或る実験の記録

14日目

朝食が終わると、診察室に連れて行かれた。 
ここに来るのは初日以来だ。 
中に入ると、またあの冷たい目の男がいた。 

「やあ、吉岡くんだったね。体の具合はどうだい？？」 

「ふざけんな!! こんなことして許されると思ってんのか!?」 

「もちろん許されるよ。ここではね。 
それと、あまり汚い口をきかない方がいい。 
君の後ろの兵士に私が合図するだけで、痛い目に遭うことになるからねえ。」 

「くっ…」 

「さあ、今日は定期検診の日だよ。服を全部脱いで全裸になりたまえ。」 

俺は屈辱感に塗れながらヤツに従った。 

その頃の俺はまだ囚人服のようなものを着せられており、ボタンを外して上着を脱いだ。 

ヤツは俺の胸の辺りを触って言った。 

「キミはなかなか良いよ。今まで私が扱ったサンプルの中で一番効果が出ている。 
総統もお喜びになられるよ。 
よし、今日から注射の種類を変えよう。 
今日入荷したばかりの新製品だよ。最初に打ってもらえることを光栄に思いたまえ。」 

俺のお尻にまた注射針が刺された。 

新製品か何か知らないが、これまで打たれた注射と何も変わりはしなかった。 

しかし… 三日後の晩、俺は衝撃を受ける事になる。