ニューハーフな生活

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生活支援

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色々あった帰省だったけど、あっという間に東京に戻る日を迎えた。

荷物をまとめるワタシの元へ優菜がやってきた。

「ユキちゃん、もう帰るの?」

「うん。バイトもあるからね」

「次はいつ帰ってくるの?」

「年末かな」

「お母さんもあんなこと言ってもユキちゃんのこと心配してるし、たまには電話かけてあげてよ」

「あ、うん。

優菜には悪いと思ってるけど、母さんの事頼むね。」

「わかってる。

お母さんのことをは任せといて。

それとさあ、私、東京の大学行きたいって言ったけど、やっぱりやめとくわ。

お父さんが死んで、お母さん一人にして出てけないから、それに…」


「?」


「やっぱりお金かかっちゃうしね。」

「優菜…」

「だって、これからは母子家庭だよ、ウチ」 

「まあ、それはそうだけど…

あ、そうだ。

もし、東京の大学への進学を真剣に考えてるんだったら、お金はワタシが何とかするよ」


「えっ」


「うん、任せてといて」

「でも、そんな大金…」

優菜は心配してたけど、まあ、何とかなると言って説き伏せた。


今のお仕事のお給料だけじゃちょっと足りないかもしれないけど、可愛い妹のためだし、なんとか頑張ってみよう。



ワタシは母さんと優菜に別れを告げ、実家を後にした。


あ、そうだ…

浮気した事を圭太に謝らないと…

圭太のことはすごく愛してるのに、ワタシはなんで水谷と寝てしまったんだろう…

ただの淫乱ニューハーフだから?

いや、そうじゃない…

ワタシは恐れている

いつの日か圭太に好きな女性が出来て、捨てられる事を

それはワタシが望んだ事でもあり、また見たくもない未来である。

そうなる前に…

なんていう心理がはたらいたかもしれない

圭太に浮気の事を話し、軽蔑され、そして、別れる事になっても、捨てられたんじゃないって自分に言い訳が出来るから…

そんな事を考えてる間に、あっという間に東京に着き、家に着いてしまった。

エントランスで解錠し、エレベーターに乗り込むと、ワタシの胸の鼓動は今までにないくらい激しくなった。

部屋の鍵を開けて中に入ると…

圭太の靴があった。

そして、物音に気付いたのか、圭太がすぐに玄関にやってきた。

「お帰り」

「ただいま」

いつもと変わらない圭太の姿

ワタシは何か泣きそうになってしまった…

部屋に荷物を置き、手を洗い、うがいをして
リビングに入ると、圭太がお茶を用意してくれてた。

「ありがとう」

ワタシはお茶を手に取り、少しだけ飲んだ。、

さあ、謝ろう。


「あの、圭太」

そう言いかけた瞬間、かぶせるように圭太も口を開いた。

「ユキ、ちょっと話があるねん」

圭太はいつもより真剣な表情…いや、少し緊張したような面持ちでワタシを見つめていた。

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