ニューハーフな生活

フロイライン

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ヘルスデビュー

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いよいよ今日、ヘルスデビューとなる。
ワタシは緊張しまくり、三十分も早く出勤してきた。

気を紛らわせるために控え室で携帯を見てると、エマさんが出勤してきて話しかけてきた。


「おはよう、ユキちゃん」


「あ、おはようございます。」


ワタシは携帯をテーブルに置き、ぺこりと頭を下げた。


「いよいよ今日からだね。緊張してる?」

「はい、かなり‥」

「まあ、そんなに固くなることないわ。
アナタ、ルックスもスタイルも極上だし、何よりも若いから、すぐに人気者になれるわよ。」

「いえ、そんな事ないです。」

ワタシは赤面してるって自覚しながら首を横に振った。

そうこうしてると、マネージャーの日村さんが入ってきて

「ユキちゃん、早速予約が入ったよ
14時半から2時間コースね」

「あ、はい。
30分後ですね。」

「7階の2番ルームを使ってね。
あとは、ユウちゃんと研修でやった通りにやれば大丈夫だから。」

「はい。」

ワタシは一瞬にして緊張した。

「山ちゃん、予約してきたの常連さん?」

エマさんはタバコに火をつけながらマネージャーに視線を送った。

「うん。樽井さん」

「あー、あの人かあ、目ざといねえ」

エマさんはそう言うと声を出して笑った。

「ユキちゃん、予約してきた樽井さんて常連も常連で、新人入ったら即予約入れてくる人なのよ。
まあ、向こうも馴れてるからこっちがリードする心配は要らないし、最初のお客さんとしては良いんじゃないかな。」

「そうですか‥緊張します」

ワタシはガチガチになったが、深呼吸してからお迎えの位置にスタンバイした。

エレベーターでワタシの初の客、樽井さんが登場した。

「こんにちは」

樽井さんはワタシを見るなり、笑顔で挨拶をした。

見た目は普通のおじさんだった。中肉中背で年齢は四十歳か、それより少し上くらい?

ワタシは緊張感に包まれながら愛想笑いを浮かべ、お部屋にご案内

さあ、頑張るぞ…
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