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母性
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「先生
ワタシ達には母性ってものがないっておっしゃるんですか?」
「いえ、そうは言っていません。
今、皆さんは女性になってみて、心境の変化を感じてるんではないですか
菅原さん、どうかな?」
えっ、ワタシ…
「そ、そうですね
多分、男だった時には思いもしなかった発想をしたり、趣味とか嗜好が変わったっていう自覚があります。」
ワタシがそう言うと、吉岡センター長も頷いた。
「ワタシも一度は男に戻ることが出来て、以前のように警官に復職して勤務していましたが、結局は女性だったときの思考が抜けきれず、再び女性に性転換する事を選びました。
それから結婚し、出産も経験しましたが、ワタシについてはその全てを受け入れる事が出来ました。」
先生、子供産んでるんだ…
「ワタシの場合は、プロトタイプの薬ですし、最初に性転換したときの経緯を考えても、皆さんと同じ目線で論じる事は出来ませんので…
皆さんのこれからの成り行きを国も注意深く観察しているというのが本当のところです。」
「先生、ワタシからも質問していいですか?」
ここで、直人が発言した。
「どうぞ。」
「こうして無事に性転換したわけですが、これから出産までのスケジュールをだいたいで結構ですので教えてくれませんか。」
「わかりました。
皆さんにはこれから女性として生きていく上で最低限必要な知識であったり、技術を学んでいただきます。
それと同時に落ちてしまった体力を回復させる訓練を受けていただきます。
どちらも約八か月間を要します。
全ての過程終了後、一般社会に出て、普通に生活していただきます。
女性として。」
「つまり、女性として仕事をしたりするって事ですか?」
「そうですね。
勿論、皆さんの素性は外部には公表しませんので、戸籍であったりそれまでの経歴などは、私共…いえ、国の方で抹消し、新たな経歴を作成しますのでご安心下さい。」
「要するにその社会生活の中で交際相手を見つけて結婚、妊娠まで持っていけということですか?」
「はい。
ですが、あくまでもプロジェクトの一環としてのことですので、時間は有限です。
皆さんに与えられた時間は二年です。
二年過ぎて妊娠まで持っていけない場合は、強制的に国が決めた相手と見合いし、結婚、妊娠というスケジュールに従っていただきます。」
「わかりました…」
直人は気持ちの入っていない返事をした。
ワタシ達には母性ってものがないっておっしゃるんですか?」
「いえ、そうは言っていません。
今、皆さんは女性になってみて、心境の変化を感じてるんではないですか
菅原さん、どうかな?」
えっ、ワタシ…
「そ、そうですね
多分、男だった時には思いもしなかった発想をしたり、趣味とか嗜好が変わったっていう自覚があります。」
ワタシがそう言うと、吉岡センター長も頷いた。
「ワタシも一度は男に戻ることが出来て、以前のように警官に復職して勤務していましたが、結局は女性だったときの思考が抜けきれず、再び女性に性転換する事を選びました。
それから結婚し、出産も経験しましたが、ワタシについてはその全てを受け入れる事が出来ました。」
先生、子供産んでるんだ…
「ワタシの場合は、プロトタイプの薬ですし、最初に性転換したときの経緯を考えても、皆さんと同じ目線で論じる事は出来ませんので…
皆さんのこれからの成り行きを国も注意深く観察しているというのが本当のところです。」
「先生、ワタシからも質問していいですか?」
ここで、直人が発言した。
「どうぞ。」
「こうして無事に性転換したわけですが、これから出産までのスケジュールをだいたいで結構ですので教えてくれませんか。」
「わかりました。
皆さんにはこれから女性として生きていく上で最低限必要な知識であったり、技術を学んでいただきます。
それと同時に落ちてしまった体力を回復させる訓練を受けていただきます。
どちらも約八か月間を要します。
全ての過程終了後、一般社会に出て、普通に生活していただきます。
女性として。」
「つまり、女性として仕事をしたりするって事ですか?」
「そうですね。
勿論、皆さんの素性は外部には公表しませんので、戸籍であったりそれまでの経歴などは、私共…いえ、国の方で抹消し、新たな経歴を作成しますのでご安心下さい。」
「要するにその社会生活の中で交際相手を見つけて結婚、妊娠まで持っていけということですか?」
「はい。
ですが、あくまでもプロジェクトの一環としてのことですので、時間は有限です。
皆さんに与えられた時間は二年です。
二年過ぎて妊娠まで持っていけない場合は、強制的に国が決めた相手と見合いし、結婚、妊娠というスケジュールに従っていただきます。」
「わかりました…」
直人は気持ちの入っていない返事をした。
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