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確信と核心と革新
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「えっ、あの…
女性ホルモン?」
「うん。
ホント、間違ってたらごめんなさい。
私ね、仲のいいお友達にニューハーフの子がいるのよ。
その子が女性ホルモンの注射を始めてから、体つきとか顔つきまで変わっちゃってね。
西村クンを見てたら、どうしてもその子とダブっちゃって。」
「そうなんですか…」
「ごめんね
私が勝手にそう思っただけだから。」
ここは、言うべきなのか…
どうしよう…
「あの、冴木さん
皆さんには内緒にして欲しいんですけど…
おっしゃる通り、女性ホルモンをしています。」
「あー、やっぱりそうなんだね
勿論他の人には言わないから安心して。」
「すいません…」
「なんか色々事情があるみたいだし、詮索はしないから。」
「いえ、もしよかったら話を聞いてもらってもいいですか。」
「うん。
私でよければ、聞かせてもらうわ。」
「ワタシ…
あ、普段の一人称はワタシなんで。
ワタシは、元々ニューハーフになりたいってわけじゃなかったんですけど、浪人生の時にすごく美人のニューハーフの方と知り合って、流れというか、なんとなくなんですけど、その方のショーパブでバイトさせてもらう事になったんです。
初めて化粧したとき、全身に電気が走るっていうか、衝撃を受けちゃって。
今まで気付かなかったけど、自分が求めていたのはこれだ!って思ってしまったんです。」
「わかるわ。
西村クン、すごく綺麗だもの。
メイクしたら尚更だと思う。」
「いえ、そんな事はないんですけど、自分はそう思ってしまったんです。
普段、浪人生で、暗い人生を送っていた事も影響したと思うんですけど、ショーパブでのバイトが楽しくて楽しくて。
段々、そっちの生活をメインとして考えるようになったんです。」
「なるほどね」
「でも、何か物足りなさを感じだし…
それは何だろうって考えたら、胸だったんです。
先輩達にあって自分にないもの
それは胸の膨らみであり、女らしい体つきだって。
ワタシは深く考えないまま女性ホルモンを始め、そして、去勢までしてしまいました。」
「去勢もしちゃってるんだ…」
「はい。
まあ、それについては後悔してるんですが、もうどうにもならない事なので、受け入れてます。
そんな状況の中、高校のときの同級生の女子と再会し、ワタシはその子は付き合う事になったんです。
ワタシはそこでようやく、アイデンティティを取り戻したというか、再び、男として生きてみたいと考えるようになりました。
でも、去勢までしたこの体で男として生きるのは無理があり、男として彼女を愛したい反面、女らしい体でいたいという相反した考えが出てきてしまい、こんな中途半端な形で仕事を探していた…
って話なんです。」
「そうなのね。
よく理解できたわ」
冴木さんはワタシの話を何故かすんなりと理解した。
女性ホルモン?」
「うん。
ホント、間違ってたらごめんなさい。
私ね、仲のいいお友達にニューハーフの子がいるのよ。
その子が女性ホルモンの注射を始めてから、体つきとか顔つきまで変わっちゃってね。
西村クンを見てたら、どうしてもその子とダブっちゃって。」
「そうなんですか…」
「ごめんね
私が勝手にそう思っただけだから。」
ここは、言うべきなのか…
どうしよう…
「あの、冴木さん
皆さんには内緒にして欲しいんですけど…
おっしゃる通り、女性ホルモンをしています。」
「あー、やっぱりそうなんだね
勿論他の人には言わないから安心して。」
「すいません…」
「なんか色々事情があるみたいだし、詮索はしないから。」
「いえ、もしよかったら話を聞いてもらってもいいですか。」
「うん。
私でよければ、聞かせてもらうわ。」
「ワタシ…
あ、普段の一人称はワタシなんで。
ワタシは、元々ニューハーフになりたいってわけじゃなかったんですけど、浪人生の時にすごく美人のニューハーフの方と知り合って、流れというか、なんとなくなんですけど、その方のショーパブでバイトさせてもらう事になったんです。
初めて化粧したとき、全身に電気が走るっていうか、衝撃を受けちゃって。
今まで気付かなかったけど、自分が求めていたのはこれだ!って思ってしまったんです。」
「わかるわ。
西村クン、すごく綺麗だもの。
メイクしたら尚更だと思う。」
「いえ、そんな事はないんですけど、自分はそう思ってしまったんです。
普段、浪人生で、暗い人生を送っていた事も影響したと思うんですけど、ショーパブでのバイトが楽しくて楽しくて。
段々、そっちの生活をメインとして考えるようになったんです。」
「なるほどね」
「でも、何か物足りなさを感じだし…
それは何だろうって考えたら、胸だったんです。
先輩達にあって自分にないもの
それは胸の膨らみであり、女らしい体つきだって。
ワタシは深く考えないまま女性ホルモンを始め、そして、去勢までしてしまいました。」
「去勢もしちゃってるんだ…」
「はい。
まあ、それについては後悔してるんですが、もうどうにもならない事なので、受け入れてます。
そんな状況の中、高校のときの同級生の女子と再会し、ワタシはその子は付き合う事になったんです。
ワタシはそこでようやく、アイデンティティを取り戻したというか、再び、男として生きてみたいと考えるようになりました。
でも、去勢までしたこの体で男として生きるのは無理があり、男として彼女を愛したい反面、女らしい体でいたいという相反した考えが出てきてしまい、こんな中途半端な形で仕事を探していた…
って話なんです。」
「そうなのね。
よく理解できたわ」
冴木さんはワタシの話を何故かすんなりと理解した。
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