或る実験の記録

フロイライン

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枕営業

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「あっ、イク」

堀口は私の中に挿入して1分足らずでイッてしまった。




そう、私たちはホテルにいた。

「す、すいません…
自分、早漏で…」

堀口は顔を赤くしながら、俯いた。

「気にしないで。

すごく気持ちよかったよ。
堀口さんも気持ちよかった?」


「うん

すごく…」


堀口は頭を掻いて頷いた。


「ハグして。

した後にギュッてしてもらうのが好きなの」

私の求めに応じて堀口はぎこちない手つきで私に腕を回してきた。


それから、二人でベッドに入り、堀口の腕枕で色んな話をした。


「吉岡さん…

さっき、RH-3の話をしましたけど、途中でやめてしまってすみません。

あなたを信用していないわけじゃなくて、これについては…」


「いいのよ。
もう、何も言わなくて…」

私は堀口が喋り続けようとしていたのを塞ぐように唇に自らの唇を合わせた。

しばらくの間、舌と舌、唾液が絡み合う音が静かな部屋に響き渡っていった。



「でも。途中で言いかけてやめるのは僕も好きじゃないんで…

絶対に口外しないと約束してください。」

「うん。もちろんよ。」


堀口は意を決したのか、この話の全容をポツリポツリと話し始めた。


「吉岡さんに使われた女性への性転換薬は、ご存知の通り、男性を女性にして、所謂出産率を上げる為に作られたものです。」

「話の途中で悪いんだけど、まあ、それはわかるの。
でも、先ずは性同一性障害の人がいるじゃない?
自分の心の性と体の性の違いに苦しんでる人が。

その人達に募集をかけるのか普通だし、やり易いんじゃない?」


「ええ。誰もがそう考えると思います。

しかし、そのような人達に薬を使った場合、完全に性転換出来ないという事例が多発しました。
そして、全員を調べましたが孕妊性を有してなかった。」


「えっ」


「それについては今も明確な理由はわかっていません。

吉岡さんのように性自認が男性だった人に使用するのが一番効果がある
これだけは確かです。」


「…」


「薬を開発した後、我々は慎重に実験を進めようとしていました。
まだプロトタイプの段階でもありましたし…

しかし、性急な考えの伊藤が、例の国と交渉して向こうに研究施設を建て、自分の子飼いの研究者達を使って好き放題やりました。」


「なるほどね…」


「吉岡さんには、ファイン製薬の一社員として本当に申し訳なく、責任を感じています。」


「もう、その事はいいのよ。
私も女性としての生活を今はすごく楽しんでるし、男に戻るつもりもないのよ。」


「そうですか…
そう言っていただけると、私も救われます
ありがとうございます。

すいません、話が脱線しましたが、RH-3計画についてですが…」

堀口は驚くべき話を私にするのであった。
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