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「吉岡さん、あなたのお話を聞いてピンときたんですが、これを見てください。」
沢渡はパソコンの画面を私に向けた。
「伊藤裕之…」
「彼は民国党の代議士の伊藤裕之です。」
「前政権の民国党所属なんですね。それが何か?」
「彼は前政権時は外務大臣も務めていた大物議員です。
もっとも、政権交代時と同じ時期に明るみに出たスキャンダルで議員辞職をして、今は禊ぎ中です。
また次の選挙には普通に出馬してきますよ。それくらいの厚顔無恥さがないと政治家なんて務まりませんから。」
「この伊藤っていう代議士が何か関係あるんですか?」
「彼は超党派の右派で立ち上げた憂国議員連盟に所属していました。
所属というより、彼が中心となるグループです。」
「どういう事ですか?話が見えてこないんですけど。」
「伊藤裕之の母親は、ファイン製薬創業家の令嬢です。
そして、彼は政治家になる前はファイン製薬の新薬の研究室にいたんです。」
「えっ!」
「おかしいと思いませんか?
こうも繋がってくると。
確証を持てるだけのものはまだありませんが、巨大な闇がそこにあるのは間違いないでしょう。」
「沢渡さん。貴重な情報をありがとうございます。
私、ファイン製薬を探ってみます。」
「ありがとうございます。
私が世話になってる出版社は大手じゃないので、この手の記事は平気で出してくれます。まあ、その分皆さんの目に触れる機会は少ないんですが。
それと、海外メディアならさすがに圧力もかけられんでしょうから、そっちへのはたらきかけもしてみますよ。」
「ありがとうございます。」
「また来週お時間をいただけますか?」
「ええ。喜んで。
私の連絡先です」
私は携帯を差し出して、沢渡と連絡先の交換をしてから解散となった。
そうだ。美優のいるファイン製薬に行ってみよう。
今はそこに賭けるしかない。
沢渡はパソコンの画面を私に向けた。
「伊藤裕之…」
「彼は民国党の代議士の伊藤裕之です。」
「前政権の民国党所属なんですね。それが何か?」
「彼は前政権時は外務大臣も務めていた大物議員です。
もっとも、政権交代時と同じ時期に明るみに出たスキャンダルで議員辞職をして、今は禊ぎ中です。
また次の選挙には普通に出馬してきますよ。それくらいの厚顔無恥さがないと政治家なんて務まりませんから。」
「この伊藤っていう代議士が何か関係あるんですか?」
「彼は超党派の右派で立ち上げた憂国議員連盟に所属していました。
所属というより、彼が中心となるグループです。」
「どういう事ですか?話が見えてこないんですけど。」
「伊藤裕之の母親は、ファイン製薬創業家の令嬢です。
そして、彼は政治家になる前はファイン製薬の新薬の研究室にいたんです。」
「えっ!」
「おかしいと思いませんか?
こうも繋がってくると。
確証を持てるだけのものはまだありませんが、巨大な闇がそこにあるのは間違いないでしょう。」
「沢渡さん。貴重な情報をありがとうございます。
私、ファイン製薬を探ってみます。」
「ありがとうございます。
私が世話になってる出版社は大手じゃないので、この手の記事は平気で出してくれます。まあ、その分皆さんの目に触れる機会は少ないんですが。
それと、海外メディアならさすがに圧力もかけられんでしょうから、そっちへのはたらきかけもしてみますよ。」
「ありがとうございます。」
「また来週お時間をいただけますか?」
「ええ。喜んで。
私の連絡先です」
私は携帯を差し出して、沢渡と連絡先の交換をしてから解散となった。
そうだ。美優のいるファイン製薬に行ってみよう。
今はそこに賭けるしかない。
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