ニューハーフな生活

フロイライン

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軌道

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風俗嬢としてデビューを飾ったワタシは、その後も順調にお客さんが付き、デビューして僅か一ヶ月で店の人気ランキング二位に躍り出た。
一位は勿論ユウさんで、聞くところによると三位との差がかなり開いているらしい。

ニューハーフといえども、内面的には女性の嫌な部分を兼ね備えているので、元々いた先輩達から無視されるようになった。

エマさんは相変わらず親切にしてくれるが…


「そんなの一々気にしなくていいよ。」

出勤前にユウさんとお茶してたんだけど、そう言って励ましてくれた。

ユウさんは何故か無視されてないらしい。

「まあ、ユキちゃんは可愛いからね。
僻みもあるんだよ、きっと。」

ダントツ可愛くて美しいユウさんが言うと、説得力がない。


まあ、ユウさんが側にいてくれるから心強いし、開き直って頑張ろ。



「おはようございます」

ワタシとユウさんが揃って出勤すると、日村さんが慌てて飛んできた。

「おはよう、二人とも」

「どうしたんですか?」

「いやあ、実はね今日取材が入っててね」

「取材?」

ユウさんが怪訝な顔をして日村さんの方を見ると

「そうなんだよ。

マンマンデラックスの風俗体験動画。

みりあちゃんが出る予定になってたんだけど、熱出しちゃってさあ、急遽代役にどうかな?って」

って、早口で言ってきた。

「やるわけないじゃん」

それに対し、ユウさんは呆れた口調で吐き捨てるように言った。


「ユキちゃんはどう?」


「えっ、ワタシ?」

唐突なご指名にあたふたしてると、ユウさんが

「ユキちゃんはそんなのに出なくてもお客さんがいっぱい付いてんだから、必要ないよ。
他をあたって」

と、口を挟んでくれた。


「かと言ってもなあ

今入ってるのエマしかいないし…」
 

日村さんは椅子に座って携帯をいじってるエマさんを見つめながら言った。

「こっちに振るなよ。」

エマさんは顔色一つ変えず、そのまま携帯をいじったままで答えた。



「あのう、ワタシでよければ、やりましょうか?」

何故かわからないけど、咄嗟に言ってしまった




「ユキちゃん!やってくれる!?

ありがとう!!」


日村さんは歓喜し、ワタシに握手を求めてきた。
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