ニューハーフな生活

家庭の事情

「さっきも言ったけど。ヘルスの仕事なんてやらないに越したことはないわ
ユキちゃんには向いてないよ」



「ユウさん、ワタシ自身はお金なんて必要ありません。

でも、妹の為に稼ぎたいんです。お金が欲しいんです。
父が死んで、ワタシの実家も今大変なんですが、妹だけは何としても大学に行かせてあげたくて…
今ユウさんの話を聞いて、その手があったかって」　　　

「それでヘルス？」

「はい。」

「やめときなさい。
それに夜のショーパブの仕事は続けるんでしょ？
昼間にヘルスで働くとして、学校はどうするのよ。」


「休学しようと思ってます。ある程度お金が貯まるまで。」


「うーん…
ユキちゃんの人生だし、ワタシがとやかく言う事じゃないけど、ヘルス嬢の仕事ってホントに大変だよ。」


「覚悟は出来てます。」


ワタシがそう言うと、ユウさんはコーヒーを一口飲み、そして頷いた。

「わかった。

ユキちゃん、これから時間ある？」


「はい、明日は学校も休みですし」

「じゃあ、ちょっとウチに寄ってかない？」


何かよくわからないけど、ユウさんの自宅にお呼ばれしてしまった。

ユウさんのマンションはとてもキレイで室内もバリキャリが住んでるって感じの素敵な雰囲気だ。

ユウさんはワタシをソファーに腰掛けさせると、お茶を差し出しながら言った。

「ユキちゃん、今からワタシがヘルスの仕事がどういうものか教えてあげる。

それと、適性があるかも見てあげる。

もし、ワタシがムリだって判断したら諦められる？」

「えっと、はい。
ワタシはユウさんの事を心から信頼して、そして憧れてますので、従います。」

「オッケーよ
じゃあ始めよう」

ユウさんはワタシを見つめてニコッと笑った