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危機
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当初はワタシの方が圭太より成績も良く、志望大学もワンランク上だった。
でも、今のワタシは落ちるところまで落ち、行ける大学があるのかどうかという状況となっている。
今まだ自分の現在地を敢えて見ないようにして生きてきたけど、現実を突きつけられ、いよいよ真剣に考えるときがきてしまった。
いや、もう手遅れだとは思うけど。
とりあえず、アルバイトを休ませてもらうか、それが無理なら辞めるかして、学業に集中しないと、もうどうしようもない。
ワタシは今日の帰りにでもママに相談してみようと思い、仕事に行く準備を始めた。
その時だ。
ワタシの携帯が鳴った。めったにかかってくることなんてないのに。
画面を見ると、実家からだった。とりあえず電話に出てみた。
「もしもし」
「もしもし、幸洋?」
母親からの電話だった。
「どうした?」
「うん。あのね、お父さんが倒れたの」
「えっ」
「職場で倒れてそのまま病院に搬送されたんだけど、くも膜下出血だって。」
「マジ?」
そこから何を話したかよく覚えてない。
意識がなく、これから緊急手術するという事だけは辛うじて覚えている。
お店に連絡して休みをもらい、すぐに実家に帰る支度をした。
化粧を落として、下着も含めて男物の服装にし、伸びた髪はロン毛の男性という設定で後ろで結んだ。
夏じゃないし、おっぱいはそんなに目立たないと思い、サラシなどは巻かなかった。
慌てて出かけようと靴を履きかけたときに圭太が帰宅した。
私は早口で事の経緯を話した。
圭太は心配した様子で、私に優しい言葉をかけてくれたと思うけど、それもよくは覚えてない。
「今からだと、向こうに着くのは最終か」
私は焦る気持ちを抑えようと深呼吸をして電車に飛び乗った。
でも、今のワタシは落ちるところまで落ち、行ける大学があるのかどうかという状況となっている。
今まだ自分の現在地を敢えて見ないようにして生きてきたけど、現実を突きつけられ、いよいよ真剣に考えるときがきてしまった。
いや、もう手遅れだとは思うけど。
とりあえず、アルバイトを休ませてもらうか、それが無理なら辞めるかして、学業に集中しないと、もうどうしようもない。
ワタシは今日の帰りにでもママに相談してみようと思い、仕事に行く準備を始めた。
その時だ。
ワタシの携帯が鳴った。めったにかかってくることなんてないのに。
画面を見ると、実家からだった。とりあえず電話に出てみた。
「もしもし」
「もしもし、幸洋?」
母親からの電話だった。
「どうした?」
「うん。あのね、お父さんが倒れたの」
「えっ」
「職場で倒れてそのまま病院に搬送されたんだけど、くも膜下出血だって。」
「マジ?」
そこから何を話したかよく覚えてない。
意識がなく、これから緊急手術するという事だけは辛うじて覚えている。
お店に連絡して休みをもらい、すぐに実家に帰る支度をした。
化粧を落として、下着も含めて男物の服装にし、伸びた髪はロン毛の男性という設定で後ろで結んだ。
夏じゃないし、おっぱいはそんなに目立たないと思い、サラシなどは巻かなかった。
慌てて出かけようと靴を履きかけたときに圭太が帰宅した。
私は早口で事の経緯を話した。
圭太は心配した様子で、私に優しい言葉をかけてくれたと思うけど、それもよくは覚えてない。
「今からだと、向こうに着くのは最終か」
私は焦る気持ちを抑えようと深呼吸をして電車に飛び乗った。
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