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仕切り直し
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「皆さん、西村さんは、見ての通り、心が女性のいわゆるGIDで、心と体の性が一致しないでずっと悩んで生きてきました。
うちの会社へも、悩んだ挙句、本当の自分を隠したまま男性として入社したそうです。
ですが、少しずつそんな生活に苦しみを覚え、私は相談を受けました。
悩んでいるのなら、自分が生きたいようにすればいいと、アドバイスし、今日から女性として働く事となったのです。
皆さんも戸惑いがあるでしょうが、一番しんどいのは西村さんです。
彼女をバックアップして、これからも頑張っていきましょう。」
社長が朝礼でそのように説明すると、皆から拍手が起きた。
ワタシ、GIDでもないんだけど…
ワタシみたいなタイプは珍しいから、そう説明した方がわかりやすいんだろうな。
一言求められたワタシは、女声で
「皆さん、色々お騒がせして申し訳ありません。
社長からご説明していただきましたように、ワタシは女性として生きたいと思いながらも、それではなかなか仕事も見つからない事から、男性として面接を受け、こちらに採用していただきました。
ですが、男性として生きていく事に苦しみを感じ、社長にご相談させていただいたところ、このような姿で働く事をお許しいただきました。
気持ち悪いと思われるかもしれませんが、お仕事に関しては、これまで以上に頑張っていくつもりですので、今後ともよろしくお願い致します。」
と、言って頭を下げた。
「西村さんは西村さんだから、そんな事気にしないで。
これからもよろしくね。」
佳澄さんがそう言うと、他のみんなも頷き、また拍手してくれた。
ワタシのカミングアウトは、社長と佳澄さんのフォローのおかげで、思いの外スムーズにする事が出来たのだった。
朝礼後、大石係長がワタシのところにやってきて、少し戸惑いながらも声をかけてくれた。
「西村君…いや、西村さん。
あらためてよろしくね。」
「係長、すみません。
色々お騒がせしてしまい…」
「いや、そんな事は全然いいんだけど。
あの、仕事の事なんだけど、その、社長とは今後どうするかっていう話はした?」
「えっ、仕事の…?」
「そうそう。
今、俺と一緒に営業として得意先回ってるじゃん。
これからどうするのかなって。
内勤業務になるのか、そのまま営業として続けるのか…」
「出来ましたら、今後とも係長の下で営業職を続けさせていただきたいんですが、いいでしょうか。」
「それは、勿論。
俺の方は大歓迎だよ。
キミがそれで大丈夫なら、これからも変わらず頑張っていこう。」
大石係長はそう言ってくれた。
すごくありがたかった。
うちの会社へも、悩んだ挙句、本当の自分を隠したまま男性として入社したそうです。
ですが、少しずつそんな生活に苦しみを覚え、私は相談を受けました。
悩んでいるのなら、自分が生きたいようにすればいいと、アドバイスし、今日から女性として働く事となったのです。
皆さんも戸惑いがあるでしょうが、一番しんどいのは西村さんです。
彼女をバックアップして、これからも頑張っていきましょう。」
社長が朝礼でそのように説明すると、皆から拍手が起きた。
ワタシ、GIDでもないんだけど…
ワタシみたいなタイプは珍しいから、そう説明した方がわかりやすいんだろうな。
一言求められたワタシは、女声で
「皆さん、色々お騒がせして申し訳ありません。
社長からご説明していただきましたように、ワタシは女性として生きたいと思いながらも、それではなかなか仕事も見つからない事から、男性として面接を受け、こちらに採用していただきました。
ですが、男性として生きていく事に苦しみを感じ、社長にご相談させていただいたところ、このような姿で働く事をお許しいただきました。
気持ち悪いと思われるかもしれませんが、お仕事に関しては、これまで以上に頑張っていくつもりですので、今後ともよろしくお願い致します。」
と、言って頭を下げた。
「西村さんは西村さんだから、そんな事気にしないで。
これからもよろしくね。」
佳澄さんがそう言うと、他のみんなも頷き、また拍手してくれた。
ワタシのカミングアウトは、社長と佳澄さんのフォローのおかげで、思いの外スムーズにする事が出来たのだった。
朝礼後、大石係長がワタシのところにやってきて、少し戸惑いながらも声をかけてくれた。
「西村君…いや、西村さん。
あらためてよろしくね。」
「係長、すみません。
色々お騒がせしてしまい…」
「いや、そんな事は全然いいんだけど。
あの、仕事の事なんだけど、その、社長とは今後どうするかっていう話はした?」
「えっ、仕事の…?」
「そうそう。
今、俺と一緒に営業として得意先回ってるじゃん。
これからどうするのかなって。
内勤業務になるのか、そのまま営業として続けるのか…」
「出来ましたら、今後とも係長の下で営業職を続けさせていただきたいんですが、いいでしょうか。」
「それは、勿論。
俺の方は大歓迎だよ。
キミがそれで大丈夫なら、これからも変わらず頑張っていこう。」
大石係長はそう言ってくれた。
すごくありがたかった。
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