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social gathering
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花岡とワタシを含めて七人という小ぢんまりとした飲み会が行われた。
ワタシは契約するかどうか決めてなかったから、参加するつもりはなかったんだけど、花岡ともっと話したかったから、江村さんのお言葉に甘えてしまった。
シリウス企画の人達はみんな四十代っぽい感じのおじさんばかりで、優しくて気配りもできて、ワタシもすぐに馴染む事が出来た。
飲み会の酒の肴は、勿論…
ワタシと花岡の事だった。
二人の関係、高校の時の互いの様子、花岡からワタシへの告白。
その後の二人の人生など…
ワタシもニューハーフになるまでの過程は、結構みんな驚いてきいてくれたけど、花岡はもっと驚きというか、キツイ人生を送ってた事がわかった。
花岡の話によると、高校卒業後、東京に出てきて携帯ショップで働いてたそうだ。
ワタシと同時期にこっちに来てたのか…
そんなとき、合コンで知り合った男と付き合うようになって同棲を始めたらしいんだけど、その男が悪い奴で、花岡から金を借りたりはまだ良いとして、花岡の財布から金を盗んだり、とにかく酷い事をしまくったそう。
花岡もウブで信じ込みやすいタイプだったから、男のために借金したりしてあげたけど、男は花岡を捨てて行方知れず。
残ったのは借金だけ。
途方に暮れる花岡だったが、携帯ショップの給料ではとても返せず、援交みたいな売春にも、手を染めてしまい、シリウス企画とも契約して、なんとか完済の道筋がついたところらしい。
「やっと完済まで漕ぎ着けたんだね。
よく頑張ったね、サヤカちゃん」
「ありがとうございます。
シリウスさんに契約していただいて、本当に助かりました。
ありがとうございます。」
「いやいや、サヤカちゃんの実力だよ。
だから、ウチも他に渡したくなかったから契約金も多めに出させてもらったという面もあるし」
「本当に…ありがとうございました…」
とうとう花岡は泣いちゃった。
その後はまた笑顔が戻り、楽しい会となった。
聞くと、花岡の契約はあと一本で、江村さんとしてはその記念作品を、ワタシのデビュー作と絡めたいと思っているらしい。
「そういうわけなのよ。
私の引退記念作品とアンタのデビュー作品を合わせたものを出してくれるって言ってるんだから、受けなさいよ」
「えーっ」
酒癖悪いよぉ、花岡
ワタシは契約するかどうか決めてなかったから、参加するつもりはなかったんだけど、花岡ともっと話したかったから、江村さんのお言葉に甘えてしまった。
シリウス企画の人達はみんな四十代っぽい感じのおじさんばかりで、優しくて気配りもできて、ワタシもすぐに馴染む事が出来た。
飲み会の酒の肴は、勿論…
ワタシと花岡の事だった。
二人の関係、高校の時の互いの様子、花岡からワタシへの告白。
その後の二人の人生など…
ワタシもニューハーフになるまでの過程は、結構みんな驚いてきいてくれたけど、花岡はもっと驚きというか、キツイ人生を送ってた事がわかった。
花岡の話によると、高校卒業後、東京に出てきて携帯ショップで働いてたそうだ。
ワタシと同時期にこっちに来てたのか…
そんなとき、合コンで知り合った男と付き合うようになって同棲を始めたらしいんだけど、その男が悪い奴で、花岡から金を借りたりはまだ良いとして、花岡の財布から金を盗んだり、とにかく酷い事をしまくったそう。
花岡もウブで信じ込みやすいタイプだったから、男のために借金したりしてあげたけど、男は花岡を捨てて行方知れず。
残ったのは借金だけ。
途方に暮れる花岡だったが、携帯ショップの給料ではとても返せず、援交みたいな売春にも、手を染めてしまい、シリウス企画とも契約して、なんとか完済の道筋がついたところらしい。
「やっと完済まで漕ぎ着けたんだね。
よく頑張ったね、サヤカちゃん」
「ありがとうございます。
シリウスさんに契約していただいて、本当に助かりました。
ありがとうございます。」
「いやいや、サヤカちゃんの実力だよ。
だから、ウチも他に渡したくなかったから契約金も多めに出させてもらったという面もあるし」
「本当に…ありがとうございました…」
とうとう花岡は泣いちゃった。
その後はまた笑顔が戻り、楽しい会となった。
聞くと、花岡の契約はあと一本で、江村さんとしてはその記念作品を、ワタシのデビュー作と絡めたいと思っているらしい。
「そういうわけなのよ。
私の引退記念作品とアンタのデビュー作品を合わせたものを出してくれるって言ってるんだから、受けなさいよ」
「えーっ」
酒癖悪いよぉ、花岡
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