ニューハーフな生活

フロイライン

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決断

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社長の提案に、皆が一様に考え込み、発言をしなかったが、しばらくすると、ユウさんが口を開いた。

「社長、ワタシはママが戻ってくるまで副業の勤務時間を伸ばしてしのぎます。

だから、移籍の件はけっこうです。」

ユウさん、ヘルスをメインにしてしまうのか…
じゃあ、ワタシもそうするか


「ワタシもユウさんと同じで、副業メインにしますので移籍はしません。」


でも、副業してるのって、たしか…ユウさんとワタシだけのはず
皆んなはこのショーパブ一本で生計立ててるんだから、そうはいかないよね


ミカさんは

「ワタシは副業してないから、そういうわけにはいかないけど、ママが帰ってくるのを信じて、バイトか何かしながら待ってます。
移籍しちゃったら、ここに戻ってこれないもんね。」


そんなこんなで移籍するのはレイカさんと優香さんの二人に留まり、後の六名は美咲ママを待つという選択をした。
美咲ママはカリスマ性があって、ワタシを含めてみんな慕ってたから。

ミカさんは運送屋の配送センターの仕分け作業のバイトに応募して、力仕事に精を出すみたい。

他のメンバーもそれぞれ知り合いが経営している飲食店等で短期のバイトをするらしい。

メルさんだけは、ユウさんにヘルスを紹介してほしいって頼んできたので、ワタシらの同僚になります。

メルさんもめちゃくちゃ可愛いから、合格間違いなしだと思うしね。


それにしてもママが心配だ。

お見舞いに行きたいけど、人に会える状態じゃないからって、社長に言われて、行くのを断念した。


ママの復帰はいつになるかわからないけど、明日からは風俗の仕事をメインで頑張ろう。

でも、風俗業って心身共にキツイのよね

果たして務まるのか心配だ。


「ユキちゃん、まあ仕方ないよ。
ワタシもお金に余裕があれば、軽いバイトを選んでたと思うけど、風俗のシフトを目一杯入れるしかないって思ってる。
泊まりも解禁するわ」

「えーっ、そうなんですか

ワタシ、どうしようかなあ」

ヘルスで言うところの泊まり(stay)とは、22時以降で10時間の予約をする事で、必然的に泊まりになってしまう。
勿論、一晩中やるんじゃなくて、ちゃんと睡眠時間も確保できるようにはなってるんだけど、これがかなりキツイらしく、ワタシはショーパブと掛け持ちだったから泊まりなんて一度もした事がなかった。

もし、風俗一本でやってたとしても、泊まりは…
多分してなかったと思う。

それをユウさんは、これを機会に解禁するって言ってる。

ユウさんは実家のためにお金が必要なんだから仕方ないけど…
ワタシとて、妹の学費を稼がないといけないし…

うわあ、こんな事なら振袖に100万も出さなきゃよかった

今になって後悔。
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