ニューハーフな生活

フロイライン

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「へえ、そんな事があったんだ。

ドラマみたいやん」


ユウさんに昨日の出来事を話すと、さすがに驚いた様子だった。


「はい。
だから、しばらくはお泊まりやめて早く帰ろうと思い、今お願いしたところなんです。」


「それにしても世間て狭いよね。
そんなところで地元の同級生に再会するんだから。

ワタシもこの前、地元でめっちゃ仲の良かったお兄がお客で来た時は、腰が抜けそうになったけど」


「えーっ、それって
ユウさんの事を知ってて来たんですか?」


「うーん

どうかな…

何とも言えないけど、まあ一応お金払って来てくれたんだし、お互いに気まずかったけど最後までやったわよ。」


「うわあ、さすがプロだわ」


「ユキちゃんのプロ意識に比べたら、まだまだだよ、ワタシなんて。

そうそう

で、AVの話はどうするの?」


「お受けする事にしました。」


「そっか

あんまり変な事させられるんだったら、ちゃんと断るのよ。」


「はい。ありがとうございます」


と、話したところで店長に呼びに来られた。


「ユキちゃん、90分オプションなしの方来られましたよ

袴田さん、リピーターの方ね」


「はーい、二回目です

この前来てくれたばかりなのに嬉しいな」

ワタシはスタンバイするために控え室を出た。






今日もほぼ待機時間なしで6組のお客様のお相手をした。
本当に有難いこと…

ワタシはバタバタの帰り支度をして、お店を出た。

(もう11時かあ
沙耶香を待たしちゃってるかなあ)

ワタシは腕時計をチラッと見ながら、早足で駅から家へと続く道を歩いた。


「ただいまー」


玄関を開けて、靴を脱ぎながら奥に向かって声をかけると、沙耶香が出てきて

「お帰り、ユキ」

と、笑顔で言ってくれた。

この上ない幸せを感じながら奥に行くと

ご飯の支度をしてくれていた。


でも…


「ユキ、お腹空いてる?
拙い腕前だけど、頑張って作ったから食べてくれるかな」


「嬉しい、ありがとー

でも、沙耶香もまだ食べてないんじゃないの?」


テーブルの上に二人分のお箸とお皿があったので、それがすごく気になって聞いた。


「あ、いいのいいの

一緒に食べたいと思ってたから。」


「ダメだよ、こんなに遅くまで待ってもらうの悪いよ」


「大丈夫だって。
最近は結果夜抜く事も多かったし、私」


沙耶香は笑って言ったけど、そこまで経済状況が逼迫していた事が暗に伝わってきた。

「今日だけだよ。
もし、これからそういう事があっても、絶対先に食べといてね。」

「うん、わかった」


「でも、沙耶香と一緒にご飯食べられて嬉しい

ありがとう」

ワタシがそう言うと、沙耶香は笑みを浮かべてキッチンに行き、作った料理をお皿に盛り付けしてくれた。

それらはどれもめちゃくちゃ美味しくて、一々ワタシを感動させた。
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