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逡巡
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「伊藤先生。
あなたのお話はよくわかりました。
もう帰って結構ですよ。」
私達は伊藤の手足を解き、彼を解放した。
「お前ら、自分のやった事を後悔するなよ。
全員即逮捕だ。」
また強気に言い放つ伊藤に、沢渡さんはその言葉にかぶせるように言い返した。
「伊藤先生、申し訳ないですが、今の先生のお話は全て録画させていただきました。
この事をあらゆるメディアを使って公表しましょうか?
いくら圧力がかかっているとはいえ、それは国内だけの話です。
ほら、外国メディアが騒いで、仕方なく国内でも報じて明るみに出るってやつがありましたよね?この前にも。
それと同じ事をしてみる事だって可能ですよ。
それくらいこの事件の闇は大きいんでね。」
「…」
伊藤は言葉を失った。
さっきから黙って聞いていた宮川さんが続いて口を挟んだ。
「伊藤先生、ウチの党でも徹底的に追及していきますよ。
あなたのやった悪事についてね。」
「そんな事をしたら、友政党も大怪我をするぞ。」
この時ばかりは伊藤は自信ありげに反論した。
「この計画は民国党単独でやったわけではない。超党派の議員達で実行に移されていた。」
「憂国議員連盟…」
私がそう言うと、伊藤はシャツを羽織り、ボタンを留めながら頷いた。
「まあ、どこも手足が出せない三竦み状態になるわけか…
それはそれで抑止力になっていい。」
沢渡さんは我々の身の安全が保たれる事を考え、自分に言い聞かせるように呟いた。
「まあ、明日のニュースはお前らの逮捕がトップに来るだろうな。
報いを受けるがいい。」
吐き捨てるように言うと、伊藤は部屋を飛び出していった。
あなたのお話はよくわかりました。
もう帰って結構ですよ。」
私達は伊藤の手足を解き、彼を解放した。
「お前ら、自分のやった事を後悔するなよ。
全員即逮捕だ。」
また強気に言い放つ伊藤に、沢渡さんはその言葉にかぶせるように言い返した。
「伊藤先生、申し訳ないですが、今の先生のお話は全て録画させていただきました。
この事をあらゆるメディアを使って公表しましょうか?
いくら圧力がかかっているとはいえ、それは国内だけの話です。
ほら、外国メディアが騒いで、仕方なく国内でも報じて明るみに出るってやつがありましたよね?この前にも。
それと同じ事をしてみる事だって可能ですよ。
それくらいこの事件の闇は大きいんでね。」
「…」
伊藤は言葉を失った。
さっきから黙って聞いていた宮川さんが続いて口を挟んだ。
「伊藤先生、ウチの党でも徹底的に追及していきますよ。
あなたのやった悪事についてね。」
「そんな事をしたら、友政党も大怪我をするぞ。」
この時ばかりは伊藤は自信ありげに反論した。
「この計画は民国党単独でやったわけではない。超党派の議員達で実行に移されていた。」
「憂国議員連盟…」
私がそう言うと、伊藤はシャツを羽織り、ボタンを留めながら頷いた。
「まあ、どこも手足が出せない三竦み状態になるわけか…
それはそれで抑止力になっていい。」
沢渡さんは我々の身の安全が保たれる事を考え、自分に言い聞かせるように呟いた。
「まあ、明日のニュースはお前らの逮捕がトップに来るだろうな。
報いを受けるがいい。」
吐き捨てるように言うと、伊藤は部屋を飛び出していった。
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