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メンタルケア
しおりを挟む今日は私のメンタル面での分析結果が出たということで話を聞きに行った。
驚いたことに、私は女性として社会生活をしても充分に適応できるという結果が出たのだった。
カウンセラーの先生もこれには大変驚いていた。
「元々自分の性に違和感を持っている人でも、我々は性適合手術に対しては慎重にならざるを得ません。本人が強い希望を持って手術をしたにもかかわらず、結局、環境等に適応出来ず、自殺してしまうケースもあるからです。
それぐらい難しくデリケートな問題なんです。
あなたみたいに性自認が男性であったのを無理矢理女性に変えられてしまったケースに関しては、正直言いまして、私もほとんど扱ったことがありませんが…
あなたは充分に女性としてやっていけるという結論に達しました。」
「ええ。自分でも大丈夫だと思います。考え方や嗜好… 全てに変化が起きてる自覚があります。
私が男性のときにどのような感情を抱き、どう行動していたか… 今となってはよく思い出せないんです。
そして、なんとなくこの状態を自然に思えるんです。
ただ… それが薬や洗脳教育によってもたらされたものであるかもしれませんが。」
「あくまでも仮説ですが、あなたには元々女性になりたいという願望が潜在的にあったのかもしれません。
無理をして男らしく振る舞っていたり… あなたは警察官だったそうですが、軍人や格闘技をやってる人等 、いわゆる男らしい仕事をしている人達の方が、逆にそういうタイプが多かったりするものなんです。
いや、あくまでも仮説なんで聞き流していただいて結構です。」
「… それは否定しません。確かに自覚こそ無かったですが、今思えば… 無理をしていた部分も多くありましたね。」
私は自分のこれまでの人生を思い返しながら、素直な気持ちで答えた。
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