん…
女性になった事には後悔はないわ。
勿論、涼音との事とか悲しい事は沢山あったけど、それ以外は…」
「多分、私もそうなる。
完全な性転換をする今回の実験は、脳まで変えてしまうって聞いてるわ。
だから、今の性を乃亜が何の違和感もなく受け入れてるのと同じで、私もきっとすんなり受け入れる事が出来るはず。
だから、不安な気持ちは微塵もないわ。」
あまりにも涼音の言葉は力強く、性転換前から既にワタシより男っぽいって思えた。
「ねえ、乃亜」
「えっ」
「もし、私が性転換せずにいたら、あなたは誰ともわからない男と結婚させられて、子供を何人も産まされる運命だったわけじゃない?
そんなの私には耐えられない
だから、私の選択は間違っていないと思ってる。」
「涼音…」
「出荷はもうすぐなんでしょ?」
「うん。
多分…
三ヶ月後には男性とのお見合いが始まると思う。」
「私と乃亜の事が認められたから、私が性転換して、男性としての基礎訓練を行う間は、あなたはここで留まる事が出来る。
そして、私は他のメンバーとは離れ、先にあなたと実験を行うために、またここに戻ってくるわ。
これが現状では一番良い選択だと思うわ。」
「涼音、ありがとう…」
「だから言ったでしょ?
私がしたくてしてる事だからって。」
涼音はどこまでも美しく、凛としていて、何から何までパーフェクトな女性だった。
少なくともワタシにはそう見えた。
でも、男の時にあった恋愛感情は全く無いし、湧いてくる事もなかった。
2
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる