ニューハーフな生活

フロイライン

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添い寝

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花岡の後にワタシもお風呂に入り、髪を乾かし、肌の手入れをした後、歯磨きをして、ようやく寝る段取りとなった。

花岡はワタシのパジャマを着て、寝ずにソファーに座って待ってくれていた。

「お待たせ」

ワタシがリビングに行くと、花岡は何も言わずにこちらの方をじっと見つめた。


「西村、すっぴんが…
女顔になってるし…」


「眉毛とか手入れしてるし、ほら、生え際にもうぶ毛が生えてるでしょ?

女性ホルモンのおかげよ。」


「すごいね。

そんなに感じ変わるんだ。」


「いくら化粧とかしててもベースが男だから、どうしてもフツーの女性と比べたら、あらゆる面で劣ってるのよ。

だから、それなりにお金と時間をかけてケアしてるわ。」


「ご謙遜を

肌だってピチピチじゃん」


「保湿保湿」

「何から何まで感心しちゃうわ。

あっ、その胸は?」


「えっ、これ?」

ワタシが胸を両手で押さえて言うと、花岡は頷いた。


「パジャマの上からでもめっちゃ膨らみがわかるんだけど、豊胸手術とかしてんの?」


「これだけは自慢させてほしいんだけど、自前だよ。」


「へえ、それも女性ホルモン剤で?」


「そうそう」


「ちょっと触らせて」


「いいよ」


花岡はワタシの胸を両手で上から鷲掴みにして、揉んだ


「うわっ、ホンモノの感触!

すごっ!」


「へへっ」


「サイズは?」


「公称Dって事にしといて。」


「D!!」


「ホルモンだけでDカップになる人ってほとんどいないらしくて、ワタシも奇跡のおっぱいって言われてるのよ」


「うんうん

ホントすごいよ」


ワタシ達はそれから少し話を続けていたけど、もう2時前になってたので、さすかに寝ようってなり、寝室に入った。


「失礼します」

そう言って、花岡は申し訳なさげにベッドの中に入ってきた。

でも、思いっきり端っこにいるもんだから、ワタシと花岡の間には大きなスペースが出来てしまった。

「もう、遠慮しないで、もっと真ん中で寝なよ」


「うん…ありがとう」

花岡は申し訳なさそうに言って、ワタシに肩をくっつけるようにして近寄ってきた。

「あっ」


「ん?」

「西村って香りからして女の子そのものなんだね。」


「えっ、どういうこと」


「男の人特有の匂いってあるじゃん
そういうのが全然ないんだけど」


「それは嬉しいな」


「可愛いね、西村って」


「それはどうかわからん

あ、ベッドどう?
他人のって慣れなくて寝にくいから」


「ううん。

こんな寝心地のいいベッドとお布団で寝れたの久しぶりだよ

ありがとう…

うぅっ…」


花岡は言葉が最後まで続かず、泣き出してしまった。
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