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誓い
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けっこう長期間となった帰省も、全ての予定を終え、東京に戻る日の朝を迎えた。
「ユキ、今度はいつ帰ってくるの?」
母さんは荷造りするワタシを見つめながら寂しそうに言った。
「まだわかんないけど、ゴールデンウィークに帰れたら帰るよ。」
「それまでにママと二人でユキちゃんのところへ訪ねて行こうかって話してたのよ。
ね、ママ」
優菜はニヤニヤしながらワタシに言った。
「受験生なのに余裕だね。」
「ユキちゃんと違ってワタシは少しくらい息抜きしても落ちないと思うし、浪人にもならないわ。」
「相変わらずキツイなあ」
そんな話をしてたら、ワタシも寂しくなってきて、なんか帰りたくなくなってきた。
女性ホルモンの影響で、こういうとき、ホントにダメなんだよねえ。
駅までは母さんが車で送ってくれて、優菜も一緒についてきた。
「それじゃあ、体に気をつけてね
何かあったら電話かけてくるのよ」
「うん。ありがとう、お母さん」
「じゃあね、ユキちゃん
今度帰ってきた時は、車に一緒に乗ってた彼氏を紹介してね」
「そ、そんなんじゃないわよ。」
ワタシはしどろもどろになって優菜に否定したけど、その姿を見て真実がバレてしまった事だろう。
「じゃあ、行くね。
二人共元気でね」
ワタシは手短に言うと、改札を抜けた。
そして、振り返ると、手を振る二人の姿が見えたので、ワタシも少しだけ手を振り、ホームへ上がるエスカレーターに乗った。
なんか、涙が出てきた。
全ては女性ホルモンの影響だろうけど、ニューハーフのワタシを優しく迎え入れてくれた二人への感謝と、離れ離れになる寂しさと、色んな感情がごちゃ混ぜになって、涙がこぼれ落ちてきた。
でも、どちらにせよ、今回の帰省は私にとってすごく有意義で濃密な三週間だった。
東京に戻ったら、お仕事頑張って優菜の学費を作ろう。
次の帰省のときに手渡せるように
「ユキ、今度はいつ帰ってくるの?」
母さんは荷造りするワタシを見つめながら寂しそうに言った。
「まだわかんないけど、ゴールデンウィークに帰れたら帰るよ。」
「それまでにママと二人でユキちゃんのところへ訪ねて行こうかって話してたのよ。
ね、ママ」
優菜はニヤニヤしながらワタシに言った。
「受験生なのに余裕だね。」
「ユキちゃんと違ってワタシは少しくらい息抜きしても落ちないと思うし、浪人にもならないわ。」
「相変わらずキツイなあ」
そんな話をしてたら、ワタシも寂しくなってきて、なんか帰りたくなくなってきた。
女性ホルモンの影響で、こういうとき、ホントにダメなんだよねえ。
駅までは母さんが車で送ってくれて、優菜も一緒についてきた。
「それじゃあ、体に気をつけてね
何かあったら電話かけてくるのよ」
「うん。ありがとう、お母さん」
「じゃあね、ユキちゃん
今度帰ってきた時は、車に一緒に乗ってた彼氏を紹介してね」
「そ、そんなんじゃないわよ。」
ワタシはしどろもどろになって優菜に否定したけど、その姿を見て真実がバレてしまった事だろう。
「じゃあ、行くね。
二人共元気でね」
ワタシは手短に言うと、改札を抜けた。
そして、振り返ると、手を振る二人の姿が見えたので、ワタシも少しだけ手を振り、ホームへ上がるエスカレーターに乗った。
なんか、涙が出てきた。
全ては女性ホルモンの影響だろうけど、ニューハーフのワタシを優しく迎え入れてくれた二人への感謝と、離れ離れになる寂しさと、色んな感情がごちゃ混ぜになって、涙がこぼれ落ちてきた。
でも、どちらにせよ、今回の帰省は私にとってすごく有意義で濃密な三週間だった。
東京に戻ったら、お仕事頑張って優菜の学費を作ろう。
次の帰省のときに手渡せるように
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