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recruit
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銀座のクラブ「sapphire」は高級店として知られており、働く女性の質、店の雰囲気などの評判はすこぶる高かった。
宮川さんに裏から手を回してもらい、友政党の国会議員さんの口利きで入店を許された。
水商売なんて初めてだし、右も左もわからない
それどころかまだ女性としての振る舞いも不完全な私には、ここで働く事がどれだけ難しい事か、日が経つにつれ痛いほどわからされた。
マネージャーの岸辺という男もあまり好きになれないタイプで、新人の私にきつく当たってきた。
「金城先生の紹介だかなんだか知らないけどね、ここでは平等に扱わせてもらうからね。」
「はい。」
「ウチはVIPのお客様ばかりだから、しばらくは横に付かせたりもしないから。」
「わかりました。」
「キミ、顔が可愛いから、みんなに意地悪されるかもしれないよ。
女の世界って陰湿だからね。
せいぜい頑張って。」
一々やる気を削ぐような事を言う男だ。
あ、私はここではナツミという名前で出ている。
まあ、新人だし、いきなりお客様の相手なんてさせてもらえないのはわかってる。
それに、伊藤がいつ来るかもわからないし、とにかく気長にその時を待たなければ…
入店二ヶ月が過ぎた頃、最初の心配が嘘のように私の成績が伸び始め、5位に入った。
これはすごい事らしい。
まだまだ付かせてもらえるお客様も限られている中での好成績に、岸辺の態度もコロっと変わり、最近はすごく優しい。
逆に私に対する同僚からの目が厳しくなり、居心地が益々悪くなった。
特に成績トップのマリアって人と、2位の結衣って人からのあたりがキツイ。
心が折れそうだ。
でも、全ては伊藤が現れるまでの辛抱だ。
それまで耐えなければ…
っていうか、沢渡さんの話はアテになんない。
この二ヶ月、伊藤は一度も店を訪れていない。
宮川さんに裏から手を回してもらい、友政党の国会議員さんの口利きで入店を許された。
水商売なんて初めてだし、右も左もわからない
それどころかまだ女性としての振る舞いも不完全な私には、ここで働く事がどれだけ難しい事か、日が経つにつれ痛いほどわからされた。
マネージャーの岸辺という男もあまり好きになれないタイプで、新人の私にきつく当たってきた。
「金城先生の紹介だかなんだか知らないけどね、ここでは平等に扱わせてもらうからね。」
「はい。」
「ウチはVIPのお客様ばかりだから、しばらくは横に付かせたりもしないから。」
「わかりました。」
「キミ、顔が可愛いから、みんなに意地悪されるかもしれないよ。
女の世界って陰湿だからね。
せいぜい頑張って。」
一々やる気を削ぐような事を言う男だ。
あ、私はここではナツミという名前で出ている。
まあ、新人だし、いきなりお客様の相手なんてさせてもらえないのはわかってる。
それに、伊藤がいつ来るかもわからないし、とにかく気長にその時を待たなければ…
入店二ヶ月が過ぎた頃、最初の心配が嘘のように私の成績が伸び始め、5位に入った。
これはすごい事らしい。
まだまだ付かせてもらえるお客様も限られている中での好成績に、岸辺の態度もコロっと変わり、最近はすごく優しい。
逆に私に対する同僚からの目が厳しくなり、居心地が益々悪くなった。
特に成績トップのマリアって人と、2位の結衣って人からのあたりがキツイ。
心が折れそうだ。
でも、全ては伊藤が現れるまでの辛抱だ。
それまで耐えなければ…
っていうか、沢渡さんの話はアテになんない。
この二ヶ月、伊藤は一度も店を訪れていない。
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