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23日目
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ここに来て三週間が経過した。
注射を受けた後、珍しく外に出るように命じられた。
外と言っても塀で囲まれた内側のグランドにだが。
思えば部屋と診察室に視聴覚室を往復するだけで、他に何があるのか全くわからないのである。
脱走計画を立てるには、少なくともこの施設の概要を知らなくては話にならない。
グランドに出ると、俺だけでなく、ここに収容されてる人間が全員いた。
「あ、どうも。お久しぶりです…」
そう言って俺のところに駆け寄って来たのは…
あ、そうだ!
俺と一緒に右側の通路に連れて来られた男だった。
「ああ、あのときの… 無事でしたか?」
と言うと
「まあ…命だけは。 でもね…」
男は寂しげな表情で自分の胸を見下ろした。
だが、まだそれほど膨らんではおらず、明らかに俺の胸の方がデカい。
俺は無性に恥ずかしくなり、わざと前かがみになって胸を目立たないようにした。
男の名は佐山祐一
26才でフリーターをしていたそうだ。
聞いてみると、俺と同じように
拉致されてここに連れて来られたらしい。
「佐山さん、ところで、あと二人いましたよね? 彼らは大丈夫なんですか?」
そう俺が質問すると、佐山は後ろの方を指差した。
「ほら、あそこに立っている二人がそうですよ。あのとき右側の通路を連れて来られた4人はどうやら大丈夫なようですね。
左側に連れて行かれた他の連中は、あの日のうちにここを出されたらしいです。」
「なんとかここを逃げ出したいけど、今のところ突破口が見えなくてね。」
「吉岡さん、そりゃあ僕だって逃げたいですよ。今出てきた連中は半年前にここに連れて来られた人達らしいですよ。
ああなってしまう前に、なんとかしなくちゃ…
とは私も思っているんですが、なかなか…」
佐山の視線の先から、五人の男が兵士に引率されてグランドに出てきた。
確かに俺達より女性化が進んでいて、服装も囚人服には変わりないが、一目みて女性用とわかるものを着せられている。
「でも、あの人達より吉岡さんの方が胸デカくないですか??」
佐山の言葉にギクッとした。
だって、俺もそう思ってたところでの指摘だったから…
注射を受けた後、珍しく外に出るように命じられた。
外と言っても塀で囲まれた内側のグランドにだが。
思えば部屋と診察室に視聴覚室を往復するだけで、他に何があるのか全くわからないのである。
脱走計画を立てるには、少なくともこの施設の概要を知らなくては話にならない。
グランドに出ると、俺だけでなく、ここに収容されてる人間が全員いた。
「あ、どうも。お久しぶりです…」
そう言って俺のところに駆け寄って来たのは…
あ、そうだ!
俺と一緒に右側の通路に連れて来られた男だった。
「ああ、あのときの… 無事でしたか?」
と言うと
「まあ…命だけは。 でもね…」
男は寂しげな表情で自分の胸を見下ろした。
だが、まだそれほど膨らんではおらず、明らかに俺の胸の方がデカい。
俺は無性に恥ずかしくなり、わざと前かがみになって胸を目立たないようにした。
男の名は佐山祐一
26才でフリーターをしていたそうだ。
聞いてみると、俺と同じように
拉致されてここに連れて来られたらしい。
「佐山さん、ところで、あと二人いましたよね? 彼らは大丈夫なんですか?」
そう俺が質問すると、佐山は後ろの方を指差した。
「ほら、あそこに立っている二人がそうですよ。あのとき右側の通路を連れて来られた4人はどうやら大丈夫なようですね。
左側に連れて行かれた他の連中は、あの日のうちにここを出されたらしいです。」
「なんとかここを逃げ出したいけど、今のところ突破口が見えなくてね。」
「吉岡さん、そりゃあ僕だって逃げたいですよ。今出てきた連中は半年前にここに連れて来られた人達らしいですよ。
ああなってしまう前に、なんとかしなくちゃ…
とは私も思っているんですが、なかなか…」
佐山の視線の先から、五人の男が兵士に引率されてグランドに出てきた。
確かに俺達より女性化が進んでいて、服装も囚人服には変わりないが、一目みて女性用とわかるものを着せられている。
「でも、あの人達より吉岡さんの方が胸デカくないですか??」
佐山の言葉にギクッとした。
だって、俺もそう思ってたところでの指摘だったから…
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