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告白
しおりを挟む「ユキヒロ、お前がニューハーフの店でバイトしてるのを知った時には、コイツ変態やったんかって思た。」
「…」
「でも、お前は日に日に変化して、女装してなくても女っぽくなっていった。」
「…」
「ユキヒロだっていう先入観があるから気付かんかったけど、客観的に見たらお前はいい女や。」
「バ、バカか!何言ってんだよ…」
いい女という言葉に激しく動揺してしまった俺は顔が熱くなるのを感じながら声が上擦った。
「いや、全く事情を知らないとして、そういう女物の服着て歩いてるお前を見たら、俺は間違いなく好きになるやろう。」
「…」
「お前と一つ屋根の下に暮らしてて、なんとか平静を保てたんはお前が男やってわかってたからや。お前と同じように俺もホモとちゃうしな。」
「何が言いたいんだよ?」
「でも、昨日お前の体を見てしもてから、俺は冷静でいられへんようになってしもた。今日も予備校の授業が全然手につけへんかった…」
圭太の顔はいつになく真剣で、俺は返す言葉が無くなってしまった。でも、何か喋らないと空気があまりにも重くなるので、俺は苦し紛れにふざけ口調で言った。
「で、俺に惚れたのかよ!」
圭太は何も言葉を返してこなかった。
「腹減ってんだよ。出かけるからな。」
俺はたまらず、その場を離れて外に出た。
「アイツ、一体どういうつもりだ…」
独り言を言いながらエレベーターに乗る俺の頭の中は 、さっき圭太に言われた「いい女」って言葉がズシンとのしかかってきていた。
内心、すごく嬉しかった。店に来るお客さんや同僚からはやたら可愛いとか言われているが俺のしてることに否定的で冷ややかに見ていた圭太からの「いい女」発言は、今まで浴びせられたどの誉め言葉よりも俺の気持ちを高揚させた。
まあ、同時に気まずさも増した。
なんか飯食った後にすんなり家に帰りにくいなあ。どんな顔して帰りゃあいいんだよ…
悩むなあ…
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