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僥倖
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今日は定期会合の日だ。
少し早めに起きて、いつものカラオケボックスに向かった。
クラブで働くようになってから昼夜が逆転してしまい、早起きすると、一日中眠くて辛い。
夜型生活はなによりもお肌に良くない…
まあ、仕方ないか…
いつものように宮川さんが遅れてきた以外は時間通りに三人は顔合わせが出来た。
「吉岡さん、なんか感じ変わりましたね?」
沢渡さんは私を見るなり、少し驚いたような表情を見せて言った。
「えっ、そうですか?」
「なんか美しさが増したっていうか…」
「そうよ。ただでさえ美人だったのに、女子力爆上がりってカンジじゃん」
愛さんも同調した。
確かに髪型とか、化粧法、服装など自分の趣味とは違う感じにはしているが、そんな自覚は全くない。
「なんにも変わってないですよ。
そんなことより、沢渡さん。
伊藤が全然来ませんけど、本当に来るんですか?
もう来ないんじゃないかって、少し焦ってるんですけど。」
「大丈夫、必ず来ます。
もう少しの辛抱ですよ。」
「まあ、おかげで水商売の勉強をする時間がいただけたので、それはそれで助かってるんですけど。
この仕事、あんまり自分には向いてないなって。」
「いや、お似合いですよ。
こんな美人のホステスさんがいたら、私でも店に通ってしまいますよ。」
「沢渡さんもなんか口が上手くなりましたね。
とにかく、私は元巡査なので…やはりホステスには向いてません。
もう少し待ってはみますけど、早く来てほしいです。
来たところで私が横に付けるかどうかはわかりませんがね。」
「伊藤の事は吉岡さんにお任せします。
私は新たに得た情報から、別の案件を追っています。
案外、拉致事件に繋がってくるかもしれません。」
沢渡は私と愛さん、そしてちょうど入ってきた宮川さんに向かって話をした。
「別の案件?」
宮川さんが聞くと、沢渡さんは頷いた。
「ホラ、蜷川病院の医療事故のニュースですよ」
「あぁ、ありましたね。
ですが、あれが何か?」
「職業柄、情報源が数多くありましてね。」
「ほう。」
「単なる医療事故ではないって話です。」
沢渡さんはそう言ったが、詳しくは話してくれなかった。
まだ不確かな事が多いからだとか…
「私の方では拉致事件の調査報告書の開示を求めて動いています。」
宮川さんの話では、何故か報告書の大半が紛失しており、閲覧できなくなっているのだとか。
この国は一体どうなっているんだろう。
正義ってあるのだろうか
少し早めに起きて、いつものカラオケボックスに向かった。
クラブで働くようになってから昼夜が逆転してしまい、早起きすると、一日中眠くて辛い。
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まあ、仕方ないか…
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沢渡さんは私を見るなり、少し驚いたような表情を見せて言った。
「えっ、そうですか?」
「なんか美しさが増したっていうか…」
「そうよ。ただでさえ美人だったのに、女子力爆上がりってカンジじゃん」
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「なんにも変わってないですよ。
そんなことより、沢渡さん。
伊藤が全然来ませんけど、本当に来るんですか?
もう来ないんじゃないかって、少し焦ってるんですけど。」
「大丈夫、必ず来ます。
もう少しの辛抱ですよ。」
「まあ、おかげで水商売の勉強をする時間がいただけたので、それはそれで助かってるんですけど。
この仕事、あんまり自分には向いてないなって。」
「いや、お似合いですよ。
こんな美人のホステスさんがいたら、私でも店に通ってしまいますよ。」
「沢渡さんもなんか口が上手くなりましたね。
とにかく、私は元巡査なので…やはりホステスには向いてません。
もう少し待ってはみますけど、早く来てほしいです。
来たところで私が横に付けるかどうかはわかりませんがね。」
「伊藤の事は吉岡さんにお任せします。
私は新たに得た情報から、別の案件を追っています。
案外、拉致事件に繋がってくるかもしれません。」
沢渡は私と愛さん、そしてちょうど入ってきた宮川さんに向かって話をした。
「別の案件?」
宮川さんが聞くと、沢渡さんは頷いた。
「ホラ、蜷川病院の医療事故のニュースですよ」
「あぁ、ありましたね。
ですが、あれが何か?」
「職業柄、情報源が数多くありましてね。」
「ほう。」
「単なる医療事故ではないって話です。」
沢渡さんはそう言ったが、詳しくは話してくれなかった。
まだ不確かな事が多いからだとか…
「私の方では拉致事件の調査報告書の開示を求めて動いています。」
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正義ってあるのだろうか
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