ニューハーフな生活

フロイライン

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誘惑

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「美咲さん… 自分に出来るかどうかわからないですけど、こちらでお世話になってみてもよろしいですか?」 

「ホント!? 嬉しいわ!」 

あらっ、言っちゃったよ! 
どうしよう… こんな簡単に決めて良いのだろうか… 

「ユキちゃん、この後時間ある?」 

「えっ? あ、はい…」 

「じゃあ、もうちょっとだけ付き合ってくれる?」 

「はい…」 

今度はどこに行くんだ? 

美咲さんは店の前を通りかかったタクシーに手を上げて俺を乗り込ませ、続いて自分も乗り込んできた。 

「清水町まで」 

運転手にそう告げると、シートにもたれかかり、ホッとしたような表情を浮かべた。 

「ユキちゃん、私すごく嬉しいの。 
大切な財布を拾ってもらった事はもちろんだけど、一番の収穫はあなたに出会えた事かな。」 

「いえ、そんな…」 

「だって、あなたの素質はすごいものがあるもの。」 

「そうでしょうか… 自分ではよくわかりませんけど…」 

そんな会話を10分くらい続けていると 

美咲さんは 
「次の信号を越えたところで結構です」 

と 、運転手に告げてタクシーを停めさせ、手早く支払いを済ませた。 
車を降りた俺はぐるりと辺りを見回した。 
さっきまでのごちゃごちゃした繁華街とは打って変わって、閑静な住宅街といった感じの場所だった。 

「ここはどこなんですか?」 

「私が住んでるところよ。」 

美咲さんが指差す方向を見ると、いかにも高そうでキレイなマンションがあった。 
俺が圭太と住んでるやつとはレベルが違いすぎる。 いや、比べるのもおこがましい。 

美咲さんの部屋は9階にあり、俺をまたあの素晴らしい笑顔で招き入れた。 

「広い…」 

玄関に入るなり俺は感嘆の声を上げた。 

「もう~ 大した事ないわよ。大げさね。」 

3LDKってやつか… 

「ここ、一人で住んでるんですか?」 

「そうよ。 今お茶を入れるわね。」 

美咲さんは広々としたリビングにあるソファーに俺を座らせると、アイランドキッチン? 
てやつに行きコーヒーの準備を始めた。 
どれも高価なものばかりに思える。 
実際そうなんだろうけど。  

ところでどうして俺を部屋に連れて来たんだろう? 

まさか…
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