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アフター
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伊藤は次の店に行くために、お付きの人に店の前まで車を回すように伝えた。
私は荷物を取りに控え室に戻り、そして、トイレから沢渡さんに電話をかけた。
「佐渡さん、これから伊藤とアフターに行く事になりました。」
「やりましたね!」
「どこに連れてかれるかはわかりませんが、何とか例の段階までもっていけるよう頑張ってみます。」
「ナオさん
無理しないで下さいね。
自分の身を守る事を優先して下さい。
場所がわかれば教えて下さい。私も近くで待機します。
愛さんと宮川さんには私の方から連絡しておきます。」
「よろしくお願いします。
また何かわかったらご連絡します。」
私は電話を切ると、上着を羽織り、バッグを持って慌てて伊藤の元へ向かった。
ただ、マスコミ対策なのか、伊藤の車には私は乗れず
タクシーを呼んで、後から追走する形となった。
車を走らせる事10分
着いたのは高級そうなホテルだった。
(レイトンホテル…)
私は車を降りて伊藤とホテル内で合流すると、エレベーターに乗せられ、最上階にあるバーに案内された。
「ここは私の行きつけでね。
誰の目も気にせずゆっくり飲める場所なんだよ。」
目を気にしなきゃいけないのはあなただけでしょ
そう言いたいところを抑えて、窓から見える夜景に一々感動してやった。
そして、トイレに行き沢渡さんに連絡。
「レイトンの最上階にあるバーです。」
「あー、伊藤の行きつけのバーですね。
愛さんと宮川さんにも連絡して、来てくれるそうなんで、近くまで行って待機します。」
「SPも帰らせたようで、今は二人きりです。
後は作戦通りに頑張ります。
なんとか今日中に決めてしまいたいんで。」
「無理をしないで下さいね。
ここまで親しくなれたら十分です。
今後もチャンスはありますから。」
沢渡さんはそう言ってくれたが、石津さんの事もあり、私にはかなり焦りがあった。
席に戻った私は、伊藤との会話の続きを楽しんでるように見せかけながら、出てくる話題の内容に必死に合わせていった。
伊藤も相当気に入ってくれたようだ。
「なつみは頭が良いよな。私の会話についてきた女性はキミが初めてだよ。」
「頭は良くないです。
でも先生がお話して下さる政治の事は、とても興味があって、本当に面白いです。」
「それは嬉しい事を言ってくれるな。まだ3日くらいは話し続けられるぞ。
しかし、もうこんな時間だな。」
伊藤は腕時計に視線を落とし、そして私を見た。
「そうですね。
楽しくて時間を忘れちゃいました。」
「なつみ、ここのホテルに部屋を取ってるから、よかったら泊まっていくか?」
あ、誘ってきた。
私は一瞬驚いたような顔をし、そして、恥ずかしそうに頷くという芝居をした。
最終段階に入り、私の緊張感はピークに達した。
私は荷物を取りに控え室に戻り、そして、トイレから沢渡さんに電話をかけた。
「佐渡さん、これから伊藤とアフターに行く事になりました。」
「やりましたね!」
「どこに連れてかれるかはわかりませんが、何とか例の段階までもっていけるよう頑張ってみます。」
「ナオさん
無理しないで下さいね。
自分の身を守る事を優先して下さい。
場所がわかれば教えて下さい。私も近くで待機します。
愛さんと宮川さんには私の方から連絡しておきます。」
「よろしくお願いします。
また何かわかったらご連絡します。」
私は電話を切ると、上着を羽織り、バッグを持って慌てて伊藤の元へ向かった。
ただ、マスコミ対策なのか、伊藤の車には私は乗れず
タクシーを呼んで、後から追走する形となった。
車を走らせる事10分
着いたのは高級そうなホテルだった。
(レイトンホテル…)
私は車を降りて伊藤とホテル内で合流すると、エレベーターに乗せられ、最上階にあるバーに案内された。
「ここは私の行きつけでね。
誰の目も気にせずゆっくり飲める場所なんだよ。」
目を気にしなきゃいけないのはあなただけでしょ
そう言いたいところを抑えて、窓から見える夜景に一々感動してやった。
そして、トイレに行き沢渡さんに連絡。
「レイトンの最上階にあるバーです。」
「あー、伊藤の行きつけのバーですね。
愛さんと宮川さんにも連絡して、来てくれるそうなんで、近くまで行って待機します。」
「SPも帰らせたようで、今は二人きりです。
後は作戦通りに頑張ります。
なんとか今日中に決めてしまいたいんで。」
「無理をしないで下さいね。
ここまで親しくなれたら十分です。
今後もチャンスはありますから。」
沢渡さんはそう言ってくれたが、石津さんの事もあり、私にはかなり焦りがあった。
席に戻った私は、伊藤との会話の続きを楽しんでるように見せかけながら、出てくる話題の内容に必死に合わせていった。
伊藤も相当気に入ってくれたようだ。
「なつみは頭が良いよな。私の会話についてきた女性はキミが初めてだよ。」
「頭は良くないです。
でも先生がお話して下さる政治の事は、とても興味があって、本当に面白いです。」
「それは嬉しい事を言ってくれるな。まだ3日くらいは話し続けられるぞ。
しかし、もうこんな時間だな。」
伊藤は腕時計に視線を落とし、そして私を見た。
「そうですね。
楽しくて時間を忘れちゃいました。」
「なつみ、ここのホテルに部屋を取ってるから、よかったら泊まっていくか?」
あ、誘ってきた。
私は一瞬驚いたような顔をし、そして、恥ずかしそうに頷くという芝居をした。
最終段階に入り、私の緊張感はピークに達した。
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